その③
ここは冬木の情報局の一室。秘書らしい女性がお客の二人に二杯目のお茶を出し、その場から去って行く。
「つまり君は完全に巻き込まれたって訳だな。あははっ。」
肩手にお茶を持ち黒いソファにもたれかかり大笑いする冬木。
バンっ!
望美は透明なテーブルを叩き。
「笑い事じゃ無いでしょ!?
早くそのあんたの頂点に立つ王とか言う人に頼んで何とかして貰ってよね。」
勇気はあの後、説明が面倒なので、名刺を頼りに望美と一緒に冬木のいる事務所にやって来て、冬木に説明をしてもらっていたのだ。
困った顔をする冬木。
「そうは言ってもな。オレも肉体をつけてここに落ちて来た身、その上転生を繰り返して来たせいで天には戻れない状態だからね。ただここで闇の者と戦う事しか出来無いんだよ。」
溜息をつく彼。
「役立たず・・・。」
望美はそう言ってムスっとする。
「そういやさぁ、気になってたんだが、魔王って言う奴は何処いるんだよ。」
彼女を一先ず放置して勇気は冬木にそう尋ねた。すると彼は真面目な顔をして・・・。
「それなんだが・・・・。奴もこの地に落とされたはずだ。だが何処に落とされたのか分からない。
奴は長い間、闇の者の上に君臨して来られる程の器だ。そこ等辺りにいる奴等より、ずる賢く惨忍だ。願わくばこのまま眠ったままでいてて欲しいが・・・・。」
言って彼は勇気の方をジロっと見た。
・・・・・・言いたい事は分かる。オレに外に出るなって言いたいんだよな。出来たらそうしたいがオレだってやる事は沢山ある。真面目に高校出て、真っ当な社会人を目指している。このまま誰にも会わず一生家に引きこもっての生活なんてありえんだろ。むしろ親が泣く・・・・・・
「そんな厄介な奴は縛ってでも外に出すな。」
突然部屋に入って来るなり強い口調でそう怒鳴る金髪ブロンドの外人さん。
・・・・・・こいつ、何処かで・・・・・。
勇気は言われた言葉より先に見た事のあるその容姿が引っ掛り腕を組み考えた。
「あぁ!あなたは・・・・去年うちの学校を卒業した天木冬夜君?」
横で望美がそう言った。
・・・・・・あぁ~・・・・・そうそうそいつだ。
確か、小さい頃外国の方で両親を失い、日本人の子供のいない夫妻に養子にしてもらったって奴だったか・・・・そんな奴が何でこんな所に?・・・・・
「その名は過去の物だ。オレの名前はミスト。大罪人のミスト=フェーアノクだ。」
・・・・・・え゛っ!?・・・・・・・
沈黙する二人。
「彼は光の者だ。
彼もまた去年、突然目覚めたんだよ。
全てを知り震えて蹲っている所をオレがここまで連れて来たんだ。
その後は何とか落着きを取り戻して普通に学校へ行き無事卒業。今はここの仕事を手伝って貰ってるってわけ。」
冬木はニッコリと笑みを浮かべた。
「そんな事はどうでも良い。オレはこいつのおかげで忘れていた嫌な事を思い出したんだ。この手で見境なく光も闇も関係無く殺しまくった事を・・・・。
そっとしていて欲しかった。そのまま記憶を全て葬り去りたかった。」
・・・・・・・何があったのか全然分かんねぇけど、これも知らず知らずにオレがやってたって事か・・・・・・・
「昔ってわたしにはよく分かんないけど・・・・何があったのよ・・・・・。」
望美はミストに優しくそう聞いた。
「あんたに言ったって理解出来るはずが無い!」
そう言いのけられ眉間にシワを寄せる彼女。
「つべこべ言わず、とっとと言ってみなさいよ!理解出来る出来ないって言うのは聞いてみてから判断する物よ!言わないうちからギャーギャー言うな!」
彼女の声は部屋中に響き渡った。
三人は一瞬凍り付いた。
「お前の彼女、いつもあぁなのか?恐えーな。」
「彼女じゃねぇよ。ただの幼馴染だ。
・・・・・あぁ。昔からあんなもんだよ。たまに女の子ぶるけど中身は鬼神その物。」
冬木と勇気はコソコソとそんな事を呟いていると、体に刺さる様な鋭い視線に二人は大人しくなった。
「兎に角言え!」
望美はミストに笑みを浮かべた。
・・・・・・・命令口調!
仮にも元先輩なのにそんな爽やかな感じで・・・・・・・
勇気達は側で何事も無い事を願うだけだった。
「ちっ!」
ミストは舌を鳴らし嫌々ながら話しだした。
「昔、光の者が地上と天を行き来出来ていた頃の話しだ。
通常は人にはオレ達の体は見えなかったが人の体になる事は出来ていたんだ。それだけの力があったって事だ。
ある時、かなりの術を扱えるお姫様がいる事を知り、人をたぶらかす闇の者を倒す為に協力して貰う様、オレは頼みに行った。
別に光の者の力が地に及ばなかったって言う訳では無く、ただ単にオレは姫の力に興味を持った、それだけの事だったんだ。
姫は役に立てるのならとオレの話しを聞いてくれ一緒に戦ってくれた。
次第にオレは姫に好意を示す様になっていた。
それはオレ達の中では最大の禁忌とされていた。その事を知った闇の者が知り光の者に告げ口をした。それが全ての始まり・・・・。
光の者は姫を殺し、オレはその怒りで何千となる光と闇の者をこの手に掛け、今で言う光の王に捕まり何千年もの間牢に入れられた。
だがオレの心は姫を好いた感情への怒りと、今は亡き同胞にした行為の苦しみが付き纏い癒える事は無かった。
そしてあの戦争だ。オレは王に頼み、全ての記憶を消す為にと自ら地へと落ちる事を願いそれは叶った。だが・・・・記憶は目覚めてしまった。
お前のせいでな!」
言って勇気を睨みつけた。
・・・・・・オレのせいかよ・・・・・
「それってただ逃げてるだけでしょ?
良い機会よ。人になっちゃったんだから、やり直したら良いだけの事。幸い人間であるあんたは、何か罪を犯したって訳でも無いんでしょ?」
言って御茶菓子を手に取り袋を破り口に入れた。
「人間の今を楽しめって言うのか?
はっ!記憶が二つあるオレの気持ちなんて普通のお前に何が分かるって言うんだ。」
言って望美から目線をそらすミスト。
「いい加減にしなさいよ。
過去がどうあれ。逃げてどうにかなるのならこの世界とっくの昔に平和になってるわよ。反省しているのなら人に罪をなすり付けてないで、ちゃんと罪を背負って前を向いて歩きなさい。それが一番、その亡くなった同胞にしてあげられる事なんだとわたしは思うわ。」
沈黙する三人。
・・・・・・おぉ~何か望美がまともな事言ってる様な気がする・・・・・
勇気は側でちょっと感心していた。
「オレはお前は嫌いだ。」
ミストは望美に向かってそう言った。
「あら奇遇ねぇ・・・わたしもあなたみたいな後ろ向き人間は大っ嫌いよ。」
二人の周りから見えない冷気が吹き荒れていた。
・・・・・・・こいつ等、恐ぇ~・・・・・・・
勇気達は側でガタガタ震えていた。
「兎に角、オレみたいな奴を増やさない為にも、そこの無能で分けのわからん異質男を外へ出すな。
そいつさえ人と接触させさえしなければ光や闇の者が再び地上に現れる事は無いし人が死ぬ事も無いんだからな。
言っとくが、これはオレの感情抜きで言った正論だ。お前もこれ以上巻き込まれるのは嫌だろ?」
そしてミストは望美を睨みつけた。
すると彼女は暫し考えて・・・・。
「それもそうね・・・・。」
言って望美は勇気の方を振り向いた。
「・・・・って言ってるけど、どうする?」
言葉を求められ首を横に振る勇気。
「2・3日家にいとけ!ってならOKだけどな、制限無しの見通しゼロなこの状態でそんな事、言われても困る話しだ。」
勇気も負ける訳にはいかなかった。
「ならここで平和の為に即死ね!
お前がいたらこの地が乱れる。
何処にいるか分からない魔王の復活の手伝いをするかも知れない。だったら死んだ方がマシだろう。」
ミストの言葉に沈黙する勇気。
「こらこら、そんな事を言うもんじゃないぞミスト。
彼だってただ異質だってだけで巻き込まれた内の一人なんだからね。
他に何か手はあるだろう。」
・・・・・・他に手か・・・・・・
勇気は暫し考えて・・・・
「ならオレもその闇の者の退治に協力させてくれ。」
だがミストは勇気を背にして・・・。
「はっ!
お前のせいで目覚めて暴れている奴をお前が撃とうってか・・・・。そりゃただの馬鹿としか言えんだろ・・・。良いからお前は、家でジッとしとくか死ぬかの選択方法しか無いんだよ。」
彼のその言葉に言葉を失う勇気。
望美はゆっくりと口を開き・・・・
「あるわよ。
もう一つ選択肢が・・・・。」
笑みを浮かべそう言った。
「今のこの状態での秘策は勇気の力を調べる事だと思うわね。
今まで冬木さんは勇気を観察してた様に言ってたけど、側に来てジックリは見て無かったでしょ?」
頷く冬木。
「だったら徹底的に調べる事が大事だと思う。
そう・・・徹底的にね。」
望美は勇気に向けてダークな頬笑みを漏らした。
「確かに・・・・。
オレは君を上辺からしか見ていなかった。
それに異質さ故にあまり近付きたく無かった所もある。」
冬木は勇気の顔をマジマジと見つめた。
「オレはあまりそぅ言う詳しい知識は無いが・・・・。昔の記憶があるミスト・・・・お前には出来るよな?
お前の事は光の者の中でも結構有名だ。何でもあの術者から人間式の色んな術の知識を貰ったらしいじゃないか。」
冬木の言葉に嫌な顔をするミスト。
「あぁ・・・・。オレなら出来るだろうな。」
言って黙り込んだ。
「まさか昔の事を思い出してやりたくないとか言うんじゃないでしょうね?」
その言葉に反応して彼女を睨みつけるミスト。
「やってやるよ。
だがなウッカリお前を殺すかも知れないぞ。」
びくっ。
その恐ろしい言葉に恐怖し冬木と望美を交互に見つめる勇気。
「大丈夫だって!
言ってるだけだってば!」
そして勇気の背中を彼女は思いっきりバンっ!と叩いた。
「で・・・・何処で実験すりゃ良いんだ?
こんな狭い部屋では無理だ。暴れられたらたまった物じゃない。」
・・・・・・暴れるって・・・・・そんなに恐い事する気かよ・・・・・
勇気の顔は真っ青になっていた。
「そうだねぇ・・・。
確かここの情報局の建物の地下に空いてる倉庫があったと思うからそこ使えば良いよ。
あっ・・・・オレは仕事があるからここにいとくけど何かあったら携帯で呼んでくれ。」
冬木に言われて頷くミスト。
「着いて来い。」
ミストに言われ渋々着いて行く勇気に楽しそうな顔をして勇気の横を歩く望美。
「お前も着いて来るのかよ。」
勇気が嫌そうな顔をすると彼女はニコっと笑い。
「言い出したのわたしだし当然!」
等と言い再びニコっと笑みを浮かべた。
・・・・・・ったく、こいつは人の気持ちも知らんで・・・・・・
不安な気持ちを一杯抱え勇気は溜息をついて地下へと降りて行った。
地下へ着くと突然ミストはチョークで地面に魔法陣の様な物を書き込み何かをブツブツと呟き出した。
「お前・・・・そこの中心に入れ。」
勇気を指さして彼はそう言う。
「お前って・・・・
オレは光宮勇気って言う名前があるんだ。」
「良いから入れ。」
勇気の抗議の言葉を完全無視して命令するミスト。
彼は頭を掻き毟り取りあえず言われるがまま魔法陣の中へと入った。
するとさっきミストの書いた模様が突然白い光を吹き上げ彼の体を囲んだ。
「うわっ・・・・何だよ。これ!?あり得ねぇし・・・・。」
オロオロと辺りを見渡すが周りが真っ白で何も見えないでいた。
「まだ初めの段階だ辛抱しろ。まずは力を調べさせてもらう。」
ミストの横で目をキラキラさせて見ている望美。
「何だか面白そうね。わたしも中に入りたい!」
勇気の耳に彼女の声だけは届いていた。
・・・・・・阿保かあいつは・・・・。毎度毎度変な事には興味持ちやがって・・・・・。望美が巻き込まれたのだって元はと言えば野次馬しに行ったせいだろ・・・・・・。
等と光の中で考えていた。
「入りたいなら勝手に入れ。入った所でお前には意味は無いと思うがな。」
すると彼女は満面に笑みを浮かべ勇気の元へと入って行った。
「来るなよ。お前・・・・・」
嫌そうな声でそう言う勇気を無視し彼女が勇気の腕を掴んだ瞬間、突然彼女は意識を失った。
「おぃ!
おぃ!望美がおかしい!」
突然の出来事にミストは術を解除し望美の様子を伺った。
完全に意識を失っていた。
「何がどうなってるんだ?ただ性質と能力を調べるだけの術式の力で気を失った奴なんて初めて見た。
何か病気とか持ってるのか彼女は?」
・・・・・・病気?・・・・・・
勇気はミストの言葉に首を傾げるが何も思い浮かばなかった。
「小学校六年生の時に、おたふく風邪にかかった事位しか覚えちゃいねぇよ。」
困惑するミスト。
・・・・・・そう言えば・・・・・・
「こいつ・・・・グレンの時間を止める力の中で普通に動いていた。
それをグレンも気になっていた様だったが異質のオレが側にいたからと勝手に勘違いしやがった。」
・・・・・・闇の者の支配した力の中で動いていた?
動ける奴と言うのは限られてくる。完全に目覚めた光の者か闇の者・・・もしくはそれ以外の能力者・・・・・。
ミストはそんな事を感じた。
「そう言えばグレンの止めた人にオレが触れたら、その人動き出したっけな・・・・。途中、試しに色んな物を触って来たが全部動き出した。流石に車は危ないから触らなかったが・・・・・。
あっ・・・・・それは望美を探すまでの話しだ。オレはこいつには触れちゃいねぇぞ。」
ミストは勇気を睨みつけた。
「何でもっと早くそれを言わない?
彼女の事は良く分からないがお前の力が少しだけ分かった様な気がする。」
言われ首を傾げる勇気。
「兎に角、一度冬木さんの所へ戻るぞ。こんな所で寝られても邪魔なだけだ。」
頭を掻き面倒臭そうに望美の体を起こし上げそして勇気は彼女を背負って冬木のいる仕事場へと向かった。
望美は今だ目を覚まさずソファーに寝かされていた。
「つまり、勇気君は力を無効にする能力を持っているかも知れないって事かな?」
何処からか持って来たのかビールを片手に持ち話す冬木。
・・・・・・仕事中にビール飲むなよ・・・・・・
心の中で透かさず突っ込みを入れる勇気。
「まだ確証は無い。
だが、転生の解除、及び闇の者の力の無効化。その可能性があるって事だ。」
すると冬木は考えて・・・・・・。
「良いだろう。オレが一つ力を使ってみよう。
それを解除で来たら、その話しは確実性があるって事だ。」
言って彼は勇気の顔を見て二ヤっと笑った。
・・・・・・冬木の力・・・・・。
「ちょっと待った!危ない事じゃないだろうな?」
後ずさる勇気だが後ろにはミストが立っていた。
「つべこべ言わず協力しろ。」
ミストの睨みが効いたのか勇気は黙り込んだ。
冬木は近くにいた秘書のお姉さんに手をかざした。
すると今まで動いていたお姉さんは動きを止めた。
「グレンがやった事と同じ物だよ。ミストの考えが合っているのなら解除出来るはずだよね。」
・・・・・マジかよ。この人ホントに止まってるし・・・・・一般人を巻き込むなってぇの・・・・・・・
勇気は秘書の元に歩み寄りそして、そっと腕に触った。
「えっ?」
動き出した秘書のお姉さんは突然目の前に現れた勇気を見て驚きの声をもらした。
「どうやら本当の様だね。力の無効化ってのは。」
冬木は笑みを浮かべて勇気を見た。
「また下らない手品の練習ですか局長!
それにビールなんて飲まずに仕事してください。」
秘書のお姉さんは怒ってその場から出て行った。
・・・・・自業自得だな・・・・・
「・・・・・光と闇の力を無効化出来るってのは分かったが、勇気がどういった者なのかは今だ不明のまま・・・・。」
溜息をつく冬木。
「そう言えば、さっきオレの術を発動させた時、無効化出来なかったよな?」
・・・・・あぁ・・・・そう言えば、普通に光の中にいたし・・・・・
「ん?って事は・・・・」
冬木が言葉を言おうとした時、横で寝ていた望美が目を覚まし体を起こし上げた。
慌てて駆け寄る勇気達だが、彼女は虚ろな眼差しで天井を見上げた。
「昔、一人の闇の男がおってな。その闇の者は光の者との戦いでえらく傷ついておった。
しかしそれを見た、心優しい光の女は闇を助けお互い恋をした。そして一人の赤子が生まれ出たんだ。
二人は禁忌を犯した事に気付き、追って来る仲間の目を掻い潜り、赤子を人の形へと変えそして二人は自ら死を選んだ。」
突然の語りに困惑する三人。
「望美じゃないな・・・・お前・・・・。」
その言葉を聞いていないのか更に続けて・・・・・・。
「その赤子は成長し光と闇の者の力を時には操り時には打ち消し人々を守っていた。」
そして望美の話しは終わり彼女は勇気に笑みを浮かべた。
「これは、わたしが見て来て知っている全てだ。
どうだ。お前のその力と少し似てはいないか?」
・・・・・・確かに打ち消すってのは似てるけど・・・・・・
「あんたは誰だ?」
勇気はそう聞くが、彼女はミストの方を見て笑った。
「知らない方が良い。
ただ言える事はわたしは光でも闇でも無いと言う事だ。」
言って彼女は黙り込み。三人は望美の顔を覗き込んだ。
すると突然立ち上がり・・・・。
「良く寝たぁぁぁっ!!!」
ガっ!
勇気の顎に望美の拳がハマり込んだ。
「痛ってぇぇぇっ!
今のは絶対望美に違いねぇ!」
彼は目に涙さえ浮かべながら顎を押さえた。
「もう何とも無いのかぃ?」
冬木の言葉に笑みを浮かべる望美。
「あったり前よ!
いきなり目の前にミストみたいな金髪ブロンドの美しい女性が現れたかと思ったら変な夢の中よ。変な連中に追われて散々だったわ。」
「金髪ブロンドねぇ・・・・・オレ達は見なかったよな。」
するとミストは沈黙していた。
「おぃ?」
勇気に腕をつつかれ・・・・・。
「あぁ・・・・・誰もいなかったな。」
ようやく返事を返した。
キシっ!
突然きしむ音聞こえ全ての動く物が固まった。
「またかよ。これはグレンの奴だよな?」
勇気の言葉に頷く冬木。
「あいつともそろそろ決着を着けないといけないね。子供だから少し多めに見ていたけど。これ以上野放しにしているとどんな危険が起こるか分からない。」
冬木の言葉に頷くミスト。
「出来れば君は、ここに残ってて欲しいけど・・・・・・」
すると勇気はソファーに座り込み・・・・。
「別に巻き込まれたく無いし、オレは行きたくもねぇけどな・・・・。」
暫し彼は考えソファーから起き上がり。
「自分も十分巻き込まれてるんだ。その戦いってやつをこの目で見てやるよ。」
言って部屋の出口へと向かって行った。
「凄いじゃない勇気!やっとヘタレ脱出したんだ?
長年しごいて来たかいがあったってもんよね。わたしは嬉しいよ。
って事でわたしも着いて行くよ!」
勇気の後を追っかけ外へ出て行く望美。
二人の勢いの素速さに呆気に取られ沈黙する冬木達だった。
【第三話 終わり】




