表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
182/520

強敵。魔人の恐怖

 魔人は咆哮を上げると、両手を前に突き出した。

 魔力が集まり、黒い極太の閃光が放たれる。


「散って!!」


 アティシアの言葉を合図に全員が一斉に散開する。

 まずシャルロッテが動いた。

 得意に氷槍を作り出し、魔人に向かって投擲する。

 魔力を集約した一本の鋭い氷槍が魔人を串刺しにせんと空を切る。

 魔人は片手をかざすと魔力を集め、氷槍を迎え撃つ。

 氷槍は一瞬で掻き消された。

 だが、氷槍に気を取られている隙に、セリスが駆ける。

 『猪突猛進』を使い、瞬時に魔人との間合いを詰めた。

 ミスリルグローブをはめた拳を握る。

 手数は必要ない。

 超加速によって生み出された突進力を拳に乗せて、放つは一撃必殺。打ち抜け!

 バチンという音が森に響いた。

 なんと魔人はセリスの拳を片手で止めた。

 思わずセリスは目を見開く。

 『猪突猛進』から勢いを乗せたセリスの右ストレートは、今や岩をも粉砕する。

 それを片手で止めるとは思わなかった。

 さすがに無傷という訳ではないようで、指があらぬ方向へと折れ曲がる。

 だが、痛覚がないのか、それを全く意に介す様子もなく、そのままセリスの拳を掴むと、大木に向かって叩きつけた。


「かはっ!」


 強かに背中を打ち付けて、セリスはたまらず崩れ落ちた。

 止めを刺そうとする魔人の前に、今度はステラが躍り出た。

 セリスが一撃に全てを込めるなら、ステラは手数で勝負する。

 二本のミスリルダガーを構えると、思うがままに手を動かす。

 斬る。斬る。斬る。斬りまくる。

 あえて斬る位置を特定せずに、がむしゃらに斬りつけた。


「かったぃ!」


 魔人は恐ろしく硬かった。

 元々そういう肉質なのか、魔力による障壁かは解らないが、兎に角硬く、ステラの腕が痺れた。

 通常の武器であれば、傷一つ付けられまい。

 ミスリル製の武器だからこそ、浅くはあるが、刃は通る。

 手の痺れを我慢してひたすらに斬りまくる。


「ああああああああああああああああ!!」


 瞬く間に叩きつけた驚異の十六連撃。

 魔人はのけぞり、後退する。


「血は、流れないのですね」


 生まれた隙をシルフィーは逃さない。

 脇腹の辺りを斬りつけた。

 血の代わりに、魔人の傷口からは光る粒子の様なものがあふれ出す。

 やはり痛覚がないのか、魔人は全く苦しむ様子がない。

 自身の周りに魔力を集め、全方位に解き放つ。


『きゃああああ!!』


 近距離にいたステラとシルフィーがその衝撃で吹き飛んだ。

 即座に魔人は右手をかざし、魔力の弾を撃つ。

 狙いはシルフィーだ。


「やらせない!」


 横から飛び出したクレアが、魔力弾を斬りつけた。

 そのまま地面に突き刺した大剣の切っ先を軸に、前方に一回転。勢いをつけて遠心力たっぷりの一撃を魔人に叩きこんだ。


「GZZAA!!」


 魔人が呻く。

 かざしていた右手が斬り落とされ、宙に舞った。


「よし!」


 手ごたえを感じ、クレアは気迫を口にのせる。

 魔人は強い。

 おまけにここにはスティーグがいない。

 どんな強敵であっても、スティーグがそばに居れば自分達は安心して戦えた。

 それが今はいない。

 一つ間違えば簡単に訪れる死の恐怖。

 その恐怖を振り払うべく、クレアは自分を勇気づける為に声に出したのだ。

 幸い、魔人は脅威だが、完全無欠ではないようだ。

 ダメージが与えられるなら自分達は戦える。

 そう思っていたのだが、


「え?」


 クレアは一瞬呆けた声を出す。

 それも無理はない。斬られた魔人の傷口から腕がニョキニョキと生えてきたのだ。

 人間ではありえない怪現象に全員が唖然とした。

 気が付けばセリス、ステラ、シルフィーがつけた傷はすでに塞がっていた。


「何てこと!?」


 超速再生。

 反則的な能力に皆が凍り付いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 魔“人“の話なのにタイトルは魔“神“ですか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ