表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚士なのに前に居る  作者: マナ
4章:境界大森林ネーマス

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/60

49話:簡単には逃がしてくれない

 タークスさん達と別れました。囮役が近くに居たらバレちゃうからね。キャシー姉さんからメンタルカバーをかけてもらったし、効果時間内に囮の役割をきっちり果たしてやりますとも。


「ミケ、緑子。踏ん張れるね」

「にゃ!」

「!」


 私の声に2匹はきちんと反応してくれる。ゴブリンを引き付けるには、2匹の攻撃力が要だ。強いダメージを与えて、ヘイトを稼がなきゃいけない。ミケは後頭部から私の肩に移動した。がっつりと服に爪を立ててしがみついている。緑子は自分と私の二の腕を糸でがんじがらめにしていた。準備万端である。

 軽く足を伸ばし、深呼吸。私がミスれば、被害者がいる皆の方が危ないんだ。さすがに緊張する。


「…っし。行くよ」

「にゃん」

「っ!」


 辛うじて見えるヴィンセントさんの耳に向かって合図を出す。耳がぴこりと反応した後に、ヴィンセントさんからOKの合図が出た。獣人ってああいう所が卑怯だと思います。可愛い。


「ミケ、影魔法! 緑子、毒液!」

「ウァン!!」

「!!」


 足元の影が伸び、一番近い所にいるゴブリンを切り裂く。その次に奥にいたゴブリンが毒液を浴びた。じゅわあっという音と一緒に、どろりとゴブリンの肉が溶ける。痛みにのたうち回るゴブリンを横目に、私は走り出した。


「ギャア!!」

「ぎゃぎゃ!」

「ぎぃいい!」


 ミケのケツをがっしりとホールドしながら、ゴブリンと離れすぎない程度に走る。さすがにDEXが3桁あるわけじゃない。ゴブリンの攻撃は全てかわせるし、追いつかれるようすもない。


「ミケ、緑子、攻撃を続行して!」

「にゃん!」

「!?」

「緑子は攻撃しづらいだろうけど頑張って!」


 腕を振って走るせいで緑子が狙いを定められていない。でも、毒液を少し浴びるだけでもダメージを与えられるんだ。攻撃し続けることが大事。時折、糸をべっと吐き出して糸に絡まったゴブリンが塊になって転がり、後続に踏み潰されてダメージを受けているらしい声が聞こえてきた。視界の端に映っただけなんだけど、緑子ってえげつない技を使うよね。


 しばらくそうやって走っていた。救助が完了したら、ヴィンセントさんが合図を出してくれる手はずになっている。合図を受け取れるように、周囲をよく観察しながら走り回っていたのだ。


「いやぁあああああ!!!」


 悲鳴が聞こえた。女性の悲鳴だ。キャシー姉さんの声じゃない。被害者が叫んだのだとすぐに察した。非常事態だ。私は急いで木の幹を蹴り上げ、登っていく。ゴブリンは木に登れないようで、下に集まってぎゃあぎゃあと喚いていた。雑魚はどうでもいい。ゴブリンアーチャーもいるけど、木の枝が邪魔になって私を攻撃できてないから気にしない。ゴブリンソーサラーはそもそもここまで来ていないから大丈夫。


 木の上から広間を見た。大森林の木は高いから、広間を見下ろすことができたんだ。広間の真ん中には、緑の人が立っていた。筋骨隆々の体に、ボロの腰布。丸太を握りやすくしたような棍棒を持った奴が立っていた。


「……なんだ、アイツ」


 そいつは明らかに異様だった。私からは背中しか見えないが、岩穴の中にいるタークスさんが驚いた表情でヤツを見ていた。ヴィンセントさんも見えたけど、私に気付いていない。目の前の化け物に集中しているようだった。

お読みいただき、ありがとうございます。

ブックマークや評価、感想など頂けると今後の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ