その181 「ノアの助言」
他の方の話を読むたびに「僕の話って脚本かよ!」と突っ込みたくなります_| ̄|○
夕方、ハミルトン邸
外はもう暗い。
図書室のランプだけが灯っている。
悠馬はソファに座っていた。
本は開いている。
でも読んでいない。
考えている。
そのとき、扉が開く。
「兄さん」
ノアだった。
悠馬は顔を上げる。
「どうしました」
ノアは部屋に入る。
手にはウイスキーグラスを持っている。
ノアは悠馬を見て、それから言う。
「珍しい」
「何がですか」
ノアはソファの背にもたれる。
「兄さんが」
少し笑う。
「考え込んでる」
悠馬は静かに言う。
「いつもしています」
ノアは首を振る。
「いやいや、仕事じゃないやつ」
悠馬は少し黙る。
ノアはそれを見てニヤリと笑う。
「当たりか」
悠馬は小さくため息。
「……ノア」
「ん?」
「相談があります」
ノアが少し驚く。
「俺に?」
悠馬は頷く。
「他にいません」
ノアは笑う。
「それは光栄だ」
それから椅子に座る。
「で?」
悠馬は少し考える。
それから言う。
「エレノアさんに…聞きました」
ノアが眉を上げる。
「何を」
「私をどう思うか、と」
ノアは数秒かたまった。
それから吹き出す。
「……兄さん」
悠馬は言う。
「笑わないでください」
ノアはまだ笑っている。
「いや」
「真面目すぎるだろ」
悠馬は真顔。
「真面目ですから」
ノアは落ち着いて言う。
「で」
「何て?」
悠馬は言う。
「少し時間が欲しいと」
ノアは即答。
「いいじゃん」
悠馬は少し困る。
「そうでしょうか」
ノアは頷く。
「断られてない」
悠馬は黙る。
ノアは続ける。
「嫌なら、その場で終わる」
悠馬は少し考える。
ノアはグラスを揺らす。
「むしろ」
少し笑う。
「ちゃんと考えてくれるってことだろ」
悠馬は静かに言う。
「そうですね」
それから少し考える。
「……待つべきでしょうか」
ノアは笑う。
「兄さん」
悠馬を見る。
「はい」
ノアは言う。
「もう半分告白してる」
悠馬は少し黙る。
ノアは肩をすくめる。
「だったら、そのまま最後まで行けよ」
悠馬は少し考える。
窓の外、冬の庭。
それから言う。
「急ぎすぎでは」
ノアは笑う。
「兄さんさ、今」
「何ヶ月悩んでると思ってる」
悠馬は小さくため息。
ノアは続ける。
「いいか」
少し真面目な声。
「エレノアさんは、兄さんのこと嫌いじゃない」
悠馬は見る。
「なぜ分かるんですか」
ノアはくすくす笑う。
「見てたら分かるよ」
それから言う。
「むしろさ、」
少し間。
「好印象だって」
悠馬は黙る。
ノアは立ち上がる。
「まあ」
ゆっくりとドアへ向かう。
それから振り向く。
「もう少し待って、それでも迷ってたら」
笑う。
「俺が背中蹴る」
悠馬は言う。
「やめてください」
ノアは笑いながら出ていく。
図書室はまた静かになる。
悠馬はソファに座ったまま少し考える。
それから小さく呟く。
「……蹴られる前に」
ハミルトン邸の夜は静かだった。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。
結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。
相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。
更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので
よかったらまた覗いてください。
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