その197 「廊下」
まぁ、おめでたい事ではあるんですがね。
朝食室はまだざわざわしている。
蘭が聞く。
「ドレスどうする?少しデザイン変えたほうがいいかな」
ジェシカももいう。
「そうね、変更して仕立て直しね」
「四月ならまだ間に合うから大丈夫かしら」
と、菜摘。
拓海。
「忙しくなるな」
エレノアは落ち着いている。
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その横で悠馬はまだ少し固まっている。
ノアはそれを見て軽くため息。
それから立つ。
「兄さん」
悠馬。
「はい」
ノア。
「ちょっと来い」
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廊下は静かだ。
パタン、とノアはドアを閉めた。
そして腕を組んで、悠馬を見る。
少し間。
ノアは悠馬に話しかける。
「兄さん?」
「はい」
と、悠馬。
ノアは続けて言う。
「本当に、今知ったのか?」
悠馬は少し考える。
「はい」
ノア。
「なんでだよ………」
悠馬。
「分かりません」
ノア。
「分からないじゃない」
悠馬。
少し考えて、それから言う。
「普通に生活していましたが……」
ノア。
「普通とは」
悠馬。
「普通です」
ノア。
「具体的には?」
悠馬。
少し考える。
「仕事、読書、散歩…でしょうか」
ノア。
「そこにさ、何か思うところはなかったのかよ」
悠馬。
「ありませんでした」
ノアは頭を抱えた。
「兄さん…」
悠馬。
「はい」
ノア。
「兄さんはこれから結婚するよな」
悠馬。
「はい、そうですね」
ノア。
「子供も生まれるんだぜ?」
悠馬。
「そのようですね……」
ノア。
「他人事かよ…」
少し間。
悠馬は廊下の窓を見る。
外は冬の庭。
少し眺めて、それから言う。
「……嬉しいです」
ノア。
止まる。
悠馬。
少しだけ笑う。
「驚きましたが」
ノアは少し黙って、
それから言う。
「兄さんさ」
悠馬。
「はい」
ノア。
「父親になるぞ」
悠馬は少し考え、それから言う。
「努力します」
ノアはため息をつきながら
「努力かよ」
と、小さく言った。
その時後ろぁら小さな声が聞こえた。
「叔父上」
二人は同時に振り向くと
ルイスが立っている。
ルイスは少し考え、それから言った。
「赤ちゃん、生まれるんですね」
悠馬。
「そうですね」
ルイスはにっこりと笑って頷きながら、
「楽しみです!」
といった。
ノアが笑いながら言う。
「お前が一番まともだな」
静かな廊下、温かい雰囲気。
ハミルトン邸に
春が、少しだけ早く来ることになった。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。
結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。
相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。
更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので
よかったらまた覗いてください。
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