58話:VSゴブリンキング2
乱戦状態だ。ゴブリンキングを私とイノで攻撃して、ミケと緑子は群がってくるゴブリンを対処している。緑子に至っては私が動きまくってるから、とてもやりづらそう。ごめんね。止まると死んじゃうから許してほしい。
ゴブリンキングがいつの間にか手放していた棍棒を拾っている。
「ギャアアア!」
棍棒がイノに向かって振り下ろされる。回避できる距離だったので自力で避けてもらったが、地面を叩きつけた後に横に振りぬいての追撃は聞いてない。
「チェンジ」
イノと私の位置を入れ替えて、バックステップで棍棒を避けた。私が突然現れたことに驚いて、ゴブリンキングに隙ができる。
ドゴォッ!
強烈なタックルがゴブリンキングの脇腹に突き刺さった。体がくの字に折れ曲がり、また地面をバウンドしていく。
「ギッ、ギギィイイイ!」
またしてもイノにしてやられたせいで、ゴブリンキングが激しく身もだえる。さすがはゴブリンというか、なんというか。知能は高くないらしい。私へのヘイトは増えず、イノのヘイトばかり増えていた。
だからこそ、『チェンジ』が光る。
「!」
「おっと、緑子、ありがと」
私に近づいてきていたゴブリンがじゅわじゅわと溶ける。うーん、グロテスク。私の召喚獣ってグロ生産要員しかいないんですかね。ミケとちゅんくらいじゃないかな。グロを生み出さないの。
「にゃん!」
「……ミケも中々のグロだったわ」
「にゃあ?」
ミケちゃんがゴブリンを影串刺しの刑にしてました。可愛い顔してえげつない。
「パッとしないのは私だけか」
『暗殺』が発動しないとSTRが初期値な私の攻撃なんてかすり傷もつけられない。せいぜい、ミミズ腫れ程度だ。『暗殺』が乗れば、首がスパッと切れるんだけどな。
「ボサっとするな!」
「ッス!」
背後からヴィンセントさんの叱責がとんでくる。ゴブリンが襲いかかってきていたからだ。かわして視覚外に逃げて首を狩る。
ほんと、パッとしないな。
「くっそー! ゴブリン多すぎだろ!」
「どこから湧いてくるのよ!?」
「キャシーは下がってろ!」
岩穴まわりはゴブリンだらけだ。ブルーリムの面々はまだ心が回復していないらしい。案外強かなのは、捕まっていたお姉さんだ。岩穴の石をゴブリンに向かって投げて攻撃している。
「お父さんたちのところに帰ってやるんだから! 負けないわよ!」
「お嬢さんも下がっててくんねぇかな!?」
「はい!」
タークスさんがとても忙しそう。
「フゴフゴッ」
「ギィ……」
イノとゴブリンキングの動きが止まった。ダメージが深くてって感じじゃない。ゴブリンキングの異変にイノが様子を伺ってるって感じだ。
「ギギ、ギィッ」
ゴブリンキングが私を見た。すぐに視線は外れて、イノに攻撃をしかける。イノは横にかわすが、また棍棒が横薙ぎに追いかけてくる。
「チェンジ……!?」
ゴブリンキングがまた私を見た。チェンジを発動させて、場所が入れ替わる。私がかわしたあとも棍棒を振り抜き、入れ替わり直後で硬直しているイノを狙って攻撃していた。
「チェンジ!」
「ギィ!?」
すぐさまイノと私の位置を再度入れ替える。私なら棍棒は余裕でかわせた。ヤツは私から視線を外さない。参ったな。
「チェンジの起点が私だって理解したか」
「ギャアアアアッ!!」
ゴブリンってバカっぽいから、堂々とスキル使ってもバレねぇだろって舐めプした結果である。やらかしたー!
「どーすっかな」
「にゃん!」
「ミケ?」
ミケが走り出した。時おり、影魔法でゴブリンを蹴散らしている。一直線にゴブリンキングへ向かっていき。
「ギッ!?」
「にゃっ!」
振り下ろされた棍棒を軽々と避けて、影魔法をゴブリンキングに向けて放った。影魔法はかする程度の威力しか出なかったが、ミケが言いたいことはわかった。
「ミケも選択肢にガッツリ入れていいってわけっすね!」
「にゃあん!」
私の相棒は頼りがいあるぜ。
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