86話:いざ、内見の時
ギルドに戻ってきた。白家の登録をしようとしたら、リズさんの顎が外れるんじゃないかと心配するくらい驚かれた。それでもキビキビと手続きを進めてくれるのはさすがだね。たまたま通りすがったオズワルドさんも同じように驚いていた。こちらはガチで顎が外れかけて、近くにいた回復役に助けてもらった。顎に優しくない冒険者ですみません。
「驚きました。まさか、当日中に見つけてくるなんて」
「緑子の横にいたんですよね」
「ミドゥリ、スキ、ハベェル」
「え、緑子が好きだからそばに侍ってたってこと?」
「!」
従魔の証をつけてもらった白家が元気にヘドバンしている。頭が取れるってば。
それにしても、白家は緑子を好きになって侍っていたのか。よく見れば、緑子のそばから離れたがらないもんね。いまも、私の右腕に装着された緑子のマネをして、私の左腕にはりついている。そこそこデカい芋虫を2匹も引っ付けてるからけっこう重いです。
「内見はしたのですか?」
「まだなにもしてません。どうやって部屋に入れるのかもわからなくて」
「テイマーの方々は従魔のステータスを確認して内見したようですよ」
「ハッ」
ステータス、すっかり忘れてた。そうだよ。契約したんだから、ステータスを見ればいろいろわかるじゃんね。さっそく召喚獣の一覧を開いて、白家の名前をタップする。そういえば、アムリタたちのステータスも見てないな。彼女たちは保護してるだけだし、確認しなくてもいいかな。いや、無茶させないために確認したほうがいいのかな。あとで本人たちと相談するか。
白家のステータスはこんな感じ。
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名前:白家
性別:♂
種族:ハウスワーム
スキル:居住空間(LV1)、自己修復、擬態、収納空間
LV.3
STR:1
DEX:1
VIT:7
INT:3
MND:3
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居住空間っていうスキルが住居系のスキルなんかな。レベル1ってなってるけど、これはどういうことだろう。スキルの説明を見ると、『体内に居住空間を作成するスキル。LV1だと部屋数が5』と書かれていた。ほう、5部屋も居住空間があるのか。いいね。
自己修復などのスキルを確認すると、突然目の前に別のウィンドウが表示された。
『白家の居住空間に入りますか?(YES/NO)』
「?」
白家が首をかしげている。なるほど、白家に招かれて初めて入れる感じなのかな。白家がもぞもぞと下のほうに這って行こうとするから、抱っこしてリズさんの前にあるカウンターに乗せる。白家の体内に居住空間があるんだから、私にくっついてたら落下するかもしれないか。
ついでに緑子もカウンターに乗せようとしたら、糸で右腕にしがみつき始めた。離れたくないということですね。そのままにしておくか。なぜかミケも私のズボンに爪をひっかけてよじ登ってきた。普通に足に爪が刺さってます。慌ててミケを抱き上げた。「ふすーっ」と鼻息が聞こえた。なに得意げになってるんですか。
「オズワルドさん、ちょっと内見してきていいですか?」
「入り方が分かったんですね。かまいませんよ。白家くんは私が見ておきましょう」
「すみません。お願いします」
オズワルドさんに白家を頼み、『YES』をタップする。私とミケは光に包まれて、目の前が真っ白になった。
……え、これ、死んでないよね?
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