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召喚士なのに前に居る  作者: マナ
3章:ポテラ村

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37話:酔い覚まし

 荷物を運び終わった私は、ブルーリムのエリオと一緒にテーブルに向かっている。他の人達は各々休憩しているよ。ヴィンセントさんがグロッキーだから、落ち着くまで話し合いとかは保留なんだってさ。獣人は感覚が鋭いせいで、馬車酔いが激しいらしく、数時間は動けなくなるそうだ。依頼者であるポテラ村の村長さんも了承してくれてる。ちなみに、この家は村が管理している宿泊施設だそうだ。旅人や行商人が来た時に使われるものなんだって。村人の家に泊めるのは防犯と衛生上あまりよろしくないから、こういう施設は村に1つはあるようだ。なるほど、合理的。


「で、さっきの話なんだけど、ミントケイ インリョウとか、タンサンインリョウってなに?」

「その名前のままなんだけど」

「はぁ?」


 はぁって言われても、どういうことだ。ミント系飲料と炭酸飲料だよ。もしかして、異世界あるあるで言葉が伝わってない感じ? どう説明したもんか。


「えっと、まずなんだけど、飲料ってわかる?」

「何かの薬物とか」

「ごめん。違う。飲み物のことを、私の国では飲料って呼ぶこともあるんだ。ドリンクと同じかんじ」

「なんだ、ならドリンクって言えよ」


 すみません。


「ミントケイは、ミントの系統のってこと?」

「そう」

「タンサンは? タンサンなんて植物ないんだけど」

「しゅわしゅわしたものなんだよ。炭酸飲料で、しゅわしゅわ、ぱちぱちした飲み物って意味」

「なんだそれ。エールとかじゃないの」


 炭酸はないのか。あったとしても、メジャーなものじゃない感じかな。エリオとの話から、ミントはある。しかし、ジュースみたいな甘い物はない。だいたいは苦みのある飲み薬みたいな扱いだ。ハーブティーはあるけれど、お湯を作る手間があるので、貴族などの裕福な人しか嗜まないようだ。平民は基本的に水とか、果実を絞ったものを飲むらしい。


「ミント系のドリンクって作れないかな。冷たければ、馬車酔いがマシになると思うんだけど」

「冷たいドリンク? 温めなくていいの?」

「冷たくして飲むんだよ。そうすると、酔いがマシになるんだ」


 冷たい感じと、清涼感が自律神経をうんちゃらって感じだったはず。詳しくは覚えていない。車酔いした時に調べたけど、飲めばいいものがわかったら忘れたよ。人間ってそんなもん。

 幸い、エリオがペパーミントを持ってたので、それをハーブティーにした。ついでにキンキンに冷やしてもらう。錬金術師のスキルで冷却ってあって、それを使ってくれたようだ。試しにエリオと一緒になってアイスミントティーを飲む。うん、すぅーってする。めっちゃ口が爽やか。


「うぇっ、これが馬車酔いに効くの?」

「個人差があるけどね。マシになる人はなる」

「ふーん」


 口がスースーする。冷たいわ。アイスミントティーを持って、ベッドで横たわっているヴィンセントさんのところに向かう。未だにしんどいようで、ウーウーうなってた。とても可哀想。


「あら、ウラナ。酔い覚ましができたの?」

「効けばいいなぁ程度のものですけどね。ヴィンセントさん、起きれます?」

「むり……」


 無理か。ストローってないのかな。キャシー姉さんに聞いたら麦わらが出てきた。うん、英語のストローですね。何をするのか聞かれたので、とりあえず麦わらを洗って、アイスミントティーにぶっ刺す。


「ヴィンセントさん、飲んでみてください」

「おきれない……」

「このストローを吸えば飲めますから」


 口元にストローを当ててやると、ヴィンセントさんは少し考えたあとに吸った。そして飛び起きた。


「つめたっ!?」

「こぼしたのか?」

「口の中があり得んくらい冷えた。スースーする。なんだこれ」


 清涼感にびっくりして起きたようだ。目をかっぴらいて私を見てる。


「なんだそれ」

「アイスミントティーです。酔い覚ましのつもりで飲ませました」

「はぁ? ……いや、待て。たしかに具合悪いのがマシになった。なんでだ?」


 座れる程度には落ち着いたようだ。アイスミントティーを下げようとしたら、もうちょっと飲むらしい。手渡してみると、ひと口飲んでは変な顔してた。こう、子供に初めて炭酸飲ませたような、変な顔。


「飲むと酔いが紛れるな……」

「ヴィー、アンタ、面白い顔になってるわよ」

「こんな顔は初めて見たぞ」

「2人も飲んでみろ。俺と同じ顔になるから」


 全員で飲んでみることになり、エリオが追加でアイスミントティーを作った。みんなして変な顔になってて面白い。作った分はしっかり飲み干しましたよ。勿体ないからね。


「にゃっ」

「ミケはダメ。刺激物だよ」

「ほぁー!?」


 ミケも飲みたい飲みたいと私にぶら下がってきたが、全力で死守した。猫に刺激物、ダメ、絶対。ヴィンセントさんは良いのかって? 獣人って人間判定だと思うんですけど、違うんですかね。本人に聞いてみたら、別に平気なようだ。人間より味覚が鋭いから、苦手なものはちょいちょいあるらしい。なるほどなぁ。

お読みいただき、ありがとうございます。

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