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魔物に包囲された塔で半年間の籠城を命じられた狩人部隊、仲間たちは少しずつ壊れていき、救援隊が来た時には俺しか残っていなかった  作者: りつりん
第三章

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13話 惨たらしく殺されてゆく狩人たち

「リュネット……なんで……なんで死んじゃったの……」


 涙を流しながらエリザベートが呟いた。白金の髪が揺れ、蒼い瞳が涙で潤む。


「……リュネット……わたしたち……まだ一緒にいたかったですぅ……」


 涙を流しながらカタリナが呟いた。淡い薔薇金の髪が揺れ、大きなライラック色の瞳が涙で潤む。


「リュネット……あたし……あたしがもっと側にいれば……」


 涙を流しながらヴィオラが呟いた。深い漆黒に紫を滲ませた長髪が揺れ、紅い瞳が涙で潤む。

 その後、イグナーツは花畑に穴を掘り、リュネットの遺体を慎重に埋める。


 そして、即席で用意した小さな石碑を立てた。石碑には、彼女の名前が刻まれている。

 イグナーツと仲間たちは石碑の前で黙祷を捧げた。


「リュネット……安らかに眠れ……」


 (イグナーツ)の声は悲しみに満ちている。そしてリュネットが首つり自殺をしたことで、結果的に大勢の仲間を失い、イグナーツや仲間たちは意気消沈状態であり、生きる希望すらも消えかけていた。


 だが、それでも夜の襲撃は収まる事を知らず、一日たりとも休むことなく、全員が塔の防衛戦を強いられている。


 過酷な戦闘が毎夜続き、寝ても疲労が取れない状況が続くと、ついにイグナーツが恐れていた事態が連続して起こり始めた。


 それは不思議と連鎖するようで、まるでイグナーツたちの頭上に鎌を構えた死神が、獲物を見定めるように旋回しているようなものである。


 そう、イグナーツが恐れていた事態とは、とどのつまり仲間たちの連続死だ。

 一人目――ヴィオラは、連戦続きで寝ても魔力や体力が回復しなかった事が原因なのか、魔物との戦闘中に立ち眩みにでもあったかのようにふらつき出す。


「くそ……目が……回る……」


 彼女が呟いた。深い漆黒に紫を滲ませた長髪が揺れ、紅い瞳が虚ろに揺れる。

 そのまま足を滑らせて、塔から落下した。


「きゃああああああああああっ……!」


 ヴィオラの悲鳴が響き渡る。彼女の身体は塔の外壁を滑り落ち、地面に激突した。

 激しい衝撃が全身を襲い、骨が砕ける音が響く。

 だが、塔から落ちた時点ではまだ辛うじて息があった。ヴィオラは地面に倒れ、激痛に顔を歪める。


 深い漆黒に紫を滲ませた長髪が血に染まり、紅い瞳が苦痛に揺れる。

 豊満な胸が激しく上下し、血が口から溢れた。


「助けて……隊長……助けて……」


 彼女の声は弱々しい。だが、魔物たちがヴィオラを取り囲んだ。


「グルルルル……ガァアアアアアッ!」


 夜狼たちが彼女に襲い掛かる。一体の夜狼がヴィオラの右腕を鉤爪で掴み、力任せに引きちぎった。

 皮膚が裂け、筋肉が引き千切られ、骨が砕ける。右腕が肩から完全に引き千切られた。


「ぐあああああああああああっ……!」


 彼女は悲鳴を上げる。別の夜狼がヴィオラの左腕を鉤爪で掴み、力任せに引きちぎった。

 左腕が肩から完全に引き千切られる。


「やめて……! やめて……!」


 彼女は泣き叫んだ。更に別の夜狼がヴィオラの右足を鉤爪で掴み、力任せに引きちぎる。

 右足が股から完全に引き千切られた。


「いやああああああああああっ……!」


 彼女は悲鳴を上げる。最後の夜狼がヴィオラの左足を鉤爪で掴み、力任せに引きちぎった。

 左足が股から完全に引き千切られる。彼女は四肢を失い、胴体だけの状態となった。


 そして、夜狼たちはヴィオラの腹部を鉤爪で裂き、内臓を引きずり出す。

 ヴィオラは凄惨な死を迎えた。


「ヴィオラ……!」


 最上階から、その光景を見て、イグナーツは涙を流す。

 またある日は、ルーカスが極度の疲労のせいで、武器の手入れを怠った。


「疲れた……もう……無理だ……」


 彼が呟いた。焦げ茶の短髪が乱れ、琥珀色の瞳が虚ろに揺れる。


 その結果として、なまくらの刃は魔物を斬り裂く事叶わず、更には弾詰まりを起こした銃は敵を撃つ事はできず、魔力も回復していなかった事から魔法は使えず、ルーカスは塔を登り切った魔物の集団に襲われた。


 彼は戦鎚を振るったが、刃は魔物の皮膚を切り裂く事ができない。

 短銃を発砲したが、弾詰まりを起こして弾が出ない。


「くそ……! くそ……!」


 ルーカスが叫んだ。複数の夜狼が彼に襲い掛かる。

 一体の夜狼が、ルーカスの左肩に噛みつき、肉を引き千切った。


「ぐあっ……!」


 彼が悲鳴を上げる。別の夜狼が、ルーカスの右腕に噛みつき、骨ごと噛み砕いた。


「ぐあああああああああああっ……!」


 彼が悲鳴を上げる。更に別の夜狼が、ルーカスの腹部に噛みつき、内臓を引きずり出した。


「いやああああああああああっ……!」


 ルーカスは泣き叫んだ。夜狼たちは彼を生きたまま食い続ける。

 激痛に顔を歪めルーカスは、涙を流しながら悲鳴を上げ続けた。

 そして、ついに彼は息絶える。


「ルーカス……!」


 その光景を見て、イグナーツは涙を流した。六人の仲間が死んだ。残りは四人。

 イグナーツ、エリザベート、カタリナ、ヴェルナー。戦いは、まだ続く。

 だが、希望は消えかけていた。


「くそ……! くそ……! 俺は……俺は何も守れない……!」


 拳を握りしめ、イグナーツは涙を流す。絶望が、塔を包んでいた。

 果たして、誰が生き延びるのか。答えは、まだ分からない。

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