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佐伯悠馬の結婚事情(仮)  作者: 雪森蓮


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その164 「夏の夕方のテラス」

僕は場面の絵が先に浮かんでそれを単語で組んで、それを下書きとして書いているんですが、どうにもわかりにくい感じがしていまだ試行錯誤です。難しいですね。

夕方、ハミルトン邸のテラス。


紅茶の湯気がゆっくり上がっている。

芝生はさっきまでの騒ぎが嘘みたいに静かだった。


子供たちはどこかへ行っている。

遠くで笑い声だけが聞こえる。


凛がそっとカップを置く。


「静かね」


エレノアは芝生を見る。


「さっきまで騒がしかったですね」


凛は少し笑う。


「五分も持たないわね」


「勉強してても、すぐ遊びに変わるの」


エレノアもクスッと笑う。


芝生にはまだノートが一冊落ちていた。


ルイスのものだろう。

風でページがめくれる。


それを見ながら凛が言う。


「ロッテ、」


ロッテは椅子に座ったまま本を閉じる。


「はい」


凛はロッテに向き直って聞く


「進路、決まりそう?」


ロッテは言う。


「ファウンデーションコースで、」


「そのあと大学にします」


凛はかるく頷く。


「英国で?」


「はい。たぶん」


少し間。


凛が聞く。


「金融関係だっけ?」


ロッテは頷く。


「現実的かなと……」


凛は少し笑う。


「父親(レオンハルト・フォン・ヴァイツマン氏)ね」


ロッテは肩をすくめる。


「影響は否めないです」


それからそっと立ち上がる。


「少し歩いてきます」


エレノアが言う。


「あまり遠く行かないでね」


ロッテ。


「敷地からは出ないわ」


そう言って芝生の方へ歩いていく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


テラスには二人だけが残る。


涼やかな風。いつもの庭。

そして、夕方の光。


凛がゆっくりと紅茶を飲む。

それから言う。


「兄さん、」


エレノアが視線を上げる。


「はい」


凛は芝生を見る。

悠馬が歩いている。

子供たちと何か話している。


「忙しいのに、よく付き合うわね」


エレノアは小さく笑う。


「ですね」


凛が言う。


「子供たちの事が好きなのよ」


エレノア。


「そう見えます」


凛は少し考えて、

それから言う。


「でもね、自分から行くタイプじゃない」


エレノアは頷く。


「ええ…」


「呼ばれると行くし、頼まれると断らない」


凛はそっとカップを回す。


「昔から、ね」


少し沈黙。


芝生ではマックスが走っている。

ルイスも。

タイラーも。


悠馬は立ったまま何か説明している。


凛が言う。


「不思議な人よね」


エレノア。


「そうですね」


凛は少し横を見る。


エレノアがいる。


その視線のさ先。


芝生、そして悠馬。


凛はそれを見ている。


ほんの一瞬だけ。

それから何も言わない。


紅茶を飲む。


静かな風、そして庭。

落ち着いた夕方。


ふと、エレノアが言う。


「夏も…もう終わりですね」


凛は芝生を見る。


子供たちが走る。笑う。

そして言う。


「あと少し!!」


「でも、この家は夏が長いですね」


そう言ってエレノアは少し笑う。


芝生ではまた騒ぎが始まっていた。

ノアの声も聞こえる。


凛が小さくため息をつく。


「またあのバカは…」


エレノアがくすくすと笑う。


「平和ですね」


凛はかるく頷く。


「ええ、」


そしてもう一度だけ、

芝生を見る。


悠馬。

そして子供たち。

それから、隣のエレノア。


ほんの少しだけ、考える。

でも、何も言わない。


『夏の夕方はまだ静かに続いていた』



ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


感想・フォロー等とても励みになります!

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