表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ライト戦記】宇宙の彼方から革命を越えて_連載版  作者: Tongariboy
1. 科学と魔法と革命と

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/17

 1-4. 意識が途絶えるその先で

 死ぬかと思ったけど、とりあえず監視付きで解放された。

その新たなお役目にご不満なアーシス君。

旧知の仲だもんね、と言ったら地団駄踏んでいた。

ざまーみろ。


 しかし気が重い。

チュニーに睨まれた後のこと。


 なんとこの大陸を東西に横断することになったのだ。

目的地は革命軍本部、その所在はずっと離れた西側。


 砦跡へのイタズラ部隊を残して明日から移動らしいのだが、ボクも付いて行かないといけないのだ。

なぜなら、この腕にはアイラ様が巻き付いているのだから。


 行きたくないけど、外すとボクが困るから外せない。

ああ、長距離移動。


 しんどいよぉ……



 仲良しアーシスの案内で、今夜の宿となるテントに向かう途中のこと。

誰かが近づいてきた。

アーシスが声をかけてるから例の課の人なのかな?


「課長! ご無事で」

「ああ。今回は思わぬ収穫があったよ」

「収穫ですか」


 ボクをジロジロ見ている。

遠慮のない奴らだ。

ていうか。


「アーシス課長」

「あん? なんだアルファ」

「いや、なんでもない」



 やっとおしゃべりが終わってどこかへ行った。

今日のところは、もう長話は遠慮したいとこだけど。


「おらここだ」

「客人と王女様の扱いにしては雑じゃないかな」

「黙れ。さっさと寝ろ」

「お腹すいたー」

「ちっ、わがまま小僧め。待ってろ」

「わーい」


 優しい課長さんは食料を探しにどこかへ行き、ボクはテントに入って足を伸ばした。



 さて、と。



「アイラ」

「はい」

「帰る方法を教えて」

「はい。本船との中継機としてポッドを利用、現在地の座標を特定し、本船へ転送する方法を提案します」

「いいね、じゃあさっさと帰ろう」


 長いは無用っと。


「残念ですが出来ません」

「なんで? まだ本船と接続できてないの?」

「はい。ポッドの機能に損傷がみられます。それが原因かと思われます」

「損傷……? ああ、なんか焼け焦げてたっけ。ねえ、あの宇宙船に何があったの?」

「わかりません」

「どうして」

「人格は融合しましたが、私はまだ船の全容を掴んではいないのです」

「ふーん」


 本当かな。


「ならポッドの状態は?」

「自己修復を試みています」

「最低限の修復に必要な時間は」

「数年といったところでしょう」

「そんなに⁉」


 うそでしょ……


「他に方法はないの?」

「ポッドを使う以外に本船と連携することは現状不可能です。この端末との通信状況が別要因によって改善すれば可能ですが」

「わかった。じゃあ今使える機能は?」

「端末による翻訳、会話、生体保護、短距離通信、演算処理」

「護身に使える直接的なモノはないの?」

「エネルギーが足りません」

「はぁ、なんてこったい。エネルギーはどうしたらいい?」

「本船もしくはポッドから得る必要があります」

「お手上げじゃないか」



 つまりボクはこの身一つで数年この星に滞在しないといけないってことか。

しかも革命軍なんて物騒なテロ集団と一緒に。


 まったく、なんでこうなったんだ。

アイラは何か隠している気がしてならない。

周りは皆、信用できない。


 船に帰りたい……



「アルファ。この端末に十分なエネルギーがあればポッドを経由しなくとも転送出来る見込みです」

「そ。でもエネルギーないんでしょ」

「はい。ですがその問題を解消する案があります。アルファ好みです」

「はぁ、なーに? 聞かせてよ」

「魔法です」

「まほー、ねぇ」

「しかし2つ問題があります」

「いいよ、教えて」

「わかりました」


 魔法でどうにか出来るなら船までテレポートとかしてほしいよ。


「1つは、端末に充填するエネルギーは光魔法の応用で代替可能と考えています。ですがこの星の人間には我々が使う高度な文明の知識がありません」

「つまり、エネルギーの構成が理解できないから、調整が困難ってこと?」

「はい。仮に可能であっても都合よくその人物と出会えるとは限りません。これが2つ目。出会えれば奇跡でしょう」


 我々が使う文明、ね。

アイラは自分がどこに属する存在だと思っているのだろうか。


「解消できないじゃないか。期待させないでよ」

「はい。ですのでアルファ。あなたが魔法を使うのです」

「えっ? ボクに魔法が使えるの?」

「そこが問題なのです。ですがもし可能なら、装着者がエネルギーを充填する理想的な状態となります」

「へー! いいね! やるよ、教えて!」

「わかりました」


 いいじゃないか。

悪くない。

ちょっとくらい楽しいこともなきゃね。

ん? 誰か来たな。

いいところで邪魔をする。


「アイラ」

「はい。アーシスです」

「ご飯か。なら仕方がない。よし、魔法は明日にしよう」

「それが懸命かと」




 バサッ、とテントを開いてアーシス登場。

無遠慮な奴だ。


「おい、さっきから何騒いでんだ?」

「ボクにも魔法が使えるかもって話さ」

「お前に?」

「そ。ああ、アーシス課長は魔法が使えないんだって? あはは。残念な奴」

「ア、アイラさまっ!」

「すみませんアーシス。アルファがこうくるとは予想外で……」

「くっ……お、お前だって使えねーだろ! それに俺は俺自身の力で乗り越えることを信条にしてんの!」

「あっそ」

「ふん、あーあー、折角頼んでちょっと良いもの用意してもらったんだが、まぁ、少年は魔法のことで頭もお腹もいっぱいみたいだし? なら俺が食うか」

「ちょっ! 子供じみた真似はよくないぞ」

「アルファが言えたことでは」

「ボクは子供だからいーの」

「だったら少しは子供らしくしてろ!」

「アーシスは大人らしくした方がいいと思うよ」

「こぉんのガキ! ほんとに俺が食っちまうぞ!」

「あー! そりゃないよー! ごめんごめん、ちょっと1日の緊張をほぐそうと思っただけだよ、えへへー」

「アーシス。寝るまで私が説教を続けます。それに免じてどうかいただけないでしょうか」

「寝るまで……わかりました。ほら、お前にやるよ。よく噛んで食えよ。じゃあな、夜は長いぞ。がんばれ」


「……寝るまでって、ほんと?」

「はい。いいですかアルファ———」



 ボクの意識が途絶えるまで、本当にアイラの声も途絶えることはなかった……





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ