幕間 「ロッテ、最後の夜」
創作アカウントというものを少し前に作ったのですが。
通知の多さに日々ビビっています。みんなすごいなぁ…
夜、ハミルトン邸。
庭は静かだった。
昼間の子供の声はもうない。
テラスの灯りだけがついている。
ロッテは一人で外に出た。
手すりに寄りかかる。
目の前の庭園。
その向こうに森。
昼に見つけた場所。
”秘密基地”
ロッテは小さく息を吐く。
「……静かね」
後ろで足音。
ふと、振り向く。
悠馬だった。
手に紅茶のカップ。
ロッテが言う。
「起きてるんですね」
悠馬。
「仕事のあとです」
ロッテはうなずく。
「佐伯さんらしい」
悠馬は少しだけ首を傾ける。
「そうですか?」
ロッテは庭を見る。
「明日帰ります」
悠馬が答える。
「はい。そう聞いています」
少し沈黙。
風に葉が揺れる。
ロッテが言う。
「いい家ですね」
悠馬は庭を見る。
「古い家です」
ロッテは答える。
「そういう感じですね」
悠馬は少し考える。
それから言う。
「また来ますか?」
ロッテは肩をすくめる。
「母次第、かな」
悠馬。
「ああ、そうですね」
また沈黙。
ロッテが少し笑う。
「今日、森でね…」
悠馬がロッテを見る。
「見ましたか?」
ロッテは話す。
「秘密基地がありました」
悠馬は少しだけ笑う。
「ええ。許可しています」
ロッテは言う。
「知ってましたか?」
悠馬はまじめな顔で答える。
「監督付きです」
ロッテ。
「イーサンですね」
悠馬はうなずく。
「彼なら安全です」
ロッテは少し考える。
それから言う。
「子供たち…」
悠馬。
「はい」
ロッテ。
「楽しそうでしたよ」
悠馬は芝生を見る。
「夏ですからね」
ロッテは少しだけ黙る。
それから言う。
「母は………」
悠馬がフッと視線を上げる。
ロッテは続けない。
少し間。
それから肩をすくめる。
「何でもないです」
悠馬は何も言わない。
ただ紅茶を一口飲む。
ロッテは庭を見る。
それから言う。
「佐伯さん」
悠馬。
「はい」
ロッテ。
「母は強いですよ?」
悠馬は少し考える。
それから言う。
「知っています」
ロッテは小さくうなずく。
「ならいいわ」
風が吹き、庭園の葉が揺れる。
ロッテが言う。
「帰ります」
悠馬。
「気をつけてくださいね」
ロッテは少し笑う。
「ドイツです」
悠馬。
「遠いですね」
ロッテ。
「でも」
少しだけ振り向く。
「また来ます」
悠馬はうなずく。
「そのときは」
少し間。
「秘密基地があります」
ロッテは少しだけ笑う。
それから屋敷に戻る。
悠馬はそのままテラスに残る。
庭は静かだった。
ハミルトン邸の夏は、”少しずつ終わりに近づいていた”。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。
結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。
相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。
更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので
よかったらまた覗いてください。
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