4話 狩人たちの必死の抵抗!
「あれは……何だ……!?」
恐怖の声をエリザベートが上げる。白金の髪が揺れ、蒼い瞳が恐怖に揺れた。
だが、それだけではない。普通の魔物の群れの規模が、いつものとは比較にならないほど多い。
何百体、何千体という夜狼たちが、塔に向かい突進してくる。
それはまさに魔物の波が押し寄せてくるようなもので、今夜確実にイグナーツたちを殺すという確固たる意思が垣間見えるほど。
特殊個体と普通の魔物が混ざる混成の大群が、まるで軍隊のように列を成して、威風堂々と攻めに来る。
「……嘘……ですよねぇ……?」
震える声でカタリナが呟いた。淡い薔薇金の髪が揺れ、大きなライラック色の瞳が恐怖に揺れる。
まるで今の状況は、魔物軍と狩人たちによる、全面戦争のようなものだ。
「これは紛れもなく戦争だ……。アイツらは今日、俺たちを確実に殺す気だ……」
イグナーツの声は冷徹であり、切れ長の黒目がちな瞳が鋭く光る。特殊個体の巨体で醜悪な魔力を宿すその魔物は、生きている者を真っ先に殺そうとしているかのような、殺意の込められた動きを披露した。
「グオオオオオオオオオオオオオオッ!」
巨大な魔物は四本の腕を振り上げ咆哮を上げる。その咆哮が塔全体を震わせた。
「全員、撃て! 撃ち続けろ! 一体でも多く倒せ!」
短銃を構え、イグナーツは叫んだ。
「「「了解!」」」
全員が力強く答える。イグナーツは短銃を連射した。銃声が連続して響き、弾丸が魔物たちを貫く。
ヴェルナーも短銃を連射した。銃声が連続して響き、弾丸が魔物たちを貫く。
「白銀の光よ、世界を隔てる絶望の檻を穿て。理不尽な因果ごと、その扉を塵へと還せ。――聖光の神槍」
聖銀の槍を構え、エリザベートは詠唱を始めた。魔法陣が展開され、閃光が放たれる。
閃光は魔物たちを貫き、浄化しながら倒していく。
「夜の帳を切り裂く轟雷よ、我が前に立ち塞がる不条理をすべて無へ帰せ。――雷鳴惨禍」
魔術刻印杖を高く掲げ、カタリナは詠唱を始めた。魔法陣が展開され、雷撃が放たれる。
雷撃は魔物たちを貫き、炭化させながら倒していく。
だが、魔物たちの数は尋常ではない。倒しても倒しても、次々と新しい魔物が現れる。
そして、巨大な魔物が塔に近づく。
「来るッ……!」
イグナーツが叫んだ。巨大な魔物が、四本の腕で塔の外壁を掴み、登り始めた。
塔が激しく揺れ、石壁が砕ける音が響く。
「くそ……! あの巨大な魔物を止めろ!」
叫びながら彼は、短銃を巨大な魔物に向けて発砲した。だが、弾丸は巨大な魔物の皮膚を貫けない。
エリザベートは聖銀の槍を巨大な魔物に向けて投げた。槍が巨大な魔物の胸に突き刺さる。
だが、巨大な魔物は怯むことなく、塔を登り続けた。
カタリナは魔術刻印杖を振るい、雷撃を巨大な魔物に放つ。雷撃が巨大な魔物を貫く。
だが、巨大な魔物は怯むことなく、塔を登り続けた。
「……効かないですぅ……!」
悲痛な声でカタリナが叫ぶ。最悪の事態が訪れていた。
そして彼女は、巨体の魔物を見て、恐怖で膝をついた。
「……無理……ですぅ……。あんなの……勝てるわけ……ないですぅ……」
カタリナの声は恐怖に満ちており、淡い薔薇金の髪が揺れ、大きなライラック色の瞳が恐怖に揺れる。
仲間たちは突如として出現した特殊個体や、かつてないほどの大量の魔物たちを見て、狼狽えてしまう。
「隊長……これは……無理だ……」
瞳を揺らしながら震える声でヴェルナーが呟いた。
「こんなの……勝てない……」
後ずさりしながら震える声でエリザベートが呟く。だがイグナーツはカタリナの肩に手を置いた。
「全員、聞け! 俺たちはここまで戦い抜いた! ガロット、セシリア、ユリウス、リュネット、ヴィオラ、ルーカス! 六人の仲間が死んだ! だが、俺たちは生きている!今夜がこの戦いの最後だ! 明日の朝には救援隊が来る! ここで死ねば全てが無駄に終わる! 死んでいった仲間たちの為にも、俺たちは必ず生き残って本国に帰るぞ! 必ず生き帰るぞ! この塔を守り抜け! 最後まで戦い抜け! 俺たちは絶対に生き延びる……!」
覇気のある声を出して、彼は演説を行う。イグナーツの声が塔全体に響き渡った。
切れ長の黒目がちな瞳が決意に燃え、濃藍の羽織が風に揺れる。
「「「う”お”お”お”お”っ”!」」」
彼の演説に答えるようにして、全員が雄叫びを上げて塔を震わせた。
「……隊長の言う通りですぅ……! わたしたち、絶対に生き残りますぅ……!」
カタリナは立ち上がり、魔術刻印杖を握りしめる。
「ああ……! 絶対に生き延びてやる……!」
そう言いながら、ヴェルナーは短銃を構えた。
「ええ、絶対に……!」
下唇を噛み締めながら、エリザベートは聖銀の槍を構える。
全員が改めて一致団結を果たすと、最後の戦いへと出るように攻撃を開始した。
魔物たちが塔の周辺に到着すると、事前に掛けられた防衛用のトラップを、次々に踏んで作動させる。
夜狼が地雷型の魔法陣を踏むと、魔法陣が光り爆発が起きた。
夜狼の身体は四散し、血と肉片が飛び散る。内臓が露出し、骨が砕けた。夜狼は即座に絶命する。
別の夜狼が火炎型魔法陣を踏むと、魔法陣が光り炎が立ち上がった。
夜狼の身体は炎に包まれ、皮膚が焼け焦げる。悲鳴を上げながら倒れ、焼死した。
更に別の夜狼が氷結型魔法陣を踏むと、魔法陣が光り冷気が立ち上る。
夜狼の身体は氷に包まれ、凍結された。身体が完全に凍り付き、倒れて砕ける。
だが一部の魔物たちは、トラップを回避して、次々に塔の外壁を登り始めた。
イグナーツや仲間たちは、銃撃や魔法攻撃で次々に殺していく。
彼は短銃を連射した。弾丸が夜狼の頭部を貫き、夜狼は塔から落ちていく。
ヴェルナーは短銃を連射した。弾丸が夜狼の胸部を貫き、夜狼は塔から落ちていく。
エリザベートは聖銀の槍を振るい魔法を放つ。閃光が夜狼を貫き、浄化しながら塔から落としていく。
カタリナは魔術刻印杖を振るい雷撃を放つ。雷撃が夜狼を貫き、炭化させながら塔から落としていく。
しかし、巨大な魔物に関しては、防衛用のトラップを諸ともせずに踏み越えて突き進んでくる。
「くそっ! トラップが効かない……!」
「隊長! 防衛トラップが突破されました! 魔物たちが塔を登ってきています……!」
口元を歪ませながらヴェルナーが叫び、エリザベートが冷静に現状を報告した。
「把握した! 引き続き迎撃を続けろ!」
二人の鬼気迫る声を聞いて、イグナーツは叫ぶように即座に指示を出す。
そして仲間たちは報告しながらも、銃や魔法での攻撃で、登り迫る魔物たちを次々に落としていく。
イグナーツは異形の個体を相手にすると、集中力を高めて、祈りを込めた弾丸に魔法の付与を行う。
「夜の帳を切り裂く骸の群れ、死者たちの魂よ……この弾丸に宿れ。我が前に立ち塞がる不条理をすべて無へ帰せ。――霊魂魔刻」
短銃を巨大な魔物に向けて彼は発砲した。
弾丸は淡い光を放ちながら一直線に飛び、異形の個体の眉間を貫く。
「グオオオオオオオオッ……!」
巨大な魔物は悲鳴を上げ倒れた。地面と塔が大きく揺れる。
その際に下にいた魔物たちも数匹は潰れて死んだ。
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