6話 意気消沈の狩人たち
「なぜ……」
やがて数分が経過すると、唐突にヴィオラの声が静寂を破った。
深い漆黒に紫を滲ませた長髪が揺れ、紅い瞳が涙で潤む。
それに対して、イグナーツは答えず、ただ壁にもたれかかった。
ただ時が過ぎていく。そして夜が訪れると、魔物の襲撃時間が迫った。
だが、誰一人として動こうとしない。
全員が意気消沈しており、この場の雰囲気は重たく苦しいものだ。
「もう……嫌だ……! もう……耐えられない……!」
唐突にルーカスが頭を抱えて叫んだ。
その声は発狂じみており、焦げ茶の短髪が乱れ、琥珀色の瞳が狂気に揺れる。
「お前が……! お前がもっとちゃんと見張っていれば……! セシリアは死ななかった……!」
冷静さを欠いているようで彼は唐突に、ヴェルナーに言葉の暴力を浴びせるように、八つ当たりを始めた。その声は怒りに満ちている。
「何を言っている! 俺のせいではない!」
ヴェルナーが怒りの声で返した。長めの金髪が乱れ、切れ長の蒼い瞳が怒りに揺れる。
「お前のせいだ……! お前が……!」
ルーカスが叫んだ。その瞬間、イグナーツが彼を殴り無理やり止める。
彼の拳がルーカスの頬を打ち、床に倒れた。
「ルーカス、落ち着け! 今は生き延びる事だけを考えろ! ……殴って済まなかった」
イグナーツの声は力強いが、その奥には優しさが滲んでいる。
切れ長の黒目がちな瞳がルーカスを見つめ、濃藍の羽織が揺れた。
「……こちらこそ、すまなかった。正常な判断が出来てなかった……。隊長……ヴェルナー……すまない……」
イグナーツの言い分を理解して彼は小さく頷く。ルーカスの声は震え、涙が頬を伝う。
焦げ茶の短髪が乱れ、琥珀色の瞳が涙で潤む。
その時、塔の外から遠吠えと騒々しい大量の足音が聞えてきた。
「グオオオオオオオオッ……!」
魔物たちの咆哮が森全体を震わせる。魔物の襲撃が始まりを告げた。
それを聞いて、イグナーツは即座に指示を出す。
「全員、最上階へ上がれ! 防衛の陣を作る! 今すぐだ……!」
イグナーツの声が塔全体に響いた。
仲間たちは無言で、それぞれが最上階へと登り、防衛の陣を作り配置に就く。
魔物の襲撃が開始して、塔の外壁に大量の魔物が、爪を引っかけて登り始めた。
「グルルルル……ガァアアアアアッ!」
魔物たちの咆哮が響き渡る。
イグナーツと仲間たちは、何時も通りに魔物を撃ち殺したり、魔法を使用して殺した。
彼は短銃を構え、夜狼たちに向けて発砲する。
銃声が響き、弾丸が夜狼の頭部を貫く。夜狼は悲鳴を上げ、塔から落下する。
「交わらぬ線を……結べ……っ。歪む座標の、境界を以て……世界の皮膜を、刹那に……穿たん……! ……虚無より、来たりて……逃げ場を……断て……。……次元穿孔……」
聖銀の槍を構え、エリザベートは詠唱を始めた。
魔法陣が展開され、閃光が放たれる。
閃光は夜狼たちを貫き、浄化しながら塔から落とす。
だが、防衛戦が始まり暫くすると、仲間たちの動きは鈍くなり、まるで連携が取れなくなった。
まるで生気を奪われているかのように仲間たちには覇気がない。
エリザベートの詠唱は遅く、魔法の威力も弱い。白金の髪が揺れ、蒼い瞳が虚ろに揺れる。
カタリナの詠唱も遅く、魔法の威力も弱い。淡い薔薇金の髪が揺れ、大きなライラック色の瞳が虚ろに揺れる。
ヴィオラの矢は狙いが外れ、夜狼に当たらない。深い漆黒に紫を滲ませた長髪が揺れ、紅い瞳が虚ろに揺れる。
リュネットの銃撃は狙いが外れ、夜狼に当たらない。漆黒に近い深藍色の髪が揺れ、細めの淡い銀青の瞳が虚ろに揺れる。
ヴェルナーの銃撃も狙いが外れ、夜狼に当たらない。長めの金髪が揺れ、切れ長の蒼い瞳が虚ろに揺れる。
ルーカスの銃撃も狙いが外れ、夜狼に当たらない。焦げ茶の短髪が揺れ、琥珀色の瞳が虚ろに揺れる。
ユリウスの銃撃も狙いが外れ、夜狼に当たらない。銀灰色の髪が揺れ、伏せがちな蒼灰色の瞳が虚ろに揺れる。
こんな状態では、朝までとてももたない。
イグナーツは直ぐに各所を駆け回り、仲間たちに声をかけて指揮を執った。
「エリザベート、詠唱を速く! カタリナ、魔力を込めろ! ヴィオラ、狙いを定めろ! リュネット、落ち着け! ヴェルナー、集中しろ! ルーカス、冷静になれ! ユリウス、正確に撃て!」
彼の声が各所に響き渡る。切れ長の黒目がちな瞳が鋭く光り、濃藍の羽織が風に揺れた。
イグナーツは短銃を構え、連続して発砲しながら、各所を駆け回り、指揮を執り続ける。
魔物の群れは何時もよりも増していた。
数百体、いや、千体を超える夜狼たちが塔をけたたましく登る。
だが、イグナーツが必死に指揮を執る事で、何とか防ぎ切った。
長きにわたる死闘を繰り広げて、今宵もイグナーツと仲間たちは魔物に打ち勝ち、生き残る。
だが、その代償は大きかった。
イグナーツは血まみれであり、濃藍の羽織は血と汗に汚れている。
切れ長の黒目がちな瞳が疲労に揺れ、右耳の真鍮の耳飾りが揺れた。
左腕には裂傷があり、血が滲んでいる。
エリザベートは血まみれであり、白いシャツは血と汗に汚れていた。
白金の髪が血と汗に濡れ、蒼い瞳が疲労に揺れる。
右肩には裂傷があり、血が滲んでいた。
カタリナは血まみれであり、ミスリル糸と黒絹を組み合わせた魔術装束は、血と汗に汚れている。
淡い薔薇金の髪が血と汗に濡れ、大きなライラック色の瞳が疲労に揺れた。
左足首に捻挫があり、痛みに顔を歪めている。
周囲には魔物の腐敗臭が漂い、床には血と肉片が散乱していた。
軽傷者が多数おり、カタリナとエリザベートが治癒魔法を施す。
昇る朝を見ながら、イグナーツと仲間たちは、その場に立ち尽くした。
明け方、戦いに勝利して死人こそ出なかったが、全員が限界の状態である。
全員が最上階から降りて塔の中に戻ると、イグナーツだけは再び病室の前に……いや、仲間のガロットとセシリアの血で染まったあの部屋の前に立った。
彼は静かに扉に手を伸ばしたが、セシリアやガロットの死に顔が脳裏に鮮明に蘇り、更には自らの手で仲間の命を奪った罪悪感が込み上げて、扉を開ける事が出来ず立ち去る。
「すまない……セシリア……ガロット……」
イグナーツは呟き、その場を後にした。
彼は仮眠を取るべく寝室に入ると、そこには既に殆どの者が薄着の格好で眠りついている。
エリザベートは、白いレースの下着姿で眠っていた。
白金の髪が汗に濡れ、蒼い瞳は閉じられている。
豊かな胸は痩せ、肋骨が浮き出ていた。
白いブラジャーは劣化しており、色合いは黄ばみ、汗染みがある。
白いショーツも劣化しており、色合いは黄ばみ、経血の染みがあった。
カタリナは、薄桜色の総レース仕様の下着姿で眠る。
淡い薔薇金の髪が汗に濡れ、大きなライラック色の瞳は閉じられていた。
豊満な胸は痩せ、乳房は小さくなっている。
ブラジャーは劣化しており、色合いは黄ばみ、汗染みがある。
ショーツも劣化しており、色合いは黄ばみ、経血の染みがあった。
ヴィオラは、黒革とレースを組み合わせた拘束型ボディスーツ姿で眠る。
深い漆黒に紫を滲ませた長髪が汗に濡れ、紅い瞳は閉じられていた。
豊満な胸は痩せ、乳房は小さくなっている。
ボディスーツは劣化しており、色合いは褪せ、汗染みがある。
下着からは汗と血の匂いが漂う。
リュネットは、黒を基調とした極薄素材のスポーツタイプの下着姿で眠っていた。
漆黒に近い深藍色の髪が汗に濡れ、細めの淡い銀青の瞳は閉じられている。
控えめな胸は更に小さくなり、肋骨が浮き出ていた。
ブラジャーは劣化しており、色合いは褪せ、汗染みがある。
ショーツも劣化しており、色合いは褪せ、経血の染みがあった。
イグナーツは、ベッドの上で眠る仲間たちを一瞥してから、自分もベッドに入る。
しかし、二人の仲間の死が鮮明に思い起こされて、結局眠れぬまま数時間が経過した。
最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます。
宜しければ評価とブックマーク登録をお願い致します。
活動の励みとなり更新が維持出来ます。




