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魔物に包囲された塔で半年間の籠城を命じられた狩人部隊、仲間たちは少しずつ壊れていき、救援隊が来た時には俺しか残っていなかった  作者: りつりん
第三章

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6話 意気消沈の狩人たち

「なぜ……」


 やがて数分が経過すると、唐突にヴィオラの声が静寂を破った。

 深い漆黒に紫を滲ませた長髪が揺れ、紅い瞳が涙で潤む。

 それに対して、イグナーツは答えず、ただ壁にもたれかかった。


 ただ時が過ぎていく。そして夜が訪れると、魔物の襲撃時間が迫った。

 だが、誰一人として動こうとしない。

 全員が意気消沈しており、この場の雰囲気は重たく苦しいものだ。


「もう……嫌だ……! もう……耐えられない……!」


 唐突にルーカスが頭を抱えて叫んだ。

 その声は発狂じみており、焦げ茶の短髪が乱れ、琥珀色の瞳が狂気に揺れる。


「お前が……! お前がもっとちゃんと見張っていれば……! セシリアは死ななかった……!」


 冷静さを欠いているようで彼は唐突に、ヴェルナーに言葉の暴力を浴びせるように、八つ当たりを始めた。その声は怒りに満ちている。


「何を言っている! 俺のせいではない!」


 ヴェルナーが怒りの声で返した。長めの金髪が乱れ、切れ長の蒼い瞳が怒りに揺れる。


「お前のせいだ……! お前が……!」


 ルーカスが叫んだ。その瞬間、イグナーツが彼を殴り無理やり止める。

 彼の拳がルーカスの頬を打ち、床に倒れた。


「ルーカス、落ち着け! 今は生き延びる事だけを考えろ! ……殴って済まなかった」


 イグナーツの声は力強いが、その奥には優しさが滲んでいる。

 切れ長の黒目がちな瞳がルーカスを見つめ、濃藍の羽織が揺れた。


「……こちらこそ、すまなかった。正常な判断が出来てなかった……。隊長……ヴェルナー……すまない……」


 イグナーツの言い分を理解して彼は小さく頷く。ルーカスの声は震え、涙が頬を伝う。

 焦げ茶の短髪が乱れ、琥珀色の瞳が涙で潤む。

 その時、塔の外から遠吠えと騒々しい大量の足音が聞えてきた。


「グオオオオオオオオッ……!」


 魔物たちの咆哮が森全体を震わせる。魔物の襲撃が始まりを告げた。

 それを聞いて、イグナーツは即座に指示を出す。


「全員、最上階へ上がれ! 防衛の陣を作る! 今すぐだ……!」


 イグナーツの声が塔全体に響いた。

 仲間たちは無言で、それぞれが最上階へと登り、防衛の陣を作り配置に就く。

 魔物の襲撃が開始して、塔の外壁に大量の魔物が、爪を引っかけて登り始めた。


「グルルルル……ガァアアアアアッ!」


 魔物たちの咆哮が響き渡る。

 イグナーツと仲間たちは、何時も通りに魔物を撃ち殺したり、魔法を使用して殺した。


 (イグナーツ)は短銃を構え、夜狼たちに向けて発砲する。

 銃声が響き、弾丸が夜狼の頭部を貫く。夜狼は悲鳴を上げ、塔から落下する。


「交わらぬ線を……結べ……っ。歪む座標の、境界を以て……世界の皮膜を、刹那に……穿たん……! ……虚無より、来たりて……逃げ場を……断て……。……次元(ディメンション)穿孔(・ニードル)……」


 聖銀の槍を構え、エリザベートは詠唱を始めた。

 魔法陣が展開され、閃光が放たれる。

 閃光は夜狼たちを貫き、浄化しながら塔から落とす。


 だが、防衛戦が始まり暫くすると、仲間たちの動きは鈍くなり、まるで連携が取れなくなった。

 まるで生気を奪われているかのように仲間たちには覇気がない。


 エリザベートの詠唱は遅く、魔法の威力も弱い。白金の髪が揺れ、蒼い瞳が虚ろに揺れる。

 カタリナの詠唱も遅く、魔法の威力も弱い。淡い薔薇金の髪が揺れ、大きなライラック色の瞳が虚ろに揺れる。


 ヴィオラの矢は狙いが外れ、夜狼に当たらない。深い漆黒に紫を滲ませた長髪が揺れ、紅い瞳が虚ろに揺れる。


 リュネットの銃撃は狙いが外れ、夜狼に当たらない。漆黒に近い深藍色の髪が揺れ、細めの淡い銀青の瞳が虚ろに揺れる。


 ヴェルナーの銃撃も狙いが外れ、夜狼に当たらない。長めの金髪が揺れ、切れ長の蒼い瞳が虚ろに揺れる。


 ルーカスの銃撃も狙いが外れ、夜狼に当たらない。焦げ茶の短髪が揺れ、琥珀色の瞳が虚ろに揺れる。

 ユリウスの銃撃も狙いが外れ、夜狼に当たらない。銀灰色の髪が揺れ、伏せがちな蒼灰色の瞳が虚ろに揺れる。


 こんな状態では、朝までとてももたない。

 イグナーツは直ぐに各所を駆け回り、仲間たちに声をかけて指揮を執った。


「エリザベート、詠唱を速く! カタリナ、魔力を込めろ! ヴィオラ、狙いを定めろ! リュネット、落ち着け! ヴェルナー、集中しろ! ルーカス、冷静になれ! ユリウス、正確に撃て!」


 彼の声が各所に響き渡る。切れ長の黒目がちな瞳が鋭く光り、濃藍の羽織が風に揺れた。

 イグナーツは短銃を構え、連続して発砲しながら、各所を駆け回り、指揮を執り続ける。


 魔物の群れは何時もよりも増していた。

 数百体、いや、千体を超える夜狼たちが塔をけたたましく登る。

 だが、イグナーツが必死に指揮を執る事で、何とか防ぎ切った。


 長きにわたる死闘を繰り広げて、今宵もイグナーツと仲間たちは魔物に打ち勝ち、生き残る。

 だが、その代償は大きかった。


 イグナーツは血まみれであり、濃藍の羽織は血と汗に汚れている。

 切れ長の黒目がちな瞳が疲労に揺れ、右耳の真鍮の耳飾りが揺れた。

 左腕には裂傷があり、血が滲んでいる。


 エリザベートは血まみれであり、白いシャツは血と汗に汚れていた。

 白金の髪が血と汗に濡れ、蒼い瞳が疲労に揺れる。

 右肩には裂傷があり、血が滲んでいた。


 カタリナは血まみれであり、ミスリル糸と黒絹を組み合わせた魔術装束は、血と汗に汚れている。

 淡い薔薇金の髪が血と汗に濡れ、大きなライラック色の瞳が疲労に揺れた。

 左足首に捻挫があり、痛みに顔を歪めている。


 周囲には魔物の腐敗臭が漂い、床には血と肉片が散乱していた。

 軽傷者が多数おり、カタリナとエリザベートが治癒魔法を施す。


 昇る朝を見ながら、イグナーツと仲間たちは、その場に立ち尽くした。

 明け方、戦いに勝利して死人こそ出なかったが、全員が限界の状態である。


 全員が最上階から降りて塔の中に戻ると、イグナーツだけは再び病室の前に……いや、仲間のガロットとセシリアの血で染まったあの部屋の前に立った。


 彼は静かに扉に手を伸ばしたが、セシリアやガロットの死に顔が脳裏に鮮明に蘇り、更には自らの手で仲間の命を奪った罪悪感が込み上げて、扉を開ける事が出来ず立ち去る。


「すまない……セシリア……ガロット……」


 イグナーツは呟き、その場を後にした。

 彼は仮眠を取るべく寝室に入ると、そこには既に殆どの者が薄着の格好で眠りついている。


 エリザベートは、白いレースの下着姿で眠っていた。

 白金の髪が汗に濡れ、蒼い瞳は閉じられている。

 豊かな胸は痩せ、肋骨が浮き出ていた。


 白いブラジャーは劣化しており、色合いは黄ばみ、汗染みがある。

 白いショーツも劣化しており、色合いは黄ばみ、経血の染みがあった。


 カタリナは、薄桜色の総レース仕様の下着姿で眠る。

 淡い薔薇金の髪が汗に濡れ、大きなライラック色の瞳は閉じられていた。

 豊満な胸は痩せ、乳房は小さくなっている。

 

 ブラジャーは劣化しており、色合いは黄ばみ、汗染みがある。

 ショーツも劣化しており、色合いは黄ばみ、経血の染みがあった。


 ヴィオラは、黒革とレースを組み合わせた拘束型ボディスーツ姿で眠る。

 深い漆黒に紫を滲ませた長髪が汗に濡れ、紅い瞳は閉じられていた。

 豊満な胸は痩せ、乳房は小さくなっている。


 ボディスーツは劣化しており、色合いは褪せ、汗染みがある。

 下着からは汗と血の匂いが漂う。

 

 リュネットは、黒を基調とした極薄素材のスポーツタイプの下着姿で眠っていた。

 漆黒に近い深藍色の髪が汗に濡れ、細めの淡い銀青の瞳は閉じられている。

 控えめな胸は更に小さくなり、肋骨が浮き出ていた。


 ブラジャーは劣化しており、色合いは褪せ、汗染みがある。

 ショーツも劣化しており、色合いは褪せ、経血の染みがあった。


 イグナーツは、ベッドの上で眠る仲間たちを一瞥してから、自分もベッドに入る。

 しかし、二人の仲間の死が鮮明に思い起こされて、結局眠れぬまま数時間が経過した。

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