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召喚士なのに前に居る  作者: マナ
4章:境界大森林ネーマス

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48/60

48話:足が早いからこその役割

 女の人を見つけたので作戦会議に入ります。広場からは少し離れたよ。ゴブリン達に見つかったら本末転倒だからね。


「どーすっかな」

「どうするもなにも、助けるしかないわよ。上位種が増えることもそうだけど、あのままにしておけないわ」


 キャシー姉さんは助ける気満々な様子。同性だからこそ、見捨てられない気持ちがあるのだろう。しかし、一方でタークスさん達の反応は薄い。無謀だってわかっているからだ。


「遮蔽物があるならともかく、無理だ。見つかって囲まれるぞ」

「ウラナとヴィンセントなら振り切れるわ。私も目くらましを使うし」

「無理だ。ウラナは足が速いだけで、人を運べない」


 おっしゃる通り。私もヴィンセントさんもゴブリンに遅れは取らないだろう。しかし、人を運ぶとなったら話は別だ。まず、力が足りない。ヴィンセントさんが運び役になるしかない上に、私は威圧に負ける。上位種に威圧されたら、ヴィンセントさんのカバーに入れないし、袋叩きにされて終わりだ。


「ゴブリンたちを陽動すれば」

「誰がやるんだ。タークスは足が遅いから囲まれる。ブルーリムの奴らも囲まれたら終わりだ」

「ウラナにメンタルカバーをかければ良いじゃない」

「カッパーランクを囮に使う気か。そんなもの、論外だ」

「それは、そうなんだけど」

「ウラナの足は速いからな。期待したい気持ちはわかる」


 助けたいキャシー姉さんと、助けたいが危険だというヴィンセントさん。気持ちはわかるが難しい。けど助けたい気持ちで揺れているタークスさん。三すくみである。私? どちらの気持ちもわかるし、いちばんの新入りなので黙って聞いてます。助けたい気持ちはあるけど、あの数のゴブリンに囲まれたらやばいってのはひしひしと感じてるからね。口を挟むべきではない。ブルーリムの3人も青い顔で黙ってるしさ。


「……にゃ」


 それと、ミケと緑子の様子がおかしいのも継続してるから、気になってるんだよね。爪がチクチクと頭皮を刺激している。背中を撫でてやるけど、あまり意味をなしていない。緑子は二の腕から離れなくなった。こちらは目が回って動けなくなった可能性がある。頭を動かし続けるから。


「ウラナ、率直に言ってくれ。囮役をやれるか」

「タークス!?」

「おっと急展開」


 2匹を気にしてたら、急に質問を投げかけられた。囮役ね。ゴブリンたちの注意を引き付けて、あの場から離すってことだろう。戦った上位種の足の速さ、使っていた技を思い出す。ヤバいって感じたものは、なかった。


「逃げるだけでいいなら、逃げ切れると思います」

「ウラナ!」

「引き付けることはできるか」

「それはわかりません。引き付けて攻撃受けたら、私には大ダメージなんで」


 掠るだけなら大丈夫だと思うけど、殴られたり、矢で撃たれたりすれば危ないだろうね。


「……よし。ウラナはゴブリンの注意を引いたら逃げろ。全力で逃げて、撒け。その間に俺たちで彼女を助ける」

「わかりました。ミケと緑子は連れてっていいですか? ゴブリンの数を減らせるかもしれません」

「いいぞ。落とさないようにしっかりとつかまえてろ」

「もちろん」


 私、囮役に決定しました。ゴブリンの注意を引くのは、ミケの影魔法か緑子の毒液に頼ろうかな。私が小石を投げても意味ないし。


「ちゅんやクロも呼び出しますか?」

「いや、森の中ではクロもちゅんも動きづらいだろう。避けた方がいい」

「わかりました」


 どうせならと提案したが、たしかにクロは森の中では障害物が多すぎて上手く走れないだろう。ちゅんも空に逃げることができるが、陽動っていう意味では向かないね。私が走りますか。


「お前、怖くないのかよ」


 ロウが声を震わせながら聞いてきた。自分が囮になる訳じゃないのに、ガタガタと震えている。


「追いかけられたら多分怖いんじゃないかな。今は怖くない」

「数で潰されるかもしれないんだぞ」

「そだね。でも、私はアイツらより速い」


 それに、私には目標がある。それを達成するまでは死ねないのだ。


「ビックベアに追いかけられる方が怖いよ」

「……そいつ、大森林の奥の方にいるやつだぞ」

「え、そうなの? なんで草原にいたんだ……」


 どうりで強そうなわけですよ。思い出すだけで震えてくるね。


「イカれてる」


 フェンが思わずと言ったようすで呟いた。私はイカれてるのか。そうかもしれない。だって、囮役は怖くないもの。


「ごめん。コイツら、ビビってるみたいだ」

「いいよ。私が落ち着きすぎてるんだろうし」

「それはホントにそう」


 落ち着いてる様子のエリオから突っ込まれた。お前に言われたかないわい。そう思ったけど、落ち着いてるだけでエリオも怖いんだろう。突っ込まずに黙っておいた。


「じゃあ、ウラナを囮役にして捕まってる女性を助けに行くぞ。助けられたら、ヴィンセントが合図をする。ウラナは何がなんでも生き残ってくれ。手当は弾む」

「任せてください。私の見切りと受け流しが火を吹きますよ」

「回避スキルでどうやって火を起こすつもりだ」


 場を和ませようとしただけなんです。すみません。

お読みいただき、ありがとうございます。

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