87話:案外綺麗です
眩しい感じが収まって、目を開いたら、綺麗なログハウスと庭がありました。
「……どういうこと?」
「なぁん」
体内っていうから、こう、もうちょっとグロテスクな感じも予想してたんですよ。でも、どこを見てもThe体内って感じはなくて、むしろThe箱庭って感じ。クロやイノがかけ回れるほどの広さはないけど、横になって休んだり、なんなら家庭菜園程度はできそうな広さの庭がある。
「あ、見た目は肉肉しくなくても、ちゃんと暖かいんだね」
「ほぁー」
箱庭の端を触ってみた。見た目は白い壁なんだけど、ふにっとしている。ほんのり暖かい。地面はちゃんと地面なので、土があるんだろう。どんだけ深いかはわからないけどね。
「ミケ、白家で爪とぎしちゃダメだよ」
「アァン? うるるるるっ!」
「あだだだだっ! いや、私に爪とぎしろってことじゃないから」
「ォアー?」
あなたは私の爪とぎでしょと言わんばかりの鳴き声である。人間はお猫様の爪とぎではありません。
「ほら、ログハウスの中を見に行こう。結構こぢんまりしてるから、みんなが入れるかしっかりと確認しなきゃ」
「にゃあん」
ミケを抱っこしてログハウスの扉を開けた。照明が元々あるタイプなのか、中はとても明るい。いや、天窓があって光も入ってきてるのか。というか、外の明かりはどこから来てるんですかね。謎が多すぎる。
「ひろっ! ここは広間かな」
「ぅあー!」
「扉が、いち、にー……あれ? 扉が5つある。ここは部屋カウントされてないのかな」
二階建てで、吹き抜けになってる広間だ。1階の左右に扉があり、2階にも左右と正面に扉がある。2階の正面の扉には、『主の部屋』とプレートが下げられていた。え、私の部屋ってこと?
「正面の観音開きの戸はなんだろう。……うわっ!? ひろっ!? え、これは部屋じゃないの?」
「なぁーん!?」
「……あ、棚が並んでる。これが収納空間ってことかな。え、めっちゃ広い!」
ウォークインクローゼット並みに広い収納スペースだ。色々しまえて便利そう。
「1階の左右の部屋はキッチン付きの部屋と、普通の広い部屋なんだね。キッチン付きの部屋は、食堂にしてもいいかも。広めの部屋は2人くらい入れそうだね」
「にゃー」
「それにしても明るい。温かみのあるログハウスって感じでいいね。2階の部屋も見に行こう!」
「にゃっ!」
階段をあがって2階へ。主の部屋は最後に見るとして、左右の部屋からチェックしよう。キッチン付きの部屋の上に位置してる部屋は、ちょっと狭めの部屋になっていた。それでも1人が住む分にはなんの問題もなさそう。逆のお部屋は広めで、3人以上でも余裕で住めそうだった。何畳とか私が分かればいいんだけどね。全然わからん。畳をくれ。置いて物理的に計算するからさ。
ミケがいそいそと主の部屋の前に行く。ここ、私の部屋にしろって白家が言ってるってことだよね。ミケ達も同室になると思うから、激狭じゃないといいんだけど。
「ぅあーーー!! ほぁー!!」
「……いや、広すぎワロタ」
ミケがテンション高く部屋の中を走り回る。「ひろーー!! すげー!!」って言ってるふうに聞こえるな。私も部屋の中に入って周りを見回す。
「……広間より広くね?」
「フンフンフンフン! なぁー!」
「ああ、ミケがテンションMAXに、鼻息が荒いな」
部屋の至る所で匂いを嗅ぎ、壁や床に体を擦り付けてマーキングしている。いや、この部屋を私が使うのは一旦保留にしよう。広すぎるわ。
「タークスさん達と部屋決めしてからね」
「アァン!?」
「ヤンキーかな?」
マーキングしているミケを抱き上げ、部屋を後にする。召喚獣達もどうするか決めないとなぁ。この庭なら、クロもイノも過ごしやすいと思うんだよね。家具とか、色々決めないとなぁ。
ところで、これってどうやって外に出ればいいんですかね?
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