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魔物に包囲された塔で半年間の籠城を命じられた狩人部隊、仲間たちは少しずつ壊れていき、救援隊が来た時には俺しか残っていなかった  作者: りつりん
第三章

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3話 疲労が溜まる狩人たち

「隊長、俺も問題ない。まだ戦える」


 ヴェルナーが冷静に答えた。だが、その声には疲労が滲んでいる。

 二人は硬いパンを齧りながら、武具の手入れを続けていた。

 そしてイグナーツは、その場を後にすると、次の場所へと足を進める。


 四階の寝室では、リュネットとヴィオラが自分たちの衣類や、使用済みの下着を手洗いしていた。

 リュネットは洗濯桶の前に膝をついている。

 艶を失った深藍色の髪が揺れ、細めの淡い銀青の瞳が手元を見つめた。


 桶の中には、汗と血、そして濃密な体液に汚れた、極薄素材の黒いスポーツ下着が浸かる。

 ブラジャーには黒ずんだ汗染みが広がり、ショーツの股布には生々しい経血の跡と、恐怖で漏れ出した尿の黄色い染みが、鼻を突く匂いとともに色濃く残っていた。


 彼女は骨ばった指先に力を込め、その背徳的な汚れが染み込んだ下着を、黙々と力強く洗い続ける。

 ヴィオラもまた、洗濯桶の前に力なく膝をついていた。


 深い漆黒に紫を滲ませた三つ編みの長髪が揺れ、底知れぬ疲労を宿した紅い瞳が、手元を見つめている。洗濯桶の水に浸かっているのは、彼女の肉体を締め付けていた黒革とレースの拘束型ブラジャーとショーツだ。


 革と薄布には戦火の汗と血がこびりつき、退廃的で淫らな雰囲気を醸し出している。

 ブラジャーの裏地には濃い汗染みが広がり、ショーツの股布にはストレスで乱れた経血の赤黒い跡と、極限の恐怖で漏れ出した尿の黄色い染みが、生々しい匂いとともに焼き付いていた。


 彼女は骨ばった手に力を込め、その背徳的な汚れが染み込んだ愛着の品を、黙々と力強く洗い続ける。

 その時、何気なくイグナーツが寝室に入ると二人は即座に反応し、顔を赤く染めた。


「……隊長、見ないで」


 無表情のままリュネットが、顔を赤く染めて呟く。

 漆黒に近い深藍色の髪が揺れ、細めの淡い銀青の瞳が羞恥に揺れる。


「ちょっと……! 隊長、ノックくらいしてよ!」


 顔を赤く染めてヴィオラが叫んだ。

 深い漆黒に紫を滲ませた長髪が三つ編みで揺れ、紅い瞳が羞恥に揺れる。


 二人は慌てて下着を隠そうとしたが、既に遅かった。

 イグナーツは、下着を洗う彼女たちを、確実に両の眼に収めている。


「すまない! ノックを忘れていた! 今すぐ出る!」


 慌てた様子で謝罪しながら、その場から彼は急いで去った。

 切れ長の黒目がちな瞳が羞恥に揺れ、濃藍の羽織が揺れる。


 そして次の場所に足を運ぶと、二階の食堂では、ユリウスとカタリナがチェスで晩飯を賭けた熱き勝負を繰り広げていた。ユリウスはチェス盤を睨んでいる。


 銀灰色の髪がポニーテールで揺れ、伏せがちな蒼灰色の瞳が真剣に光った。

 また彼と同じくカタリナもチェス盤を睨んでいる。


「くそ……! そこに置くか……!」


 汚い言葉をユリウスが吐いた。


「……ユリウス、もう諦めなさいぃ……! わたしの勝ちですぅ……!」


 勝ち誇った様子でカタリナが口元を緩ませる。


「まだだ……! まだ終わってない……!」


 ユリウスが叫んだ。二人は試合に夢中であり、イグナーツの存在に気づいていない。

 彼は静かに、その場を去る。

 そしてイグナーツが最上階へと上がると、そこから外の景色を一望した。


 だが、その時――塔の外で、エリザベートが川から汲んだ水を使い、簡単な水浴びをしていた。

 彼女は完全に裸の状態で、森の中で水浴びをしていたのである。


 一応、人目に付かないように、森の中で水浴びをしていたが、最上階からだと丸見えだ。

 濡れて肌に張り付いた白金の髪から水滴が滴り、疲弊の中に妖しい光を宿した蒼い瞳が濡れそべっている。


 過酷な戦いで痩せこけたとはいえ、豊かな胸は依然として痛々しいほどに美しい曲線を保ち、剥き出しのまま重力に従って危うく揺れていた。


 冷たい水を浴びたピンク色の乳首は、限界を迎えた肉体で唯一激しく自己主張するように、硬く突起して色づいている。


 肉を削がれた太腿は細く痛々しいが、濡れた白い肌が怪しいまでの艶を放ち、見る者を惹きつけて離さない。


 そして、白磁の太腿が交わる下腹部には、透き通るような肌を完全に隠しきれない、水分を吸い肌に張り付いた儚げな薄い茂みがある。


 その心許ない秘毛の隙間からは、瑞々しく充血した桃色の秘部が無防備に、そして淫らにその形を覗かせていた。エリザベートは水を身体にかけ、汗と汚れを洗い流していた。


「すまない……見てしまった……」


 女性のあられもない姿を見た事で、イグナーツは何とも言えない罪悪感に駆られる。

 彼は罪悪感を抱きながら直ぐに下の階へと降りた。


 そしてイグナーツは下の階に戻ると、再び各場所を見て回る。

 三階の食料庫では、チェスの勝負を終えたユリウスが、缶詰や他の保存食の整理や数の確認作業をしていた。


 彼は黙々と木箱の中身を確認している。

 銀灰色の髪がポニーテールで揺れ、伏せがちな蒼灰色の瞳が真剣に光る。


「どうだ、状況は……?」


 作業中のユリウスに、イグナーツは横から尋ねた。


「……厳しい。保存食は残り三週間分程度。新鮮な食料を調達し続けないと、持たない」


 無表情のまま彼は率直な現状を答える。


「そうか……引き続き、食料調達を続けるしかないな」


 両腕を組みながら、イグナーツが溜息混じりで返す。

 その後、二人は他愛もない雑談を交えて、数分ほど時間を潰した。


 そしてイグナーツは食料庫から出ると、一旦仲間たちを全員招集して、日中の間に行うべき作業について相談する。


 相談の結果、仲間たち――ガロットを除く男性陣――は防衛用のトラップの構築を行うことになった。

 女性たちは物資の確認と分配作業を行う。


 防衛用のトラップの構築と物資の分配作業が終わると、イグナーツと仲間たちは水や食糧の補給を行う為に、チームに分けて川と森に向かった。

 食料の調達を終えて、食料庫に新鮮な水や食料を保管すると、全員が夜の戦に備えて仮眠を取り始める。


 しかし、イグナーツだけは簡単に武具の手入れをしてから、仮眠を取り始めた。

 そして夜、午後八時頃。

 雲が厚く空を覆い、完全な闇夜である。


 気温は零度を下回り、冷気が塔の内部を包む。

 時が過ぎていくと瞬く間に夜が訪れて、最早恒例行事のように魔物たちが塔に群がり始めて、襲撃が始まった。


「グルルルル……ガァアアアアアッ!」


 魔物たちの咆哮が森全体を震わせる。

 イグナーツと仲間たちは即座に動くと、塔の最上階へと登り、防衛の陣を取った。

 各々が各配置につき、防衛戦が開始される。


 イグナーツと仲間たちは今宵も己の生存を賭けた、死と隣り合わせの戦いへと身を投じるのだ。

 銃声が連続して響き、魔法が派手に飛び交う。

 夜狼たちは次々と倒れ、塔から落ちていく。


 ――そして再び幾度の日数が経過していくと、イグナーツや仲間たちの体には圧倒的な疲労が蓄積されていた。

 毎夜、魔物たちの襲撃を退け、昼間は食料調達とトラップ構築、そして僅かな仮眠。


 この繰り返しが続いている。

 全員の顔は更に痩せこけ、目の下のクマは更に深い状態。

 肌は荒れ、髪は艶を失い、身体は更に痩せ細っている。

 

 そして、とある日の昼頃。イグナーツは疲労を癒す為に仮眠と言う名の爆睡をしていた。

 寝室のベッドに横たわり、深い眠りに落ちている。

 切れ長の黒目がちな瞳は閉じられ、濃藍の羽織が揺れる。呼吸は深く、規則正しい。

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