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それでも彼らは眠らない。  作者: Riviy
第三章 それでも彼らは抗う
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第二十七話 暗闇の会議



暗い。その一言。零耶は元に戻ったパーティーで任務に来ていた。が、その任務は遂行し、終了してしまった。目の前で消えて行く【神穢シンエ】と右肩から左脇腹にかけて走る鈍い痛み。零耶は空を何気なく見上げた。雲が太陽を覆っている。だから暗いのか。


「零耶!」

零耶レーヤー」


2人の明るい声に零耶が振り返るとそこには同じく傷だらけになった統軌と玲御がいた。玲御が心配そうな表情で零耶に駆け寄る。


「大丈夫?」

「大丈夫大丈夫。玲御レーミと統軌も大丈夫か?」

「平気だって~」


統軌が親指を立てて言うと双子も笑顔になった。3人は誰と云うわけでもなく、ハイタッチをかわした。そして、笑い合う。そこに左京と右京もやって来て全員集合だ。左京が先程の零耶のように空を仰いで不満げに言った。


「不吉です……嫌な予感がします」

「大丈夫だって左京。鈴音丸も鳴海も"予知"言ってないんだから大丈夫だ」

「そうだよ、左京さん。心配し過ぎ」


ポンと左京の肩を安心させるように右京が叩き、統軌が笑って言う。それらに左京は安心したのか小さく頷いた。零耶は左京の言った事が他人事ひとごとではないと感じていた。自分もなのだ、嫌な予感がするのは。


〈【神穢シンエ】による誘拐拉致事件〉。

突然進化した【神穢シンエ】。

【AVANOLS・Revivalレビヴァル】と云う、自分達の武器と自分達の信頼関係の強化と技。

黒装束を「あの方」と呼ぶ強敵、イラヴィの登場。

そして、久しぶりに現れた味方のお婆ちゃん。


全てが繋がっているように感じて零耶はならなかった。数日前に女子勢全員とお茶会をして帰ったお婆ちゃんは関係ないとしても、こうも連続で起きるものだろうか。偶然にも程があるように零耶は思っていた。


………ただの考え過ぎだといいんだかな…

そう、眉を潜めて厳しい顔をして零耶は考えこんでいたため、統軌にその後、からかわれたが。あと、傷痛い。


「んじゃ、帰って獅雨に怪我の手当て頼むか」

「そうですね。帰りましょう」

零耶レーヤ、どうしたの?大丈夫?」

「大丈夫だっつーの」

「早く帰りたーい!」


そう談笑しながら全員が隠していたバンに向かって歩き出した。


暫く歩いた。もう少しでバンを隠している廃ビルの近くだ。先程の戦闘場所は人が住まなくなった廃街だった。なので近場に隠したが、案外正解だった。その時、冷たく、不気味な風が全員の顔を勢いよく叩いた。倒れそうになる玲御を零耶が支え、そんな零耶を統軌が支える横で左京と右京が強い風に耐えている。


「ねぇ、お姉様。あの方達?」

「そうよ、プラーナ。あの子達よ」


クスクスと不気味に嗤う2つの女性の声。一つは聞いた事がある声だ。しかも、それは零耶と統軌が聞き慣れた声。まさか……

全員が振り返るとそこにいたのはたくさんの真っ黒な物体と美しい数々の宝石の煌めき。そしてその中には悠然と、堂々と立つイラヴィともう一人の女性がにこやかに嗤いながら立っていた。


…*…


カーテンが閉められ、部屋全体が真っ暗に染まった空間。その空間には円卓を囲むように座る数人の人物がいた。全員の顔色は暗い。と言うか、厳しい。


「………長老殿が、あちらの肩を持つのは些か厳しい」


低い声が唸るように、呟くように言うとバンッ!と誰かが円卓を強く叩き、勢いよく立ち上がった。その拍子に円卓が大きく揺れた。


「些か!?冗談もほどほどにして欲しいものだ!我々は弄ばれているんだぞ?!【神穢シンエ】共にもっ!!」

「まぁまぁ、落ち着いて……貴殿が仰っておるのは〈【神穢シンエ】による誘拐拉致事件〉の件じゃろう?人質になった一人が言われた事柄と、要求…」


怒鳴った声を落ち着かせるように威厳のある声で言うと、その人物はゆっくりと納得していない様子であったが座り直した。それを見届けて、威厳のある声で人物は続ける。


「しかし、諸君。よく考えてみてくれたまえ。あいつらはまだ、"不覚にも"気づいていない。これはチャンスだ」


うんうんと、全員が大小様々に頷く。

そう、あいつらは気づいていない。何か嗅ぎ付けてはいるようだが、此処に辿り着く事は出来やしない。

話していた人物はゆっくりと静かに立ち上がると円卓を囲む彼らの周りをゆったりとした歩みで回る。


「あいつらに気づかれる前に【神穢シンエ】の親玉と噂される黒装束を見つけ出せばいい。予測不能の事態が起こっているようだが、この状況を逆に利用するのじゃ。あいつらは別に気をとられておるしなぁ。さっさとこちらで排除さえしてしまえば、怖いものなどない。科学者達には気を反らしてもらおう。長老殿には十二分に注意を払い……よいか」


人物が問う。否定などできるはずもないのだが。一人、また一人と同意の声をあげていく。それを満足そうに人物は聞き、暗闇の中、口角を上げた。


「それでは、早速始めよう。我らが理想郷のために……」


その言葉と共に残りの全員が立ち上がり、その人物に向かって拍手を送った。暗闇の中、拍手のみが不気味に響き渡っていた。


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