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召喚士なのに前に居る  作者: マナ
4章:境界大森林ネーマス

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58話:VSゴブリンキング2

 乱戦状態だ。ゴブリンキングを私とイノで攻撃して、ミケと緑子は群がってくるゴブリンを対処している。緑子に至っては私が動きまくってるから、とてもやりづらそう。ごめんね。止まると死んじゃうから許してほしい。

 ゴブリンキングがいつの間にか手放していた棍棒を拾っている。


「ギャアアア!」


 棍棒がイノに向かって振り下ろされる。回避できる距離だったので自力で避けてもらったが、地面を叩きつけた後に横に振りぬいての追撃は聞いてない。


「チェンジ」


 イノと私の位置を入れ替えて、バックステップで棍棒を避けた。私が突然現れたことに驚いて、ゴブリンキングに隙ができる。


 ドゴォッ!


 強烈なタックルがゴブリンキングの脇腹に突き刺さった。体がくの字に折れ曲がり、また地面をバウンドしていく。


「ギッ、ギギィイイイ!」


 またしてもイノにしてやられたせいで、ゴブリンキングが激しく身もだえる。さすがはゴブリンというか、なんというか。知能は高くないらしい。私へのヘイトは増えず、イノのヘイトばかり増えていた。

 だからこそ、『チェンジ』が光る。


「!」

「おっと、緑子、ありがと」


 私に近づいてきていたゴブリンがじゅわじゅわと溶ける。うーん、グロテスク。私の召喚獣ってグロ生産要員しかいないんですかね。ミケとちゅんくらいじゃないかな。グロを生み出さないの。


「にゃん!」

「……ミケも中々のグロだったわ」

「にゃあ?」


 ミケちゃんがゴブリンを影串刺しの刑にしてました。可愛い顔してえげつない。


「パッとしないのは私だけか」


 『暗殺』が発動しないとSTRが初期値な私の攻撃なんてかすり傷もつけられない。せいぜい、ミミズ腫れ程度だ。『暗殺』が乗れば、首がスパッと切れるんだけどな。


「ボサっとするな!」

「ッス!」


 背後からヴィンセントさんの叱責がとんでくる。ゴブリンが襲いかかってきていたからだ。かわして視覚外に逃げて首を狩る。

 ほんと、パッとしないな。


「くっそー! ゴブリン多すぎだろ!」

「どこから湧いてくるのよ!?」

「キャシーは下がってろ!」


 岩穴まわりはゴブリンだらけだ。ブルーリムの面々はまだ心が回復していないらしい。案外強かなのは、捕まっていたお姉さんだ。岩穴の石をゴブリンに向かって投げて攻撃している。


「お父さんたちのところに帰ってやるんだから! 負けないわよ!」

「お嬢さんも下がっててくんねぇかな!?」

「はい!」


 タークスさんがとても忙しそう。


「フゴフゴッ」

「ギィ……」


 イノとゴブリンキングの動きが止まった。ダメージが深くてって感じじゃない。ゴブリンキングの異変にイノが様子を伺ってるって感じだ。


「ギギ、ギィッ」


 ゴブリンキングが私を見た。すぐに視線は外れて、イノに攻撃をしかける。イノは横にかわすが、また棍棒が横薙ぎに追いかけてくる。


「チェンジ……!?」


 ゴブリンキングがまた私を見た。チェンジを発動させて、場所が入れ替わる。私がかわしたあとも棍棒を振り抜き、入れ替わり直後で硬直しているイノを狙って攻撃していた。


「チェンジ!」

「ギィ!?」


 すぐさまイノと私の位置を再度入れ替える。私なら棍棒は余裕でかわせた。ヤツは私から視線を外さない。参ったな。


「チェンジの起点が私だって理解したか」

「ギャアアアアッ!!」


 ゴブリンってバカっぽいから、堂々とスキル使ってもバレねぇだろって舐めプした結果である。やらかしたー!


「どーすっかな」

「にゃん!」

「ミケ?」


 ミケが走り出した。時おり、影魔法でゴブリンを蹴散らしている。一直線にゴブリンキングへ向かっていき。


「ギッ!?」

「にゃっ!」


 振り下ろされた棍棒を軽々と避けて、影魔法をゴブリンキングに向けて放った。影魔法はかする程度の威力しか出なかったが、ミケが言いたいことはわかった。


「ミケも選択肢にガッツリ入れていいってわけっすね!」

「にゃあん!」


 私の相棒は頼りがいあるぜ。

お読みいただき、ありがとうございます。

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