Barでのこと。
ガチャ
LEDのついたネオンの黒の内装と少し暗めのステージがありDJブースがあるBARだ。
買った服を席に置いて席に着いた。
座って見ると、金髪のギャルと手首筋にまで派手なタトゥーの入っている男。そして浅黒い肌の店員。そしてHIPHOPが流れている。
「久しぶり〜!」
「さしぶりだね。」
「懐かしっ。ワッサー」
「何飲む?」
「とりあえず、生3つ」
「はーい」
生を3つ抱えた女の友達がやってきた。
テーブルの上のコースターの上に一つずつ置きカウンターに戻る。グラスと灰皿が並べられている。3人はグラスを手に取った。
「じゃあ、かんぱ〜い」
3つの声が重なった。グラスをコツンとぶつけた。
「2人は今何してるの?」
聞いてきたが、答えなかった。答えたくない質問は教えない。
「今何してるかってゆーか。昔のままだよ。腐れ縁って奴。世間話してるんだ。」
上に羽織ってたアウターを脱ぎながら言った。
脱いだ腕口には刺青が彫り込まれていた。
定員はそれを見て眩暈がしていた。
「で、なんかあったの?」
「私の知り合いが自殺したの。何でだと思う?」
「えーそりゃ、いろいろなケースが考えられるね。例えば死ぬしかない。ってなるまで追い詰められるとか生活をしていて意味が無くて死ぬとか。学校とか仕事してて働いてるところでいじめられて死ぬとか。人が関わってたりな。病んじゃったりな。スピってたりとかな。まだまだ沢山あるだろ。それで?」
「んー確かに。色々沢山あるよね。思いつかないし分かんないからやっぱり凄いなー。」
「何だよ。それだけかよ。まだまだ色々あるよ。死んじゃったなら金持って死んだならそーとー苦しんでたんだと思うよ。大体金で解決出来るからな。こいつも分かってやれるよ」
「大変だったなぁー。まぁ、飲めよ。人はな、忘れられたら終わりなんだよ。ちゃんと覚えといてやれよ。」
「うん」
また、軽くグラスをぶつけて乾杯をする。
「モーリーいる?」
手の指でバッテンを組んで言ってきた。
「食べると最高になりますよ」
俺達は全員店員の目を盗んで口に含み酒で飲み干した。
少しするとタバコが美味しく目ブレが始まった。
「てか、世間は成人式に同窓会か」
「だねー!」
「そーだね。俺たちが成人式やった時とかちょーど麻を舐める達人が流行っててさ、みんなぶりぶりだったよな」
「そーそ。みんな目が赤目だからサングラスの取り合いよ。」
店員が音楽を変えた。クラッシックだ。
「あははははは!同窓会とかあんのかな?」
「いやー、どーなんだろ。俺らの地元は成人式の後一回同窓会あったっきり行ったっきりだね。実際さ次あっても昔の友達と会う意味が無いんだよな。こーやって友達と俺らは会ってんじゃん。あいつらとかさ、絶対普段別々の生活送っててディスってんのにさ、友達がいない人がSNS等の流行りにより昔を懐かしみたいとか思ってんだよ。」
タバコを吸い始めた。
「確かに。俺らそれ言ったらずっと同窓会の二次会よ。昔の知り合いに会っても話すことないよな。まず、一人一人現状に満足してないといけないしさ。陰キャラがさ、金持って人の事見て聞いて見返してやりたいだけなんだよ。」
グラスを飲み干した。
「あはははははは。あれらしーよ。かつての美女とかイケメンが老けたり不幸話聞いたりするのがね、楽しいらしいよ。キモいよね笑」
「行きたくねー。てか、老けってなんだよ。20代30代までは大丈夫だろ。そっから全員ピーク来て落ちていくもんだろ。同い年なんだからほぼ一緒なんだよ。同い年で開花した人がいたら大体全員満開で開花してんだよ。咲いてないやつなんていないんだよ。学校で習っただろ。知らんけど。」
音楽が流れ続ける。
「あははははははは。知らんけど。まぁ、会ってない人も容色が衰えてさ軽落してかさぐれて人は必ず死ぬんだよ。すいませーん。焼酎水割り3つ。」
「そーそ。シワも出来るんだよ。ずっとなんだけどよ。家の周りで大声で喋りながら歩いてるキモいやつとかいるんだよ。それが痛ましく当たり前になって気持ち悪いのを力に変えて下剋上してる人がいんのが不自然で日本の痛いストーリーなんだよ。もう一杯まだー?」
トンットンットンッ
雅人が酒の入ったグラスを三つ置いた。
「ありがとっ。バブル以前から始まったらしいね。人間の宿命、悲しさ、世の無常、を受け入れられなかった人々がさ反抗してんだよ。でさ、長くそーゆー奴らばっか生きて心地の良い世界を作った人が今も生きてよ。人類の科学技術の進歩で人生60年から人生100になってさピークを超えてる人たちが日本を支えてんじゃん。テレビもラジオもスマホも政治も作本も大体の媒体の裏側の人はさピーク超えてんじゃん」
雅人が一口飲んでから話し始めた。
「そーそ。ピーク超えてんだよ。中年だよ。中年。産業革命起きて、マーケティングの時代が来てマネジメントの時代が来て今ある大手企業ができて仕事が普及した頃に生まれた年代が仕切ってんだぜ。しかも、仕切って受け継ぐなら良いんだよ。少しずつ余計な事してさ、不吉なことするから受け継がず落ちてってんだよ。まじ迷惑だよな。」
「あははははは。あいつが大企業入ったって偉いのは企業の社長であいつは推薦で行ったわけでもないし大体働いてる奴の身分なんて全員一緒なんだよ。会社辞めちまったら大企業のお偉いさんも会社の肩書き無ければただの人に様変わりだぜ。」
雅人は店員に新しい飲み物を3つ頼みに行った。
「ありがとっ。あははははははは。まーま。1軍とか2軍とか3軍とかあったじゃん。下の方は全員BADのこと考えてんのよ。不吉、恐怖、醜形、老醜カルマそれを受け流して日々頑張ってるのよ。それを俺らも受け流してやんないといけなかったわけ。あはははは」
「あー確かにな。あるよな。カルマが入ってくる系。俺らがあり得ねーもん。2軍3軍は学校以外でそーゆー扱いを受けたわけだろ。ましてや、学校で1軍だぜ。あり得るわけねーんだよ。実際、運とか顔だけでなれるもんじゃねーよ。1軍とかさ。知らんけど。」
「あはははははは。日本はそれにしても周りも周りだよね。知らんぷりだね。無責任のバカばっかだからね。」
俺はまた飲み終わって手持ち無沙汰になり新しいのを頼んだ。
「これ試作品なんだけどー」
テーブルの上には焼かれたピザが並べられた。
タバコを置いて指を伸ばしてリップクリームの塗られた唇へピザを運んでいた。
「おいしいね。」
「うまいうまい。」
「うまい」
俺は雅人とねおが次次にピザを口に運んでいる。ピザが口に吸い込まれていく。俺はそれをぼんやり見つめながらカラオケを選んだ。




