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最強教師は最低のクズ野郎~神殺しの王。教師となり美少女を育成する〜  作者: さく・らうめ
カルドニアのアベンジャー編
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旅の準備

「でもあれですよね。スティーグ様は何だかんだでカルドニアに行くわけですよね?」

「そうなんじゃない?」


 メイの言葉にリセリアは素っ気なく答えた。

 だが、気になっていることは長い付き合いのメイにはバレバレで、必死に『私、全然興味ありません』とアピールしているだけだった。


「生徒さん達も一緒に行くんでしょうかね?」

「さあ? 授業もあるでしょうしね」


 二人は帰路に着きながら、そんな事を話していた。


「でも、ミラさんと妹さんは付いていきそうですよね」

「そう、かもね」

「そうすると、あれですね。男一人と女二人で旅をするって事ですよね?」

「ふぇ!?」


 思いがけない言葉に、リセリアはひどく取り乱した。


「た、旅! 一緒に寝泊りするって事!?」

「そりゃあ、ここからカルドニアまでは遠いですから。往復で二、三週間はかかりますからね」

「そ、そうね。確かにその通りだわ」


 リセリアは失念を恥じたが、何だろう、この悶々とした気持ちは。


「生徒さん達も付いていったら、もう酒池肉林て感じですね」

「ぶゅうお!! ななななな、何言ってるのメイ!?」


 変な声で噴き出してしまったが、メイの発言はリセリアの理性を吹き飛ばすには十分だった。


「馬車を使ったとしても、狭い荷台にあれだけの人数が寝る訳ですよ。間違いの六つか七つくらい起きますよ」

「起きないわよ。そんなに起きるわけがないでしょう!!」

「あ、姫様も付いて行って混ざろうとしてはいけませんよ? 最近まで敵国だった国に、その国の姫君が行くなんてとんでもないですからね」

「混ざ!? そんな事するわけないでしょう!」


 お忍びにも関わらず、リセリアは大声で否定したのだった。

 因みに二人はアドルフの事を完全に忘れていたわけだが、ここにアドルフはいなかった。


**********



「さて、明日にでも出発するか」


 善は急げ。報酬に目が眩んでいるスティーグは、すぐにでも出発するつもりでいた。

 生徒達は色めき立つ。


「当然、私達も付いていきます」

「ダメ」

「ええぇーーー!」


 当たり前の様に付いて行くつもりでいた生徒達は、あっさり拒否され不満の声を上げた。


「お前ら学園があるだろうが」

「そんなの今更じゃないですか」


 優等生とは言えないステラがブーイングを浴びせた。


「今回の旅は前回とは違うぞ。カルドニアの公都まで行くし、主な任務は言ってみれば人探しだ。いつ見つかるか分からん。下手をしたらいつまで経っても帰れなくなるぞ」

「だ、だからこそ、人手は多いに越したことはないと思いますわ」


 先ほどの事もあってか、シャルロッテが意気込んで答える。

 スティーグは頭をかいた。


「お前らまだ学生だって事を忘れるなよ? 座学も大事だぞ。特にクレア、お前はな」


 全員を見回した後にスティーグはクレアに目を止める。

 ぶっちゃけて言うと、特別クラスの生徒達の戦闘レベルは既に十分だった。

 無論、まだ伸びしろはある。

 スティーグが指導すれば、彼女らはまだまだ強くなるだろう。

 だが、強さは相対的なものだ。

 学生レベルで彼女達に敵う相手など、もう存在しないし、国全体を見渡してもまともに戦える人間の方が少ないくらいだ。

 それよりも今彼女達が学ぶべきは知識。

 特にクレアだ。

 シルフィーとシャルロッテは、国立騎士団に所属する事を既に表明しているし、ステラとセリスも冒険者を希望している。

 だが、クレアだけは実家の武器屋を継ぐ可能性があった。

 ならば、経営学や流通の勉強をするべきだ。

 クレアはスティーグの言った事を正しく理解した。

 その上で、クレアは言った。


「先生、あたしは将来、商会騎士団に所属するつもりです」

「商会騎士団?」


 クレアは説明する。


「商会騎士団て言うのは、用心棒みたいなものです。行商にでる商人の護衛をしたり、大きな商会の警備をしたり、時には商品の素材を採集したりします」

「なんか、冒険者と似てますね。いわば商売敵っすか?」


 ステラは渋い顔をしながら、頷く。


「そのためにはやっぱり強くなきゃいけない。それに色々な街に行って見聞を広めるのも大事な事なんです」


 クレアは自分がカルドニアに行く正当な理由を提示する。

 スティーグは小さくため息をついた。

 それをクレアは同行を許可されたと受け取り、顔を綻ばせた。


「はいはーい! あたしも見聞必要です」

「あたしも」


 ステラとセリスは手を上げて、同行を希望する。


「元々私は卒業していますから、同行するのに何の問題もありません」


 シルフィーはドヤ顔で胸を張った。

 彼女は元々全ての単位を修得して卒業した。

 今ここにいるのはアドルフと軍の最高幹部であるラーゼン元帥の計らいなのだ。


「当然私も付いていきます。ついていかない道理がありません」


 アティシアは前言通り、当然と断言する。

 スティーグは流石に諦めたようでやれやれと首を振ったのだった。


 


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