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佐伯悠馬の結婚事情(仮)  作者: 雪森蓮


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幕間 「夏休み」

皆いつかは成長しますからね

夏、ハミルトン邸。


広がる庭の芝生。

夏の光は強い。


去年と同じ顔ぶれ。


でも、

去年とは少し違う。


イーサンは

じっと立っている。


一歩引いている。

スマホをずっと見て

それから。ポケットにしまう。


「宿題あるっけ…」


誰にともなく。


「あとで叔父さんに聞こう」


マックスはルイスに向かって言う。


「今行くよ!」


イーサンは少し笑う。


「行ってこい」


タイラーはじっとして腕を組む。


「……子供だな」


マックス。


「は?」


タイラー。


少し考え、それから言う。


「まぁ、今年は俺が監督だ」


マックス。


「監督?いらない」


タイラー。


「いる」


リリー。


二人を見る。


「あんたたち、うるさい」


少し間。


それから、すっとロッテを見る。


「ねえ」


ロッテが振り向く。


リリー。


「ロッテおねえちゃん、あっちに行かない?」


ロッテが少しだけ笑う。


「いいわよ」


二人は屋敷の方へ歩く。


残るのは

ルイス、マックス、


タイラー、イーサン。


少し離れて、ルイス。


静かに言う。


「行く?」


マックスが笑う。


「当然!」


森の入口。


変わっていない。


でも。少しだけ違う。


中の秘密基地。


そのまま。


でも。


少しだけ低い。

少しだけ狭い。


マックス。


「こんなだっけ」


ルイス。


「……同じ」


少し間。


「違う」


タイラー。


天井を見る。


「低いな」


マックス。


「そんなことない」


タイラー。


「ある」


イーサン。


入口。

寄りかかる。

中には入らない。


「お前らがでかくなっただけだ」


少し間。

誰も否定しない。


ルイスは中を見る。


壁、跡。


去年のまま。


マックスは床に座る。


「直すか」


ルイス。

少し考えて、それから言う。


「……あとで」


タイラーは腕を組む。


「監督としては」


少し間。


「今日はここまでだな」


マックス。


「早いよ」


タイラー。


「十分だ」


外は光が強い。

イーサンは先に歩く。


「俺は戻るから、あとで来い」


タイラーはついていく。


「監督だからな」


マックスはその背中を見る。


少しだけ、寂しそう。


ルイスは同じ方向を見る。


少し間。


それから言う。


「約束…」


マックス。


「うん」


二人はもう一度中を見る。

小さくなった場所。


でも、まだある。


マックスは笑う。


「まだいけるよ」


ルイスは小さく頷く。


「うん」


夏。


同じ場所。

同じ名前。


でも、もう同じ時間ではなかった。

ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


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