2-3. 五郎臣会議
———アルファ達が本部へ戻る最中のこと。
アスファルト帝都の中心にある皇帝の城。
その中枢の円卓で帝国の執政を司る五郎臣らが議論を行っていた。
「物量で押せないのか」
「時間がかかる。革命軍は侮れん相手だ」
「確かに。先の奇襲戦は敵ながら実に見事であった」
「しかし、我が軍の指揮官の見通しが甘かったようにも見える」
「あれは定石に従った故。詰めるべきは帝国軍略の甘さよ」
「研究院は何をしているのだ」
「それよりも八公だ。一騎当千の奴らがいながら未だに遅れをとっているのはやはり」
「手を抜いていると?」
「かもしれん」
「もしくは侮れんとした柳が想定を遥かに上回るのかもしれんな」
「そのどちらも原因ではないか」
「なんにせよ、犬どもめ。まだ躾が足りんようだな」
「騎士長ライ・ク・アーか。彼女はどうしている」
「アイラを捕えてからは静かなものだ。誰かに当たり散らすわけでもなく城に籠もっているらしい」
「宮司とは旧知の仲だったと聞く。ふっ、哀れなことよ」
「よく言う。あなたの発案ではありませんでしたかな」
「そうであったかな」
「さて躾となると、他の騎士長を見せしめにするか」
「八公のトーア・ル・オーとズィー・ル・オーは仲のいい兄弟であったな。欠けては悲しむだろう」
「待たれよ。それは当てつけにしかなるまい」
「同感だ。士気を下げ戦力の減衰を招くのみ。革命軍との決戦は近いのだ。無闇に動くべきではない」
「ふむ」
「そういえば仕込んだ者から妙な報告を受けたのだが、聞いたか?」
「さてな。何があったのだ」
「アイラが生きているというのだ」
「はっはっはっ、用意した影であろう。あれが生きているはずはない」
「それを疑ってはおらんが、取って代わる者がいるのやもしれん」
「宮司の後継か?」
「わからん。しかし革命軍の本隊にこの地の者とは似つかん少年がいるそうだ」
「少年? 何者か調べはついていないのか」
「ああ。少年から直接情報を引き出そうとしているようだが、まだ報告は来ていない」
「なるほど。だが、必要ならその首を落とすまで」
「そうだな」
「不穏分子は即刻排除だ」
「ふっ、ふははっ。我らの、そう、我らの帝国のためにな」
暗がりの中、野心と思惑が交差する———




