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佐伯悠馬の結婚事情(仮)  作者: 雪森蓮


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その147 「夏の客人Ⅸ」

夏のテラスディナー的な。雰囲気が上手く書けない

夏の夜は遅い。

七月のウィルトシャーは

まだ明るかった。


ハミルトン邸のテラスには長いテーブルが用意されている。


白いクロス。

ランプ。

ワイン。


正式な晩餐会ではない。

だけど。

集まっている顔ぶれは軽くない。


レオンが席に座る。


「いい場所だ」


芝生の向こう。

森。

遠くの丘。


エドワードが笑う。


「夏だけはね」


「冬は風が強い」


重役の一人がグラスを持つ。


「しかし今日は助かりました」


「急な招集で」


エドワードが肩をすくめる。


「取引先のボスが屋敷にいる」


「なら顔を合わせておいた方がいい」


レオンが軽く笑う。


「合理的だ」


席の少し端。

ロッテは静かに座っていた。


この席に子供はいない。


しかし。

彼女は呼ばれている。


フットマンが料理を置く。

その時。

テラスの奥から足音。


悠馬だった。

書類を閉じながら歩いてくる。


「遅れました」


エドワードが言う。


「仕事か」


「少し」


レオンが笑う。


「少しではないだろう」


悠馬は椅子に座る。


「多少です」


重役がすぐ声をかける。


「佐伯さん」


「例の投資の件ですが」


悠馬はグラスを置く。


「契約は来週です」


短い。

重役が頷く。


「やはり早い」


別の重役が笑う。


「いつもそうだ」


レオンがロッテを見る。

ロッテは黙って聞いていた。


会話は自然に悠馬へ集まる。

報告。

確認。

相談。


悠馬は静かに答える。

大きな声は出さない。


でも。

全員が聞いている。


しばらくして。

エドワードがワインを置く。


「悠馬」


「はい」


「任せる」


短い。

でも。

重役たちは頷く。

それで話が進む。


ロッテはそれを見ていた。


庭はまだ明るい。

ランプの光が少し揺れる。


イギリスの夏の夜。

やがて食事が終わる。


重役たちは庭を眺めながら話している。

エドワードとレオンは別の話題。


ロッテはテラスの端に立つ。


芝生。

夜の風。

その時。


「何か?」


後ろから声。

悠馬だった。


ロッテは振り向く。


「別に」


少し間。


「見てただけ」


悠馬は庭を見る。


「今日は静かです」


ロッテが言う。


「昼と違う」


悠馬は少し笑う。


「子供がいないので」


ロッテは腕を組む。


「さっき」


「聞いてた」


「仕事」


悠馬は頷く。


「そうですか」


ロッテは少し考える。

それから言う。


「ウサギじゃなかった」


悠馬が少し首を傾ける。


「何の話でしょう」


ロッテは小さく笑う。


「まだ分からない」


「でも」


少し間。


「厄介」

 

悠馬は困った顔をする。


「それは困ります」


ロッテは肩をすくめる。


「そう?」


庭の向こう。

森が暗くなり始めている。


ハミルトン邸の夏の夜は

まだ終わらない。



ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


感想・フォロー等とても励みになります!

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