第六十四話 政府の告白
「これが政府の武勇伝!」
それはいまから7年前の事じゃった。世界中の全ての戦争が終結し、誰もが暇を持て余していた。平和を通り越して、暇。それくらい暇じゃったのだ。戦争ができるものは無限にもあるにに、その発端となるものが一切なかった。毎日毎日、我らは、世界は、戦争の火種を探しておった。だが、見つからんかった………だからあの時、あの発明は世界中を震撼させ、熱狂させたんじゃ。
最高の発明品、「神格化」。「神格化」はその名の通り。あいつらが貴様らにどう説明したかは知らんが、それは最高の儀式と云う名の発明品。使われなかった武具達を使い、それ相応の器具を拵えた。急に拵えたせいで失敗もしたな。
「神格化」した神や妖怪の類い稀な、素晴らしい細胞を奪い、その細胞を使って『戯れ』をするための戦闘員を造る。戦闘員を洗脳しまえば、こっちのもんだった。神を大昔に探すのも信じるのも諦めた我らにとって、あいつらは儀式をすれば降りてくる、細胞を提供するだけの存在だったからな。好都合だった。最初の「神格化」がうまくいったのはそれから3年後だった。初めて造られた戦闘員は、それはそれは無能だった。【神の細胞】を埋め込んでいるのに、だ。我らは様々な方法で強い『戯れ』のための戦闘員を造った。そして、多くの戦闘員が造られた。その戦闘員を使った『戯れ』は、彼ら同士を殺し合いをさせることだった。世界中、大喜びだったよ。政府が全てを管理しつつも、暇を持て余した我らにとっては有意義な楽しい賭けものだった。
『戯れ』は、熱戦を極めた。死ぬのも構わない。代わりはまだまだ、細胞の基となる者達がいる限り、とな。
だがある日、細胞の基達が我らに襲撃を企てようとしていると云う情報が入った。我らは大いに笑ったさ。「なにを無駄な事を」とな。こっちには洗脳された戦闘員がいるのだからな。彼らが攻め込んで来た時、「神格化」した奴らは奪われたが、本当の目的である戦闘員は取り戻せやしなかった。何故だか分かるか?我らが強い戦闘員以外を自害させる命令を下し、それを実行したからだ。あの時の、あいつらの顔は見ものじゃったなぁ!あの呆けた顔!驚愕した顔!まさか情報が漏れるとも思ってなかったようだった。そのあとはまた、戦闘員を造って、楽しんださ。『戯れ』と云う名の殺し合いをなっ!?
あいつらは過去の遺物とも云うべき奴ら。いや、過去の遺者とでも云うのか。我らはあいつらが持っていない技術も持っているんだ。情報なんてお手のものさ。古き技術を使うあいつらと新しき技術を使う我ら。技術の力の差は明白。だから、『あの出来事』は驚いた。
こちらの技術をもってしても、『あの出来事』の情報は手に出来なかった。それほど、あいつらが腕を上げたと言ってもいいのだろうな。そこだけは、誉めてやろう!!
『あの出来事』、巨大隕石が落っこちて来た時はさすがに我らも死ぬと思った。だが、我らは生き残った。幸いにも儀式と云う名の発明品も器具も無事じゃった。何人かは「神がお怒りになった」「最期のチャンスだったんだ!」「もうやめよう」なんて世迷い言を言い出したが、取りあわなかった。我らはあいつらに勝ったのだと!そうして、また、『戯れ』のために戦闘員を造り始めた。死んだと思った細胞の基達も気を失ってはいたが、我らの儀式には、「神格化」には逆らえず、ノコノコとやって来た。見もので、なんと滑稽!!
だが、『戯れ』には場所がなかった。何しろ隕石が落下し、一面中、荒れ地になった場所が多かったしの。荒れ地になったために住む場所を失った者もおったしの、そこが問題だった。そんなこんな、住む場所を探しながら、造っていたところにあのバケモノだ。
黒い姿に、今では貴重となった宝石を瞳の代用品にした異形なバケモノ。まるでその姿は、大昔の書物にある烏…いや、八咫烏か…に似ていた。だから、『神に似た穢れもの』として【神穢】と名付けた。【神穢】は我らに襲いかかって来た。武器は錆びれ、使い方も知らぬから使えぬし、巨大隕石の影響か否や、戦車や兵器さえも退化し、使用不可能になっていた我らにはなすすべもなかった。いや、あった。戦闘員を使えばいい、と。
洗脳がすんでおらず、ビーカーの中に入れているだけだった戦闘員を兵器としてあのバケモノ討伐に当てれば、こっちは最小限の被害で済む。そこからは、簡単だった。生み出される奴らに洗脳を加え、戦闘専用人種、【AVANOLS】として活動させる。そうやって、生まれたのが貴様らだ。
指示は我らから、【AVANOLS】自身が信頼を置く者達へ。武器を作る【AVANOLS】も生み、バケモノへの対策を作る。完璧な作戦だった。黒装束が出てくるまではな……!
我らは貴様らに休暇を与え、黒装束を捕らえようとした。はははははっ!黒装束は人質となった奴に言ったそうだ。『全ての真実を知っている』、と。そして、要求は〈全ての真実を【AVANOLS】に提示せよ〉……此処まで来てわからない奴の方が可笑しい。此処で、此処で終わる訳にはいかなかったっっっ!だから、【AVA64R】を投与し、本来埋め込んだ細胞を隠そうとした。武器の性質を埋め込んでいると云うことになっておるのに、違う細胞が検出されたら意味がないからな。だが、自ら調べたようだな。それでその正体が『武器の性質ではない、正体不明の細胞』、すなわち元と踏んだのか。その頭脳、危機を持った方がよかったのだな。哀れ!
【AVANOLS・Revival】?嗚呼、我らは気にもしなかったな。戦力が増えたと思っただけだが。でも、科学者達は喜んでいたな。『研究対象がまた増えた』、と。?…ははははは!貴様ら知らなかったのか?!科学者達は貴様らに思い入れなど一切ない。貴様らが討伐に行った時、悲しそうな表情をしたのは『研究対象がいなくなった』からだ!はははははっ、愛されているとでも思っていたのか?!馬鹿者!科学者達は貴様らを研究対象としてしか見ておらん!我らもしかり、兵器としてな!この世界中で、あの長老だけが貴様らを兵器ではなく、一人の者として見ていた。他は……言わんくても分かるな?何せ、共犯者なのだからなっっっ!!貴様らは、我らが産み出した人型兵器に過ぎんのだよ!!
あ"あ"?兄弟ではない理由?知らんなそんな事!洗脳した時から同じ色の瞳を持つものやアクセサリーをつけたものはいた……嗚呼、科学者達が言ってたな。『「人型の武器」と云う云わば洗脳状態で生まれた際に精神的結び付きを無意識のうちに求めた』からじゃないかとな。その結果、細胞の基が違うのに色が同じくなった……ははっ、まぁ予測に過ぎんからな、原因は不明。本当のところも不明じゃよ。だがな、はっきりと分かったことはあった。貴様らが、弱虫だと云うことだ!!洗脳状態で生まれて、精神的結び付きを求めた?なんとも、愚かで情けない!だから、我らに使われるんじゃよ、傀儡よ!!!
ふふ、こっちで分からんことは細胞の元達にでも聞けば良い。まぁ、あいつらもわからんだろうけどなっ?!
我らが求めた理想郷……『戯れ』、いや、【AVANOLS】がある世界。退屈しない世界。そして、鬱憤をはらすことができる戦闘員。
神などおらん!いたとしても、どうだというんじゃ?あ?【神穢】の目的?あの長老が貴様らに告げ口したんじゃ。知っておろう?今ならなんとなくじゃが、予想できる………はははははっ、細胞の基達にでも聞くが良い!
はははははははははははははははっっっ!!どうだ?これで満足か?ああ?どうだ、なにかいっt
説明わかんなくなったらスルーですよスルー。ウチも書いてて「えーと…?」てなります。




