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魔物に包囲された塔で半年間の籠城を命じられた狩人部隊、仲間たちは少しずつ壊れていき、救援隊が来た時には俺しか残っていなかった  作者: りつりん
第二章

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6話 魔法と銃弾が飛び交う戦場

「まだよ……まだ終わらない……!」


 エリザベートが叫んだ。

 白金の髪が揺れ、蒼い瞳が決意に燃える。


 豊かな胸が激しく上下し、白いレースの下着が透けて見える。

 セシリアは杖剣を構え、詠唱を始めた。


「優しき光よ、過飽和の果てに慈悲を捨てよ。安らぎの中で、無垢なる(ちり)へと還れ。――死を招く福音(オーバー・レクイエム)!」


 彼女の声は優しく柔らかいが、その魔力は圧倒的である。

 杖剣の先端から光の刃が飛び、塔を登り来る夜狼たちを貫く。

 光の刃が命中すると、夜狼たちは悲鳴を上げ、塔から落下する。


「えへへ……みんな、頑張ってぇ……!」


 微笑みながらセシリアが叫んだ。

 淡いミルクティーブラウンのゆるふわウェーブが揺れ、ツインお団子から毛先がふわりとほどける。


 ――銃弾が飛び、魔法が派手に飛ぶ。

 夜狼たちは悲鳴を上げ、次々と塔から落ちていく。

 だが、魔物たちの数は圧倒的であり、倒しても倒しても、次々と新たな獣が塔を登ってくる。


 夜狼たちは鉤爪を振るい、石壁を這い上がった。

 血餓狼たちは牙を食い込ませ、壁を蹴り上げる。

 一部の夜狼たちは腐食液を吐き、石壁を溶かそうとした。


「グルルルル……ガァアアアアアッ!」


 魔物たちの咆哮が響き、塔全体を震わせる。

 そして、イグナーツたちの攻撃は嵐の如く続き、休まることはない。


 銃声が連続して響き、魔法が派手に飛び交う。

 周囲には火薬の匂いが充満し、痺れるような魔力の空気感が立ち込める。


 魔物たちの血が石壁を赤く染め、唸り声が塔全体を震わせる。

 だが魔物たちは同胞が殺されようとも進撃を止めることはない。


 まるで何かに憑りつかれているかのように雄叫びを上げながら、盲目的に狩人たちの元へと向かうように塔の外壁を登る。


「グルルルル……ガァアアアアアッ!」


 夜狼たちは鉤爪を振るい、石壁を這い上がった。

 血餓狼たちは牙を食い込ませ、壁を蹴り上げる。

 その目は赤く爛れ、憎悪に燃えていた。


 イグナーツは短銃を構え、塔を登り来る夜狼たちに向けて発砲を繰り返す。

 銃声が響き、弾丸が夜狼の頭部を貫く。

 夜狼は悲鳴を上げ、塔から落下する。


「全員、よくやってる! その調子だ!」


 彼が叫んだ。切れ長の黒目がちな瞳が鋭く光り、濃藍の羽織が風に揺れた。

 右耳の真鍮の耳飾りが揺れ、左手の黒紐の腕輪が軋む。

 イグナーツの言葉に、仲間たちは僅かに余裕が生まれたのか、軽口を叩く暇すらできた。


「おいおい、褒められちまったぜ。これは頑張らないとな」


 短銃を構えガロットは、夜狼たちに向けて発砲しながら薄く笑う。

 漆黒の髪がオールバックに撫け付けられ、金茶色の瞳が輝く。

 深墨色のロングコートが揺れ、背中から腰にかけて複数のホルスターが揺れる。


「褒められたからには、期待に応えねばな」


 短銃を構えヴェルナーは、夜狼たちに向けて発砲しながら冷静に言った。

 長めの金髪が後ろで一束に結ばれ、切れ長の蒼い瞳が冷たく光る。

 白と金を基調とした布鎧が揺れ、銀縁のロングマントが揺れた。


「おう、俺も頑張るぜ!」


 短銃を構えルーカスは、血餓狼たちに向けて発砲しながら叫ぶ。

 焦げ茶の短髪が汗に濡れ、琥珀色の瞳が闘志に燃える。

 鉄打ちの重コートが揺れ、金属のプレートアーマーが軋む。


 だが、仲間たちの攻撃の手は休まらない。

 狙撃するようにガロットは、狙いを魔物の頭部へとしっかりと定め、短銃の引き金を引いた。


 銃声が響き、弾丸が唸り声を上げるように飛び、夜狼の頭部を一撃で撃ち抜く。

 夜狼の頭部が砕け、脳髄が飛び散る。

 夜狼は悲鳴を上げることもなく、塔から落ちていく。


「一撃で仕留める……これが俺のやり方だ」


 薄く笑いながら彼が呟いた。

 狙撃するようにヴェルナーも、狙いを魔物の頭部へとしっかりと定め、短銃の引き金を引く。


 銃声が響き、弾丸が夜狼の額を貫いた。

 弾丸が着弾した瞬間、閃光とともに"浄化の焔"が弾ける。

 夜狼は悲鳴を上げ、炎に包まれながら塔から落ちていく。


「神の裁きを受けよ」


 冷静に彼が冷たく呟いた。

 狙撃するようにルーカスも、狙いを魔物の頭部へとしっかりと定め、短銃の引き金を引く。


 銃声が響き、弾丸が血餓狼の頭部を貫いた。

 血餓狼は悲鳴を上げ、塔から落ちていく。


「うおおおお……!まだまだ行くぜ……!」


 彼が叫んだ。

 狙撃するようにユリウスも、狙いを魔物の頭部へとしっかりと定め、二連式銃の引き金を引く。


 銃声が連続して響き、弾丸が夜狼たちの頭部を正確に貫いた。

 夜狼たちは悲鳴を上げ、塔から落ちていく。


「……正確に、一撃で」


 無表情のまま彼が呟いた。

 銀灰色の髪がポニーテールで揺れ、前髪が右目を隠している。


 狙撃するようにヴィオラも、狙いを魔物の頭部へとしっかりと定め、機構式クロスボウの引き金を引いた。

 矢が放たれ、夜狼の頭部を貫く。

 夜狼は悲鳴を上げ、塔から落下した。


「これでどうかしらね……!」


 彼女が叫んだ。深い漆黒に紫を滲ませた長髪が三つ編みで揺れ、紅い瞳が鋭く光る。

 狙撃するようにリュネットも、狙いを魔物の頭部へとしっかりと定め、短銃の引き金を引いた。


 銃声が連続して響き、魔力の波紋が夜狼たちの頭部を貫く。

 夜狼たちは動きを止め、塔から落下した。


「……止める」


 無表情のまま彼女が呟く。

 漆黒に近い深藍色の髪が揺れ、細めの淡い銀青の瞳が冷たく光る。


 細腰からの曲線が美しく、腰回りのラインが色香を漂わせた。

 セシリアは杖剣を高く掲げ、詠唱を始める。


「咆えろ、我が内に眠る紅蓮。その慈悲なき抱擁(ハグ)をもって、万象を灰燼(かいじん)へと帰せ。――煉獄の喝采(プロミネンス・ヘイル)!」


 彼女の声は優しく柔らかいが、その魔力は圧倒的だ。

 杖剣の先端から炎が放たれ、塔の外壁に張り付く魔物たちを包み込む。


 炎は五体の夜狼たちを纏めて焼き払い、夜狼たちは悲鳴を上げながら炭化していく。

 炎は激しく燃え、夜狼たちの肉が焼ける臭いが漂う。


「えへへ……まだまだですぅ……!」


 微笑みながらセシリアは叫んだ。

 イグナーツは、次々に倒されていく魔物の姿を確認しながら、短銃に弾を込め始める。


 弾丸を一発、また一発と装填していく。その手は迅速で、無駄がない。

 そして、仲間たちに声をかけた。


「これは人間と魔物による命を賭けた戦いだ! この戦いは朝まで続く! 全員、気合を入れて必死に抵抗しろ! 一瞬たりとも気を抜くな! 生き残るために全力を尽くせ!」


 彼の声は力強く、仲間たちを鼓舞する。

 切れ長の黒目がちな瞳が鋭く光り、濃藍の羽織が風に揺れた。


「「「了解!」」」


 全員が気合を入れた返事を行う。

 だが、その瞬間、銃を使う者たち――ガロット、ヴェルナー、ルーカス、ユリウス、ヴィオラ、リュネット――は弾切れを起こした。


「くそ……弾切れだ……!」


 舌打ちをしながらガロットが弾を込め始める。


「俺もだ……!」


 冷静にヴェルナーが弾を込め始めた。


「俺もだ……!」


 焦りながらルーカスが弾を込め始める。


「……弾切れ」


 無表情でユリウスが弾を込め始めた。


「あたしも……!」


 焦りながらヴィオラが弾を込め始める。


「……弾切れ」


 無表情のままリュネットが弾を込め始めた。

 その瞬間、魔術師たち――カタリナとエリザベート――が弾を込めている仲間の援護を行う為に動く。

 カタリナは魔術刻印杖を高く掲げ、詠唱を始めた。


「荒れ狂え、無形の刃。目に見えぬ旋律をもって、その肉身を細塵(さいじん)へと解体せよ。――断絶の銀輪(シルフィード・ジグ)!」


 彼女の声は甘く柔らかいが、その魔力は圧倒的である。

 杖頭の欠けた水晶から魔力の霧が放出され、周囲に魔法陣が展開された。


 次の瞬間、魔法陣から強烈な風が放たれる。

 風は石造りの手すりに手をかけた魔物たちを吹き飛ばし、夜狼たちは悲鳴を上げながら塔から落ちていく。

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