原初の森
pv100突破、ブクマも数件。
ありがとうございます。
--原初の森
原初の森は大まかに言えば横に長い楕円形の形をしている。
もちろん突出している部分もあればくぼんでいる部分もあり完全な楕円ではないがまぁそこは誤差だ。
縦に短い楕円のはずだが、俺がいた中心部から北側の森の端までは広範囲探知による目算で大体150km。
東京から熱海あたりまでの距離が丸々森である。
ちなみに横は600kmほど。
東京-大阪間が丸々木で埋まってるってすっげーよな。
そんな森の中を”普通に歩く速度”で進んでいる。
「このまま順調に行けば3日くらいかな」
人の足というのは平坦な道を歩けるのは時速5kmと言われている。
150kmを歩くと30時間ほど。
一日10時間歩けば三日の計算である。
ただ歩いているだけではもったいないので森の中を歩きながら薬草や錬金に使えそうな素材を見つけては拾っている。
「お、また見っけ」
木の根っこから生えているキノコを根っこからもぎ取り手に取る。
このキノコは回復薬の効果を高めることが出来るもの。
普通に薬師の所に売ればこれ一個で銀貨2枚にはなる。
見つけたものを玩具箱に格納していく。
これも前回来た時に作った魔法で、まぁよくあるアイテムボックス的なもの。
予想通りというか前回玩具箱に残してあった服とか物資はなくなっていたので空っぽだ。
異空間につながっているっぽくて容量制限とかあるのかすらわからないんだけども。
「しっかし、いつ見ても変な森だわ、ここ…」
周りを見渡しても目に入るのは太く聳え立つ木々。
その木には蔦やら蔓やらが巻きついていて何十年も放置されている様子が伺える。
上を見上げるときれいな緑色をした葉っぱが茂っており時たま差し込んでいる光が線状になっている。
地面を見ても光が当たっていないところでもさまざまな草や花が枯れずに青々としている。
鼬のような小動物や鹿や狐のようなものまでも見る。
木々の間からこっちを伺って近寄ってこようとしないけどな!
もふもふさせやがれ
おっと違った。失礼。
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森の中を歩いていると時間間隔が狂うというがそれはほんとだね。
気がついたら日が沈んでいるらしく、あたりは暗くなっており道もほとんど見えない。
光球を使って上空から明かりを照らしているが足元の細かいところまでは照らされていないので正直移動するペースは落ち始めている。
「んー、今日はここらで野営かなぁ。それとも光量最大にしてとっとと進んじゃうか」
周りを見回してもその言葉に返事するものはおらず、物音もしない。
動物たちももう活動をやめて休んでいるのだろう。
…一人でいると独り言って多くなるよね!ね!
野営の準備をしようと思って枯れ枝を探そうとするが、そういやここには「枯れる」って考えがない事を思い出した。
とはいえ生木じゃ煙出るしなぁ…
よし進もう。
「久しぶりにやってみるか。身体強化」
体の中をまわしている魔力に火を入れるようにすると体に熱が灯る。
軽く腕や足を振り回してみると先ほどより軽く力強く動かせる。
ジャンプしてみると軽く4~5mは飛び上がり、上に生えている木々の枝にぶつかりそうになる。
その流れで枝を掴み身体を回転させ枝に着地、その枝の撓みを利用してさらに上へと飛び上がる。
幾度か繰り返すと木の天辺を飛び出し、眼下には緑の絨毯が広がっているのが見える。
夜空には二つの月が浮かび薄い明かりで絨毯を照らしている。
「これだよ、これ。こういうのを見ると異世界に来たって実感できるよな。地球じゃそうそうこんな景色見れない」
興奮しながら周囲の景色に目を奪われているところで飛び上がった力がなくなり、重力に従い下に落ち始める。
「空歩」
何もない空間ですばやく蹴り出す事により発生する空気抵抗で足場を作りそのまま森の上をブーストを使った跳躍力で駆け抜けていく。
景色がどんどん後ろに流れていく感覚を感じながらそのまま森の上空を進んでいく。
この空歩は魔法のように思えるだろうが実はただの技術。
空気が動く間もないほど素早く動かすと空気の踏み台が出来るっていうわけだ。
あれだね、音速の壁みたいな感じ。
鍛えれば誰でも出来る技だからって何人かに教えたんだけどみんな出来なくて逆ギレしてきてたなぁ。
過去の話を思い出しながら遠くで群れを作って飛んでいる飛竜や下の木々で騒いでいる巨大猿なんかを尻目に飛ぶように空を駆け抜ける。
「気持ちいい…やっぱあっちじゃ味わえないこの感じ…最高!」
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1時間も空の旅を堪能していると森の終わりが見えてくる。
約150kmを一時間程度で走破した俺すごい。
そろそろブーストも切れる頃だし徐々に高度を落として目の前の草原に向かって着陸する体勢を取る。
森の切れ目から続くのは見渡す限りの草原。
とはいえまだ夜で月明かりくらいしか明かりがないので遠くまでは見通せない。
さっき上から見た限りでは、ここからしばらく進むと小さな村があったはず。
地面に滑り降りるように着地すると風でぐちゃぐちゃになった髪や服などの身だしなみを整えて村に向かって歩き出す。
あと1時間も歩けばつくだろう。
途中、野営中なのだろう、火に当たっている数人の冒険者風の子供たちに警戒されたりしたけど問題はない。
ないったら。
事案発生なんかしないよ!?




