74話:次はじゃがいもを買いに来る
宴会が終わり、翌日。今日はアルヴェリアに帰る日だ。ブルーリムとレイディアント・パスの人たちも一緒に帰る。けっこうな大所帯だけど、なんとかなるでしょう。
「で、なんでこうなるんですかね」
「ブモッ」
「にゃぁん」
私は今、イノに跨っている。いや、用意し終わって立ってたら、突然イノが足の間に割り込んでくるんだよ。鼻頭にひっかけてひょいっと上に投げられたんだよね。うまい具合に跨れたから良かったものの、下手したら内ももとか、変なところを強打してたよ。ミケは勝手にイノの頭に乗っていた。どことなく得意げである。なにゆえ。
「ウラナはイノに乗って帰るのね」
「そうみたいです」
「従魔の証を付けとけよ。トラブルになる」
グレートボアはただでさえ強い。そんなのがのっそのっそと歩いて入ったらトラブル必須ですな。しっかりとつけておこう。……どこにつけようかな。証は特別なもので、魔力で針などなくてもぴったりくっつけることができるんだよね。牙、は邪魔だし、やっぱおでこかな。
「にゃん」
「え、耳?」
「にゃあ」
ミケに言われて、耳の所につけることにした。なんか、乳牛のタグみたいだな。心の中に秘めておくけどもさ。
「ああ、こちらにいたんですね。お見送りに間に合ってよかった」
「村長さん」
用意が済んだところで、村長さんがやってきた。シャイニさんにルビーちゃん、マルさんも一緒だ。
「少しばかりですが、これをお持ちください。村自慢のじゃがいもです」
「あら、いいんですか? この村のじゃがいもは美味しいから、嬉しいわ」
「定期購入する人がいるのも納得の美味さだったよな」
布袋いっぱいのじゃがいもを貰えた。めっちゃ嬉しい。首都に帰ったら料理して食べよう。
「ウラナさん、本当にありがとう。この御恩、ずっと忘れないわ」
「マルさん」
「私、夫と一緒に商人をしているの。旅先で会ったら、サービスさせてね」
そう言って私の両手をぎゅっと握り、上下に振る。おおう、中々に力強い。マルさんは商人さんだったのか。今度会ったら何か買わせてもらおう。
「ねこたん」
「おぁーっ」
ルビーちゃんがミケに近づく。毛をぱやぱやっと逆立てながら、ちょっと威嚇していた。引っ掻かないだけマシか。
「またあえる?」
「なぁん」
「おねーたん」
「じゃがいもが欲しくなったらまた来ようかな」
「ほんと!? やくしょく!」
「うん、約束」
ちょっと離れたところからエア指切りをした。ルビーちゃんはイノが怖い様子。私が降りても良かったんですけどね。邪魔されて無理でしたわ。絶妙に体をゆすってくるの。降りるじゃなくて、落下するわ。とてもやめていただきたい。
「おねーたん、ねこたん、またねー!」
「お元気で!」
「また会いましょうねー!」
こうして、ポテラ村を後にした。道中、フレデリクさんのエフェクトで私が少々怪我をしましたけど、私は元気です。ブルーリムは相変わらずうるさいし、ずっと歩き通してた。体力バカかよ。
「ミケちゃん、猫ターバン止めない?」
「ほぁー?」
「あ、止めないんですね。さいでっか」
「ブフゥッ」
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