第七十五話 輪廻
で、世界は滅亡した。そして、新しいこの世界が創造された。此処まではお前も……いや、お前達も知ってるだろう?そういう歴史なんだからな
知ってなきゃ、またルールに従って【天罰】下されるからねー…そんだけで落とすほど、横暴じゃないよ?
そーれ、ね……ん?なぁに?その後の事?……聞きたいか?もしかすると、この世界に嫌気が指すかもよ?
……えぇー此処に来たときから覚悟は決まってたって?嘘くさーあああ怒んないでよー!
今のはお前が悪い
同じく
えぇーうん、まぁ、認めるけどさぁ。じゃあ、どっこから行く?
両親の行方?わかってるんじゃない?
一応?まぁいいぜ。両親達、神や神格化された者はお前達が云う天国地獄の、天国に行った。正確に云えば、「天国と云う名の天界」に、だがな。そこで、此処をずっと見てる
そうだよ、見てるって事は「なんにも手が出せない状態」って事さ。すでに両親達は、母さん達は引退したようなものだからね。まぁ何人かは人間から神に神格化、擬人化とかだから引退と云うより以前、無理矢理その位を押し付けられた、って言う方が合ってるかもだけど
え?引退したなら、この世界にいる神様は誰かって?……分かってんじゃないの?分かりきってて聞いてるんでしょ?僕にだってそれくらい、分かるよ
次世代の神?そんなもんはいない。神の力は、神の全てはその子供に受け継がれる。つまりは、その子供、【神の子供】達が今現在、この地に降り立ち、見守っている神そのもの…まぁ、次世代の神っつうのもある意味正解か
【神の子供】はすでに「神の領域」に達している。本来の姿に戻ったからね。まぁ、戻ってなくても【神の細胞】を埋め込まれてあるから強制的に受け継がれちゃうんだけどね
ま、強制的は嫌だって、意志を尊重したけど
ん?【神の子供】達?彼らは両親の力と名前を受け継ぎ、新たな世界を見守っている。だから、この世界の事情も知ってる……人間達は、かつて犯した罪を思い出す事はない
何故?それは、知っていて聞くの?知っていて聞くのなら、貴方はとても薄情な人だね
………そんなに怒らないで。本当の事でしょう?「神」の名を持ちながら「神の領域」に足を踏み入れていない中途半端な存在、と云うことは「生まれながらの神」ではなく、「生まれながらにして神の臣下」と云うことなんだから。つまり、君らが名乗っているのは神であって神ではない名。神様の臣下、神様を模して生まれた存在
だから、普通なら覚えていないはずの、その位につくまでの記憶が、生まれる以前の記憶がある。魂に刻まれた記憶は、決して目覚める事はない。封印された記憶。それを覚えている貴方達はむしろ幸運なんだよ?
え?辛い記憶を覚えている必要はない?だからいいんじゃねぇか。それが、自身の罪となり枷となって、行動に繋がるんだからな
………聞きたい事があるなら、素直に言ったら?…さっきの普通ならってどういう事か?分かって言って…ないね。本当に分からないんだ。不思議に思った事はあっても、誰も教えてくれないものね。君らは「神ではなく」、「神に近い、神の臣下」だものね。『一番上に君臨する者』と勘違いする人間がいまだにいるってことか……勘違いしていない君らの方がまだ良いよ
それねーじゃあ、僕が説明するね。貴方達は『輪廻転生』って知ってる?『輪廻転生』は僕らには通用しない。人間にしか通用しないんだよ。それに、『輪廻転生』の際は、新たに生まれでたところでの混乱を防ぐために記憶は封印される。魂に刻まれた記憶が目覚めぬよう、鎖に繋がれる……そう、暴れすぎた神様を捕らえる鎖みたいだよね。封印は鎖、世界に刻まれたルールの一つ。貴方達も幾つかは知ってると思うよ?
なんで神は記憶を封印されないのかって?それは、必然的に神が生まれるからさ。世界が認めた訳でもなく、誰かが望んだ訳でもなく、次世代の神は生まれでる。運命に弄ばれるように生まれでる。俺達もそうだった。それに、記憶を封印された神は神であって神ではない。それはお前らみたいな中途半端な存在になっちまう。そんな神の話、聞くか?だよな。だから世界は、『輪廻転生』をする人間のみ記憶を封印した
でも、例外あったよね?
嗚呼、あったね。でもあれは本当に例外だったよね
そう云う存在があったって云うこと事態、把握されてなかったからn……?知らないのか?お前達の方が詳しいと思うけど…?
え、本当に知らないの?ウッソだーあ、もしかしてその後に…?
嗚呼、そうなんだ。そりゃあ知らないよね。今度は私が教えるね。はは、ちゃんと聞くその子が気に入っちゃったから、ね。それが理由。君らに思い入れは悪いけどないよ。えーと、例外の話だったよね。
『暗い。暗いのは当たり前なのだが、それ以上に暗い。それは、目の前のせいなのか。自分達のせいなのか。もう、それすらも分からないほどに、狂ったのかもしれない………話を聞こう』




