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47話「リリアーナステーション①」

カンカンカンカン


階段を使ってドックへと降りていく。


広さは民間船が入れる程度で広くはない。


「さっさと行くのです」


ジャンヌが68名の兵士達を連れてくる。


「ほぅ」


全員が身長140cm位で顔立ちは童顔の兵士達だ。


気になる点は頭頂部に生えた獣耳と尾てい骨辺りから生えた尻尾だ。


「獣人種という訳か」

『僕達を獣人と呼ばないで頂けますか』


キッと俺を睨むのはアラムド連邦軍辺境駐屯基地所属、衛生班班長のグラム軍曹であった。


「これは失礼」


スッと頭を下げて謝罪の意を示す。


ポカンと見つめる兵士たち。


「『獣人』というのがアンタ達を差別する用語であれば謝るのは当然だろう?」

『捕まってしまった兵士に向かって謝る人は初めて見ました』

「それとこれとは違うだろう?別に俺は相手が誰であろうと知性があれば敵対はしないつもりなんだがね」

『しかし僕達を捕らえました』

「攻撃を仕掛けてきたのはソッチからだ。自己防衛だろう?」

『我が軍艦を取り戻す任務でした』

「後ろを振り向け」


全員が後ろを振り返り唖然とする。


「コレがお前たちの取り戻そうとしていた軍艦か?」

『そんな!?』

「勘違いして民間船を攻撃していたのかもしれないな?」

『僕達の乗ってきた衛生補給艦はどうしたのですか?』

「戦艦付近に置いてきた」

『どうやって帰れば』

「ここはステーションだろ?警察かなんかにコンタクトとって軍に救援して貰えよ。じゃ、解散」


パンパンッ


シュルッ


手を二度程叩いて彼らを拘束していた糸が解ける。


『僕達を開放するのですか!?』

「お前たちを養うほど俺達の財政状況は悪いんでな。人質は不要だ。何処へなりと行けばいい」


カツカツカツ


格納庫の出入り口へと向かい出て行く。


「中央受付は何処だ?」

「右手側ですね」

「そうか」


俺を先頭にペンドラゴン、アルテミス、ジャンヌが付いてくる。


暫く歩き巨大な中央受付へとやってきた。


さすが幾つものドッグを管理しているだけで窓口が沢山ある。


いくつかのブロック毎で受付の用途が変わっている。


「艦長、アソコですね」


ジャンヌが新規登録用の受付を見つけ出してくれる。


カツカツカツカツ


『ようこそ、リリアーナステーション新造民間船新規登録受付へ』


犬耳の生えた受付嬢が笑顔で出迎えてくれる。


「48番ドッグの船を民間船として登録したいんだが」

『48番ドッグですね。少々お待ちください』


カタカタカタカタ


『確かに新規登録用に着港したと情報が来ております。どのような用途に致しますか?』

「用途?」

『一般的に商用、戦闘用、星間旅行用等になります』

「戦闘用というのは?」

『傭兵団の一員となり宇宙海賊との戦闘やデブリ回収等をする船の事ですね』

「商用は?」

『商売ギルドの一員となって商品を大量に仕入れて他のステーションや惑星に運ぶ事です』

「星間旅行用とは?」

『人を惑星やステーションに運ぶ船ですね』

「ペンドラゴン、軽巡洋艦へは戻せるのか?」

「あのドックでは質量的に無理ですが宇宙空間にでれば元に戻せます」

「商品を運ぶ事は」

「もちろん可能です。あの状態でも500トン位でしたら無理ではありません。軽巡洋艦クラスならばソレの数百倍の質量を運び出せます」

「居住区は何人入る?」

「民間船のサイズですと20名ならば運べます。もう少しポイントがあれば部屋を増産できるかと」

「ふむ。全てを登録する事は可能なのか?」

『可能です。ですが全てに対応する船というのは稀で戦闘をこなせて商品や人を無傷で運ぶというのは至難の業と思います。お勧めは致しません』

「登録後の変更は出来るのか?」

『可能です。戦闘用から商用に変更等も可能です』

「最初は戦闘用から始めるか」

『戦闘用で登録いたします。その他の情報を用紙に書いて下さい』

「データとして載せるとハッキングで敵方にバレるんじゃないか?」

『書いてもらう物は船の名前、船のサイズ、船の特徴などです』

「ペンドラゴン、任せた」

「ハッと言いたいところですが、言語は分かりますが文字は分かりません」

『代筆は致します』

「私は登録の事で此処に残ります」

「俺達は傭兵団って所だな」


ペンドラゴンを置いて傭兵団の受付へとやって来た。


『ここは傭兵団の受付だぜ?』

「戦闘民間船の登録中なんだ。ここで受付をするんじゃないのか?」

『おうよ。新規傭兵団の団員になるなら歓迎だぜ』


獣人といっても小さい体格の連中ばかりじゃないようだ。

身長2m程の虎種の獣人だ。


『すこし待ってな。・・・こいつが登録中の船か・・・戦闘用というからには戦える武装くらいはあるんだろうな?』

「戦艦クラスにも引けは取らないぜ」

『ガハハハハ、たったの50mしかないのに戦艦と戦う前提か。ホラ吹きは身を滅ぼすぜ?』


ザッ


後ろのアルテミスが動こうとするがジャンヌが止める。


『後ろの何だっけな・・・アンドロイドって奴か?まぁ、俺達もそうだが宇宙での戦いにおいて肉体的強さは殆ど通用しねぇって事を覚えておいてくれ。技術力や戦略なんかで勝負が決まるんだ』

「肝に銘じておこう」

『でだ、傭兵団の一員になるには登録する必要がある。文字は書けるか?』

「書けない」

『代筆してやるよ。何処の出身だ?』

「出身?」

『ドッグにあるって事はステーションの外から来たんだろ?何処の星から来たんだ?近いとミドリヤ惑星か?』

「何処なんだろうな?」

「宇宙のマップはありますか?」


ジャンヌが俺の横にきて質問する。


『おぅ、あるぜ』


ウィン


目の前にリリアーナステーションを中心に立体映像が出現する。


「ここから速度74コイルの1年以内で生命体が生存できる惑星はありますか?」

『まってな』


カタカタカタカタ


幾つかの候補が赤い惑星として表示される。


「座標の一致を確認しました。此処が私たちの出身です」

『ここか?・・・・嘘は言わないでくれよ。此処は未開拓惑星だぜ』

「未開拓惑星?」

『宇宙空間にでてくる技術力もない惑星だ。もしその星出身なら今頃探索船なんかで接触している頃だろうよ』

「宇宙から落ちてきた船を直して出てきたのです」

『その可能性はゼロじゃないが未開拓星の技術力で宇宙空間にでるなんてタカが知れているぜ?』

「貴様、ガンジ様を馬鹿にするか!」

『おっと』


アルテミスが声を荒げて一歩進み出る。


『感情のあるアンドロイドなんて始めてみたぞ』

「すまんな。俺達の居た惑星は宇宙空間には出る技術力は無いが他の分野では飛びぬけているんだ。とりあえず否定するなら不明にでもしておいてくれ」

『そうさせて貰うぜ。船の名前と船長の名前を教えてくれ』

「方舟のアオイだ」

『方舟とアオイだな。ランクはFランクからになるぜ』

「ランク性なのか」

『それが船の指標になるからな。名指し依頼する際にランクが分からないと指名しづらくなるからな』

「ランクを上げるには?」

『貢献度による。民間に頼むの物の大半はデブリ回収、宇宙海賊の退治、商船や星間旅行船の護衛なんかをクリアしていく』

「どこも一緒の基準ですね」

「あぁ。ルールとかは?」

『ある程度のルールはここに書いてある』


一枚のプレートに傭兵団のルールが記載されているが冒険者ギルドのルールとそんなに変わりない。


宇宙版冒険者ギルドといった所だな。



「戦争時?」

『おうよ。ここは辺境だから戦争は滅多に起こらねぇが、ランクB以上の場合戦争要員として出動命令が下されるぜ』

「それは何処に対してのだ?」

『海賊、魔族、人族の3種類だな』

「俺も人族なんだが」

『アラムド連邦域の人族は俺たちの仲間とみなしている。スールン星系域のが敵となりやすい』

「スールンにも獣・・あー」

『セリアンって呼びな』

「セリアン族は居るんだろう?」

『居ることには居るがアソコで生まれたが最後奴隷のように虐げられたりするらしいぜ。可哀想になぁ』

「どういうことだ?」

『人族主義ってやつか?人こそが全宇宙のなかで秀でている種族だと掲げている連中だ』

「アラムド連邦軍とスールン星系軍の技術力に差でもあるのか?」

『若干向こうが上だっていうのが正しいな。こっちにだって人族達は居るし天才科学者なんて奴らもちゃんとセリアンの中から出てくるぜ』

「指針が違うってだけか。魔族ってのはどうだ?」

『魔族は人族以上にヤバイ。侵略艦が異常に多いし、白兵戦になったら勝目は無ぇって噂だ』

「よく襲ってこないな」

『椀の向こう側だからだな』

「椀?」

『銀河椀だ。アラムド連邦軍とスールン星系軍はアンドロメダ銀河、魔族達サンズ帝国軍はソンブレロ銀河と分かれている。銀河と銀河の境目には超え辛い壁が存在している』

「確か地球は天の川銀河じゃなかったか?」

『【地球】とは久しぶりに聞いた名前だな』

「久しぶり?」

『人族発祥の惑星と呼ばれているんだ。天の川というのは分からねぇがアラムド連邦領域内には無いな』

「銀河の外って事か?」

『さっきも言ったが銀河の境目を通るには生半可な船じゃ通る事も出来ない空間だ。実例がない訳じゃ無いが時間もかなり掛かる』

「そんなにか」

『地球にこだわる理由ってのはなんだ』

「そこは聞かないのが華だろ?」

『そいつは悪かったな。ま、人生色々あるわな。で、何かクエストをするかい?』

「正直何も分かっていないんだ。このステーションの他に何が何処にあるのかさえな」

『お前たちの船に銀河ネットワーク機器は付けていないのか?』

「高性能アンテナとかは付いてるぜ」

『銀河ネットワークと繋げる機械のことだ』

「そんなものが有るのか?」

『一般的に公開されている情報はいつでも見れるようになる。月額制で一ヶ月50,000コルンだぜ』

「コルンってのが貨幣の単位なのか?」

『本当に田舎から出てきたばかりなんだな。常識的な事も調べて見たほうがいいな』

「あぁ。どこで売っている?」

『その前にコルンも知らないなら持っていないって事だろ?』

「確かに」

『何か換金出来そうなものは持っているか?』

「換金共通ならコレか?」


ゴトッ


拳大の金塊をカウンターに置く。


『ほほぅ。金か・・・少し待ってくれ』


ウィンウィン


受付のオッサンが金塊を機械で何かしている。


『不純物27%って所だな。コルンで言うなら2,500だな』

「この重さでその程度か」

『宇宙は広いからな。金は換金できる鉱物だが大量に溢れている代物だ。不純物が多ければ値段も低くなる』

「惑星の中なら結構な値段になったんだがな」

『惑星の重力も関係してくる。同じ金でも濃度が違ってくれば高くなる寸法だ。同じく宝石系もその理由だ。種族によっては無価値な場合もあるから鉱物全般的に安く見られる』

「コレならどうだ?」

『ほほぅ。ミスリルなんて珍しいな』

「コレも濃度が関係するのか?」

『鉱物系は全部基準があるからな。濃度80%以上か80,000コルンになるぜ』

「使い道なんかあるのか?」

『レア鉱石は電子部品に必要不可欠な物だ。オリハルコン、アダマンタイト、ヒヒイロカネの3つは結構なレア素材だ』


俺達の船はレア素材の塊なんだって事が分かったな。


「とりあえず、契約できるだけの金は集まったわけか」

『おうよ。金は団員カードに入れておくぜ」

「キャッシュカードにもなるのか?」

『あたぼーよ。大金を現金で持ち歩けねぇだろ』

「なら、これ等も換金できないか?」


ドンッ


インベントリに入っていた金貨・銀貨の麻袋だ。


『お、おう。見たことねぇ、硬貨だな』

「今となっちゃ不要なもんだ」

『金や銀としての価値は・・・全部で8万7,000コルンって所だな』

「全財産が16万9,500コルンか」

『銀河ネットワークについてだが受付近くにも同じ事が出来る端末は設置されているが航行中に見れないのは辛いだろう』

「確かに・・・何処に行けばいいんだ?」

『此処を出てまっすぐに行くと馬鹿でけぇ建物がある。ビッグタートル電化製品って店だ。そこの店員に聞いてみな』

「助かった」

『また、何かあれば来い』

「艦長、私は固定端末である程度調べておきます」

「任せた」


ジャンヌが固定端末の方へ向かっていった。


俺とアルテミスで宇宙港を出て行く。


「ここが宇宙空間の中か」

「高い建物が多いですね」

「技術力は俺達の居た世界よりもかなり高い筈だ。ガンジの技術力以上の物もあるだろう」

「それは空を見れば分かります」


空を行きかうのは数人乗り用の浮かぶ車だ。


決して無重力ではない筈なのに当然のように浮かべている以上侮れない技術を保有している様だ。


「アレが目的地のようですね」


宇宙港から伸びる中央の大通り、50m級のビル群が立ち並ぶ中一際大きい建物が目立っていた。


「行きましょうか」

「あぁ」


俺達は目的地に向かって歩く。


『らっしゃい、らっしゃい』

『採れたてのゴンリだよぉ』

『新鮮な野菜はどうだい!』


大通りの左右には露天商が立ち並び活気に満ち溢れている。


日用雑貨、古着、飲食物と様々なものがズラッと並んでいる。


「艦長・・・」

「あぁ、わかっている」


宇宙港から後を尾けている影が数名居る。


「今なら先制攻撃が可能ですが」

「害意を感じただけで攻撃はマズイだろう。動いたら反撃すればいい」

「分かりました」


目的地にたどり着く前に一悶着ありそうだ。


スッ


ビル群の路地に入り人気の無い場所へと向かう。


数人の気配が付かず離れず付いてくる。


幾つかのブロックを歩きまわり敢えて先回りできるようにお膳立てもする。


ザッ


『ヒッヒッヒッ』

『ここは通行止めだ』

『通りたければ金目のものを置いていきな』


アーマーを着込んだ獣人3人が前を塞いできた。


ザザッ


同じような格好をした連中が5人後ろを塞ぐ。


『知っているんだぜ、ミスリルなんて物を持っている事をよ』

『それを売ってできた金も持っていることをよ』

『まだ、持っているんだろう?お兄さん達に貸してくれねぇかなぁ』


いつの時代にもチンピラという種はいるようだ。


「断る。俺達が屈するとでも?」


バゥンッ


キィン


1人の男がレーザー銃を発砲するが後ろに控えていたアルテミスが左腕でガードする。


『レーザー銃だぞ!?』


発砲してきた男の方が驚愕している。


「光耐性付与の私に光の塊で傷つけられるとでも?」


レーザーは言わば光を凝縮して撃っているに過ぎない。


「まずは、武装解除」


バシィン


8本の銀線が男たちを襲い武器という武器を弾き飛ばす。


「糸拘束術三式」


ギュルルゥ



『『『ムゴォオオ』』』


一瞬にして簀巻きにする。


「で、俺達をどうするって?」

『ムゴゴゴッ』

「ふむ。傭兵団ギルド員か・・・団員同士での喧嘩にしては度を越しているな。規則違反でお前たちはどうなるか分かっていた上での犯行だろう?」

「艦長、全員団員のようです」


アルテミスが男たちの衣服から団員カードを取り出して俺に渡してくる。


「次は無いと知れ」


ザグゥッ


拘束を解くと同時に男達から足か腕の一本を切り離す。


当然、悶え苦しむが知ったことではない。


生きているだけ有り難く思えばいい。


路地を出て大通りへと戻り目的地に向かう。


『いらっしゃいませ~今日は何をご入り用ですか?』

「銀河ネットワーク機器というのを探している」

『新規様ですね。機器自体は契約後貸出という形を取っています。こちらへどうぞ、担当の者が対応致します』


店員に連れられてカウンターへと座らされる。


『いらっしゃいませ。新規契約希望と伺っています』

「銀河ネットワーク機器というのは契約貸出製なのか」

『はい。アラムド連邦領域内にネットワーク網を敷き何処にいても繋げられるのが売りです』

「アラムド連邦領域内ないなら何処でもか?」

『電波の届かない場所に隔離された場合はその定かではございませんのでご了承してください』

「月額制とか?」

『一ヶ月50,000コルンで契約しています』

「支払い方法は?」

『様々ですが、カードの引き落としですね。お客様は何処かに所属されていますか?』

「傭兵団だな」

『では、傭兵団のカードからの引き落としになります。証明書にもなるので手間も省けますよ』

「契約内容は?」

『こちらです』


契約書をアルテミスに渡してチェックしてもらう。


「こちらが不利になるような内容では有りません。契約違反にならなければという意味ですが」

「注意事項とかあるか?」

『ただいま其方の方が言われたとおり契約違反さえしなければ問題は発生しません』

「例えば残高が足りない場合とかは如何すれば良い?」

『契約書に書かれている場所へ通信してご一報をください。支払い期間を延ばす処置を致します』

「それでも払えなかった場合は?」

『契約違反となり即時停止信号が送られて接続不可となります』

「データ通信限界というのもあるんじゃないか?」

『限界は設定されていませんので使いたい放題です』

「違法サイトとかも中にはあるんだろう?」

『申し訳ありません。機密事項に関わる事なのでお答えできません』


有るって答えているもんだろう。


「ウィルス感染のルートとかになりえないか?」

「チャリオットが通さないと思いますが」

「一応な」

『申し訳ありません。機密事項に関わる事なのでお答えできません』


そういったルートにもなるのか。膨大な情報を手に入れる為には多少のリスクを背負い込まないとダメだろうな。


「通信速度はどうなんだ?」

『お客様の通信機器次第となります』

「高性能アンテナC型なんだが」

『何処で手に入れたか聞かないことにしますがタイムラグ無しで送受信できます』

「一般的なアンテナって最高でもなんなんだ?」

『高性能アンテナF型です。当店でも扱っていますがC型となると軍用レベルです』


元軍艦の部品だったからな。


「判子は必要になるのか?」

『原始的な契約は破棄されてます。血を一滴貰い受けてそれを契約判とします』

「偽造防止って奴か」

『はい』

「知的生命体ではない場合はどうするんだ?」

『申し訳ありません。機密事項に関わる事なのでお答えできません』

「まぁ、いいか。契約しよう」

『団員カードと血を頂きます』


ピッ


血のついた針と団員カードを店員に渡し、端末内にデータとして入力されていく。


「ここの顧客情報は漏洩しないだろうな?」

『ありえません。銀河ネットワークの情報を盗もうとする人は大罪人になりますし軍が追っかけてきますよ』

「なら安心した」

『こちらが機器になりますので船のコンピューターに接続して頂ければ自動的に接続可能になります。電源供給は接続端子かコンセントにて行ってください』

「帰るか」

「はっ」


俺とアルテミスは電器店を出て行く。


「久しぶりに肉が食べたいな」


屋台から漂って来る香りに視線が向けられる。


「時間もありますし食事になさいますか?」

「そうだな」


屋台で肉の串焼きを購入しカブリつく。


「久しぶりの肉の味だ・・・何の肉なんだ?」

『お客さん、ここの出身じゃないね?それはオークって動物の肉さ』

「オーク?豚頭の?」

『いんや猪頭のオークさ。栄養満点の肉さ』


生態系が違う別の生き物か?


『精肉店に行ってみるといいぞ』

「分かった」



幾つか買い食いをしつつ宇宙港へと戻る。


「艦長」

「お待ちしていました」


宇宙港の玄関前にペンドラゴンとジャンヌが待機していた。


「方舟の登録完了いたしました」

「ある程度の調べ物は完了しております。そちらが例の物ですか?」

「あぁ、銀河ネットワークと繋げる機器だ」

「では、私が持っていきます」

「頼んだ」


ジャンヌが機器を持ってドックへと向かった。


「艦長、今後の目標は如何いたしますか?」

「まず、金が無いから近場で良さそうな報酬のクエストをクリアする。と、同時に地球は別の銀河にあるらしく銀河と銀河の間を通り抜けるのは至難の技と聞く。その手段を探そう」

「近場のクエストですとデブリ回収が3件、宇宙海賊迎撃が2件程あります」

「デブリ回収と宇宙海賊の迎撃を1件ずつクリアするか・・・」

「はっ」

「補給について何もしていないが」

「水と食料の補給は完了しております」

「詳しく聞かなかったが補給された食べ物とかの状態ってどうなっているんだ?」

「亜空間停滞収納という機能で中に入った物の状態を停滞させます。あくまでも経過時間を遅くさせるのでずっと入れっぱなしとはいきません」

「数ヶ月は保つのか?」

「最低でも数ヶ月は保ちます」

「食糧難になった場合はどうだ?」

「ダンジョンコアの機能に農場スペースを確保できる機能がありますので作っておきましょうか?」

「ポイントは足りるのか?」

「・・・足りませんでした」

「ポイントの補給は出来ないのか?」

「捕虜だった兵士達から数ポイントは絞り取りましたが全然ですね」

「50m程度じゃ広さも足りないだろう?」

「更に高ポイントを消費すれば空間拡張の機能が開放できます」

「すぐには出来そうにないな・・・」

「生物につき1時間で5ポイントしか増えないので遠い道のりです」

「あの船の定員は何名なんだ?」

「艦長を含めて残り19名ですね。1部屋2人で使用するならば40名がゆったり出来るかと」

「独房区画は何名だ?」

「詰め込んで100名程度」

「海賊狩りの際、中の生命体は捕まえるか」

「その方が効率はあがります」

「じゃ、その方針で」


話が決まり俺達は再び傭兵団ギルドのカウンターを訪れる。


『よぉ、目的のものは見つかったのか?』

「助かった」

『構いやしねぇよ。で、何か受けるのかい?』

「近場のデブリ回収と海賊討伐を1件ずつ受けたい」

『デブリ回収ならここから5千万キロ離れた場所だな・・・その近くに海賊討伐もあったが別の連中が受けちまった。反対側に1億キロ離れた場所に違う海賊討伐があるが受けるか?』

「海賊の生死はどうなってるんだ?」

『基本生死は問わない事になっている。宇宙空間での戦闘で生き残れる方が少ないからな。できれば捕まえて少しでも奪われた物を回収して欲しいぜ』

「戦闘民間船を商用民間船に偽装してもいいか?」

『規則上はダメだな。偽装自体が軍に目をつけられる』

「許可制なのか?」

『軍の許可が下りた船は偽装が出来る。が、あまり褒められた方法じゃないと傭兵団として忠告しておくぜ』

「海賊相手に正々堂々と戦えってことか?」

『戦闘用が商用に化けるなんざ卑怯者のする事だな。それでもやるか?』

「その逆は?」

『ありえん』

「戦闘用だが如何にも金になりそうな武装を偽装する事は大丈夫か?」

『ほほぅ。規則の穴をついてくるか・・・正直そこまでする必要があるかって話だが問題ないぜ』

「見た目的に金の装甲板とか食いついて来るか?」

『100%釣られるだろうな。つか、悪趣味な船だな』

「アルテミス、船を金で覆うように加工してこい」

「畏まりました」

『本気でやるのかよ』

「こっちは金が欲しいからな。絶対に釣りたいんだ」

『わかった。受注するからカードだせ』

「あぁ」


カウンターに2枚の団員カードを置く。


『誰の団員カードだよ』

「俺を襲ってきた団員カードだったな。あと数枚ある」


アルテミスから預かっていた団員カードをカウンターに置く。


『Fランク団員のカードか・・・返り討ちにしたってことか?』

「四肢の一本を切り飛ばして放置してきた」

『預かっておくが証拠の一つでも提示して貰いたいものだぞ。お前が襲って嘘の証言だった場合、今度はお前を捕まえないといけないからな』

「記録映像なら後でデータで送ろうか」

『ここに送っておいてくれ』


メールアドレスらしき記号の入った文字の羅列が並んでいる紙が置かれる。


「これ、打てるか?」

「私達の船では認識しないかと・・・」

「こういう時に不便だな」

「ですね」

『本当にアンドロイドか疑う会話の内容だな。安心しろ、銀河ネットワーク機器が全部解決してくれる。ついでにメールアドレスも付与されているから貰った説明書でも読んで送ってくれ』

「それなら安心した」

『質問とかは他に無いか?』

「とりあえずは大丈夫だ。後は何とかする」

『次はいい報告を待ってるぜ』

「あぁ。最後の質問だ」

『なんだ?』

「オッサンの名前は何なんだ?」

『オッサンって・・・俺はまで22だ』

「その顔でか」

『お前こそオッサンだろうが』

「年上には違いないな。今年で33だ」

『10歳も年上かよ』

「敬え」

『敬うか!さっさと行け新人』

「あぁ」


受付をあとにして48番ドッグへ行き港を離れて行く。


「あの短時間で黄金で覆える程溜め込んでいたんだな」

「売る事もしなかった様です」


戦闘民間船は既に黄金で覆われていていかにも成金仕様と見られる船となった。

黄金はガンジの遺産から出してもらったわけだ。


「宇宙ネットワークへの接続はどうだ?」

「ウィルスの検知は幾つかあるが問題ない範囲だ」

「目的地は此処から1億キロ離れた領域だ」

「傭兵団ギルドとの連絡体制は既に整えてある。目的地の座標も登録済みだ」

「ここから1億キロ離れた場所、ランドリー惑星と繋がる星間道で海賊の出現報告が上がり始めて今月で4件も発生している模様。利率の低い物資が多く狙われてリリアーナステーションに届かなかったりして被害がでています」

「どの位で着く?」

「およそ、8分です」

「ずいぶん早いな」

「マッハ73万ですからね」

「行くか」

「「「「「ハッ!」」」」」

お疲れ様でした。

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