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最強教師は最低のクズ野郎~神殺しの王。教師となり美少女を育成する〜  作者: さく・らうめ
カルドニアのアベンジャー編
201/520

旅立ち

「うむ、絶好の旅行日和だ」


 スティーグは手で日の光を隠し、満足げに頷く。

 周りには厚めのマントに身を包んだ少女達もいる。

 大所帯となってしまった為、馬車は二台用意した。

 食料と水はもちろん、着替えや旅に必要なアイテムも用意した。

 僅か一日でこれだけ揃えるのは非常に大変だった。

 全員で手分けして買い揃え、金に糸目をつけず、上等の馬を買ったのだ。

 一番問題と思っていたのは生徒達の両親の説得だったのだが、スティーグが引率するのならと全員の両親はあっさりと納得してしまったのだ。

 少女達は旅立ちを前にして、多少なりとも興奮している様だった。

 前回はスティーグに追いつく為、かなりの強行軍だったらしく、今回の旅はかなりリラックスしているようにみえた。

 だが、勘違いしてはいけない。

 この時代の旅はかなり危険を伴うものなのだ。

 整備されていない個所の道は結構あるし、天候が荒れると、足止めを食らう事もある。なにより野盗やモンスターが出現する為、街の外に出るにはしっかりと用心棒を雇って、十分な準備をする必要がある。

 なのだが、スティーグという規格外の存在はもちろん、ミラ以外は一流の戦士だ。

 野盗や野良モンスターなど危険のうちには入らないのだ。

 そんな訳で少女達は完全にお気楽旅行気分でいた。


「皆、気を付けて行ってくれ」


 アドルフが声をかけると、少女達は僅かに身を引きつつ、ギクシャクと笑顔を作った。


「あ、ありがとうございます先生。せ、先生もお食事会、頑張ってください、ね?」


 心優しいクレアはなんとか笑顔を作り、アドルフに応えた。

 が、その優しさがアドルフの心の傷に塩を塗り込むことになり、顔を引きつらせながら汗をタラりと垂らした。

 本音を言えば、もちろんアドルフもスティーグに同行したいのだ。

 しかし、今回の食事会は婚約者の少女以外にお互いの両親も参席する事になっている為、簡単にキャンセルはできないという事だった。


「よーしお前ら、準備はバッチリだな?」

『はい!』

「んじゃあ、馬車に乗り込め。出発するぞ」

「おっしゃー。テンションアゲアゲでいくぞー」


 ステラは上機嫌で馬車に乗り込み、他の皆もそれに続いた。

 馬車一号はスティーグが、二号にはアティシアを手綱を握り、ゆっくりと前進を始めた。

 その時だ。


「スティーーーーーーーーグーーーーーーーーーーーーーー!!!!」


 街の方角から声が響いた。

 驚いてそちらを見ると、そこにはリセリアとメイが立っていた。

 結構距離が開いていたので、リセリアは両手をメガホン代わりにして大声で叫ぶ。


「お土産ーーーー、絶対に買ってきなさいよーーーー。帰ってこなかったら承知しないからねーーーーーーーー!!!!」


 それを聞いてスティーグは呆れ気味に噴き出した。


「あいつ、俺の心配よりも土産の心配かよ」


 スティーグが苦笑いをすると、ミラはスティーグの頬を指でつつく。


「嬉しいくせに」


 ニヤニヤ笑うミラと荷台に乗っている生徒達はスティーグの顔を笑って見つめていた。


「ふん」


 スティーグはそっぽを向いて少女達の視線から逃げた。


「さあ、行くぞ! 目指すはカルドニア公都だ」


 スティーグは手綱を引いて馬の脚を速める。

 リセリアとメイが見送る中、スティーグ達は旅だったのだった。





で。


「ところで、夜寝る時はどうする? お前ら俺に引っ付いて寝るのか?」


 この発言に少女達は顔を真っ赤にした。

 散々もめた結果、荷台一号にミラと生徒達が詰めて乗り、スティーグとアティシアが二号に寝る事になった。

 最初はアティシアはナチュラルにスティーグの隣で添い寝するつもりでいたのだが、少女達全員から猛反発を受け、泣く泣く端と端で寝ることで落ち着いたのであった。

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