81話:召喚獣が一気に増えました
奴隷だった人型魔物を仲間にすることになりました。サキュバス1人、インキュバス1人、吸血鬼の男女1組、ナーガの女の子、アラクネの女の子です。人数が多いな。契約するには、名前を付けなきゃだよね。うーん、直感でいいかな。
「サキュバスの君はアムリタ」
「あむりた」
「インキュバスの君はソーマ」
「そぉ、ま?」
「吸血鬼の女の子はドロセラ」
「どぅろせぃら」
「吸血鬼の男の子はネペンテス」
「にぇぺ……?」
「ナーガの女の子はナージャ」
「ニャジャ」
「アラクネの女の子はシルク」
「しぃるく」
よし、一気に6人分の名前を考えるのは時間かかったけど、けっこういい名前になったんじゃないかな! そう思ってミケとイノを見る。微妙な顔をしてた。なんでさ!?
ステータスを確認すると、6人の名前が召喚獣のところにしっかりと載っていた。これで契約完了。
「お嬢さん、召喚士なのかい!?」
「え、はい。そうですよ」
「召喚士が人型魔物と契約できるなんて、いや、ボアと契約しているんだからあり得ないことではないのか」
「なぁ、このボア。ただのボアじゃなくてウォー・ボアじゃないか?」
「こっちの猫もただの猫じゃない。マナキャットだぞ!?」
「召喚士がこんな高位の魔物と契約しているだなんて!」
騎士の何人かが私たちを見て騒ぎ出す。落ち着いていただきたい。ミケとイノは注目されることに抵抗はないようで、騎士たちを見てはドヤ顔してる。なんで君たちがドヤ顔しているんだい? 可愛いからいいけどさ。
「あの、助けてくれてありがとう。それに魔物たちを引き取ってくれて、本当に感謝してるわ」
「ん? ああ、気にしなくていいよ。私も対峙するのはちょっとなって思ってやったんだし」
「私は彼女たちを引き取ることも、騎士を説得することもできなかったわ。いら立ちを貴女にぶつけてごめんなさい」
「やっぱり私にいら立ちをぶつけてたんかい。いいけどさ」
やはり、焦りから私にいら立ちをぶつけていたらしい。気持ちはわからんでもないが、困るよね。謝ってもらったから許すけどさ。
「よかったら今度奢らせて。私、近くの食事処で働いているのよ!」
「へぇ、なら今度お邪魔しようかな」
「是非来てちょうだい! デザートくらいならごちそうするわ」
俄然行く気になりましたね。お店の名前を聞いて、ふと彼女の名前を聞いていないことを思い出す。
「私はウラナっていうんだけど、貴女の名前も聞いていい?」
「あら、伝えてなかったかしら。ごめんなさいね。私はろーずま、けほん! ローズよ!」
「ローズさんね。覚えておく」
ローズさんか。名前の通り凛としていていいと思います。薔薇って強い女のイメージが勝手にあるけど、奴隷商につっかかっていく感じも、その後のぐいぐい行く感じもとても合っていますね。名は体を表す。その通りだと思うよ。
「何か失礼なことを考えてないかしら」
「いや? ローズさんは名前の通りかっこいいなって」
「なっ、初めてそう言われたわ。ありがとう」
そろそろ仕事の時間だというので、ローズと別れた。騎士の人たちも聴取が終わったので奴隷商を連れて撤収していく。なんとなく聞いてみたら、奴隷販売は重罪なんだってさ。とても重い罰が待っているらしい。悪いことはできないね。
「よし、それじゃあ私たちも宿屋に帰りますか」
「ふにゃん」
「ぶもっ」
「……はい」
反応を返してくれたのはイノとミケとアムリタだけ。アムリタも私の機嫌を損ねないようにぎこちなく笑ってる感じがする。うーん、業が深い。あの奴隷商、イノさんに突進させればよかったかな。
なるべく怖がらせないように気を使いながら宿屋に帰る。私が何かするより、イノやミケが話しかける方が緊張してないっぽい。人間に苦手意識を持っちゃってるなぁ。距離感考えて接さないと。
そうして戻って来た宿屋。私はキャシー姉さんに事の次第を報告し、3人の前に正座することになった。
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