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【ライト戦記】宇宙の彼方から革命を越えて_連載版  作者: Tongariboy
2. 革命軍本部

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 2-5. 英雄と魔王と皇帝陛下

———掃討作戦の指揮を取ることになった騎士長ルー・ア・シー。

彼は作戦の調整のために皇居たる王城へ来ていた。

そこで思いがけず、同僚の兄弟騎士と久方ぶりの再会を果たす。

先に声をかけてきたのは、騎士長トーア・ル・オーであった。



「ルーじゃないか」

「トーアとズィーか。ここで会うとは奇遇だな。用事か?」

「世にもくだらん雑事ってやつだ。な、ズィー」

「ああ。2人で爺さん達に嫌味を言われに来ただけさ」

五郎臣(ごろうじん)か。大丈夫だったのか? トーア、お前は元々目をつけられていただろう」

「はっ、お陰様で相変わらず好き放題だよ。このトーア・ル・オーもズィー・ル・オーも共に八公の騎士長様なんだがな。ライの次は俺達兄弟なのかもしれん。何をさせられるのやら」

「ははは。老人の相手は大変だな」

「笑うなよ、こちとら笑えねーんだから。それにあんただって同じだろ?」

「同じ? トーア、どういうことだ」

「掃討作戦の総指揮を任されたんだってな。さすが真なる騎士(ナイト・オブ・ナイト)

「そういう、はぁ……たしかに笑えないな」

「だろ? ったくよ、面倒なことばかり言ってきやがるぜ、まったくよ」

「まったくだ。付き合う俺達の身にもなってほしいものだよ。俺はトーアの面倒だけでも手一杯だってのに」

「兄に向かって随分な言い様だな、ズィー」

「これはこれは、申し訳ございませんな、長兄殿」

「ふん」

「ははは、お前たちは本当に仲が良いな」


「2人はまるで風のようだ。国にとらわれない」

「あん? その言いぶり、奔放な俺達が気に入らないか?」

「ルー、もしそうならはっきり言ってくれても構わないんだぞ?」

「おいおい、2人共そう構えるなよ。気が楽でいいと言っているんだ」

「そうか。ま、お前らが何を企んでるか知らんがな、俺達にとっては生き残ることが最重要だ。陰謀やら面倒な作戦に関わるつもりはない」

「そもそも興味もない」

「お前達らしい言い分だ。俺もそうあれたら、な」

「次の作戦で最後だろ。その後好きに生きたらいいんじゃないか?」

「そうそう。おっと、日が翳ってきている。長居すると帰る頃には日が暮れてしまうからな。トーア、そろそろ行こう」

「だな。憂さ晴らしに話し込んじまったぜ。じゃあなルー。武運を祈ってるよ」

「ああ、お前たちも。またな」



 立ち去る2人の背中から目を離し、夕焼けに染まる窓の外を見やる。

真なる騎士(ナイト・オブ・ナイト)、確かに笑えんな……これが最後の戦いか。いいや、違うな。これが始まりとなるのだ。そうだろう、皇帝よ」


 重責の一端を担った騎士は、暗く長い廊下を1人進む。





 五郎臣(ごろうじん)らがいた円卓より上、この城の最上階。

そこには皇帝の玉座がある。


 玉座の間に行くには、いささか実用的ではない長さの階段を登らなければならない。

頂上への道はいかなる時も、王の盾たる光の騎士が守護している。

しかし不在の今は暗い影に包まれていた。


 その影の中を進む者がいる。

誰もいない最上階へ、特に急ぐでもなく老人が1人上がっていた。

頂点へ辿り着く。

老人の前には帝国の歴史を刻んだ風格ある扉が佇んでいる。

すると重い扉がひとりでに開きだす。

老人は自身の魔法によって開けた扉をくぐり中へ入ると、玉座に座る男を一瞥し、その脇に寄った。


「コーンよ、いよいよ仕上げの時が近いな」

「ああ」

「この計画が上手くいけば、ワシらは勝利への第一歩を踏み出すことになるな」

「上手くいけばな。もし失敗したならば……ふん。愚にもつかんとはこのことか」

「ルーはお前の計画の最たる犠牲者となる。虚構の英雄だけでなく帝国の総指揮まで任されるとはなぁ」

「仕方があるまい。アイラは去った。次代を繋ぐ鎖はもう失われたのだ。まぁ恨むならあの老人共をしっかり恨んで、戦後に八つ当たりでもすればよかろう」

「アイラか。彼女は実に残念であった」

「今更だ。いつ何時なんどきも手元にあるものでどうにかするしかあるまい。それにルーだけではないぞ。騎士長ブルー・ウ・イー。貴様も含め皆そうなのだ。どちらに転んでも皆が重責を背負い進まねばならん。この国の真の未来のためにな」

五郎臣(ごろうじん)はどこまで見抜いているのか」

「さてな。あのじじい共は自らの損益にかけては驚くほど聡い。つくづく無駄な才能だ」

「お前も皇帝なのだからもう少しあれらの如き狡猾さがあれば良かったのだがなぁ、ざんねんだのぉー」

「年寄りってのは頭が硬い割に知恵が回るものだ。厄介なことこの上ない」

「お前も十分に老いているだろうて」

「貴様と違って予はまだ半世紀程しか生きておらんよ」

「なんと小童(こわっぱ)であったか。なればあしらわれるのも道理であるな。はっはっはっ」

「ちっ、これだからじじいってのは」


 外は黄昏時。

新たな日が昇った世界は果たして本当に明るい世界となるのか。

この世界は誰の願いを叶えるためにあるのだろうか。

国を憂いその未来を想う皇帝は、日々頭を悩ませ続けていた。


「帝国の終わりが革命となるか、革命の終わりが革命となるか。さて、どうなるのであろうな」

「じじいしかおらん場で意味深なことを言っても様にならんぞ」

「貴様は黙っていろ!」



 大陸の覇王は老人に絡まれる日々に頭を悩ませ続けていたのであった———




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