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佐伯悠馬の結婚事情(仮)  作者: 雪森蓮


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その166 「見送り」

そろそろ夏休みも終わりですね

朝、ハミルトン邸の前。


車が止まっている。

トランク、スーツケース。

ロッテが車の横に立っていた。


エレノアが言う。


「忘れ物はない?」


ロッテ。


「大丈夫よ」


エレノアが聞く。


「パスポートはもった?」


ロッテ。


「ちゃんと持ってる」


エレノアは小さくうなずく。

凛が少し離れて立っている。


「ドイツに戻るんでしょう?」


ロッテ。


「はい」


凛が言う。


「少し長旅ね」


ロッテは肩をすくめる。


「慣れてますから大丈夫です」


リリーが走ってくる。


「ロッテ!」


ロッテが振り向く。

リリーは少し息を切らしている。


「また来てね!」


ロッテ。


「たぶん」


リリー。


「また秘密基地であそぼう!」


ロッテは少し笑う。


「ちゃんと残しておいてね」


リリー。


「もちろん!」


タイラーが言う。


「壊すなよマックス」


マックス。


「俺?!大丈夫だよ!!」


イーサンが言う。


「一番確率高いじゃん」


マックス。


「ひどい!」


少し笑いが起きる。

ルイスは少し後ろに立っている。

ロッテを見る。


ロッテが言う。


「ルイス」


ルイス。


「何ですか?」


ロッテ。


「秘密基地、守ってね」


ルイス。


「ちゃんと残します」


ロッテ。


「ならいいわ」


ルイスは小さくうなずく。

少し沈黙。

運転手が言う。


「そろそろお時間です」


エレノアがロッテを見る。


「行きましょうか」


ロッテは一度だけ屋敷を見る。


芝生。庭園。森。

ぐるっと見渡す。

それから車に乗る。


ドアが閉まる。

エレノアも乗る。

車がゆっくり動き出す。


門に向かう。

子供たちが元気に手を振る。


リリー。

マックス。

タイラー。

イーサン。

ルイス。


門の前で車が止まる。


窓が少し開く。

ロッテが顔を出す。


「ルイス!」


ルイスが近づく。

ロッテが言う。


「たくさん考えて!」


ルイス。


「うん」


ロッテは少しだけ笑う。


「またね!」


窓が閉まる。

車は門を出る。


段々と見えなくなっていく。

静かに芝生に風が吹いた。


ノアが言う。


「帰ったな」


凛。


「ええ、そうね」


子供たちはまだ門を見ている。


悠馬は少し離れた場所に立っていた。


何も言わない。

ただ門の方を見ている。


ルイスが言う。


「叔父さん」


悠馬。


「何ですか?」


ルイス。


「秘密基地…」


悠馬は少し考える。

それから言う。


「壊さないでください」


ルイス。


「うん」


悠馬は小さくうなずく。

夏の風が芝生を渡る。


ハミルトン邸の夏は、少しだけ静かになった。



ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


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