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第13話 城攻め

【サイド:帝国軍】


 エンケラド辺境伯軍に向けて放たれた魔法は、白銀の壁に到達した瞬間、ドラン帝国に向けて反転し、更に威力が加算され、ドラン帝国軍に飛来した。


──帝国軍は降り注ぐ魔法に逃げ惑い、阿鼻叫喚の惨状を作り出した。


 半壊したドラン帝国軍は、体制を整える前に、三人の戦乙女が、一瞬の間に飛来し、一騎当万以上の勢いで、ドラン帝国軍を薙ぎ払っていったのだった。


 猫又が人化したシヴァは、白龍が人化したミロクと麒麟が人化したディアに『この軍の指揮者は生け捕りにゃよ〜』と念話でジュリアスの命令を再度伝えたのだった。



【サイド:共和国軍】


 サリウス領では、大空いっぱいに広がった魔法陣を六万の兵が仰ぎ見ている状況を、テティアは遠めに見ていた。


「なによあれ!ぶふっ!!全員空を見上げて、すごく間抜けね!」


「「テティア様、真剣にお願いします。」」


「シルビアもミツルギは真面目ね!そろそろ、行くわよ2人とも!」


「「はい!テティア様」」


「じゃぁいくわよ!エリスちゃん直伝の術式行くわよ『ソドム(超電爆)』展開!」


 共和国軍6万の兵士がいる上空だけが、厚い暗雲が立ち込み始め、深紅や赤紫の稲光が縦横無尽に走った。


 雷鳴がとどろき、暗雲の中央から真紅の稲光いなびかりを纏った雷光球が、雲を割くように浮かび上がった。


 瞬間に、立っているのもやっとと思うほどの暴風雨に煽られ、六万の兵は、手に持っている武器や盾を支えに、部隊ごとに固まって暴風に抗っていた。


 カッ!と雷光球から紫電が程走り、豪雨とともに一斉に降り注いだ。


 六万の兵の9割強が感電し、バタバタと倒れ、魔力抵抗の高い兵は、膝を突き、暴風雨と落雷の衝撃に耐え忍んでいた。


 徐々に、暗雲は高度を下げ、地上すれすれの所まで舞い降り、暗雲はうねり、まるで生き物のように渦を巻き、そのまま、六万の兵を飲み込んだ。


 暗雲の中は、高密度の水流が渦巻き、感電した兵を造作もなく巻き込み、取り込み、ぎりぎり膝をついて、耐え忍んでした兵たちも、塵芥のように、渦の中に巻き込み、全ての兵の意識を刈り取った。


 暗雲が晴れ、雷光球も消え、晴天の青空のもと、倒れ伏した泥塗れの六万の兵が地を覆いつくした。


「「「………」」」


 テティア、シルビア、ミツルギの三人は、その威力に冷や汗を流し固まった。エリスから聞いていたのは、痺れて動けなくなるとだけ説明を受けただけだったのだ。


 サリウス領軍は、震える手に杖を構えたまま、背に冷や汗をかき共和国軍の兵が成すすべなく、1度の術式で壊滅するのを目の当たりにし、怖じ気付きながらも、仲間たちと震えながら勝鬨をあげた。


 やり過ぎてしまったのは仕方が無いとばかりに、テティアは、ミツルギとシルビアに目で合図を送り、自軍の兵に領都の結界内にて、待機という名の休息を命じ、3人は焦りつつ邸宅に帰還した。



【サイド:ドラン帝国城】


『メアリー様、ドラン帝国城制圧隊ファル班200名城内に潜伏完了、総員配置に着きました。』


『ええ、わかったわ。』


『総員、命じます。拘束班、エバンズ宰相ほか対象者を拘束後、皇帝のいる謁見の間へ参集。

 爆破班、帝国軍駐留所ほか8カ所の完全爆破後、城を完全封鎖、誰も中から出すな。

 謁見の間を即時制圧し、ドラン帝国最高戦力を無力化する。

 それぞれ、計画通り、これより60秒後に作戦開始。カウント開始!」


 ドラン帝国の騎士団詰所と衛兵詰所5カ所、帝国中央騎士団詰所、法政執政官所、王城内騎士団詰所の計8カ所が同時に大爆発を起こした。


 城下のあちこちから、何度も爆発が起こり、煙と炎が吹き上げ、城下に火の粉が舞い降りた。


 帝国城内では、下層から順に近衛兵や文官や侍従、メイドなど捕縛対象以外はすべて無力化され、縄で手足を拘束され床に転がされ、各階層を瞬時に無力化されて行く、捕縛対象者のいる上層へ進む。


 ドラン帝国に潜んでいいたのは、サリウス領軍の兵で、メアリーとビャクとファルの指揮で全員が隠蔽、隠密、気配遮断、魔力遮断、身体強化、精神安定の各種術式を付与され、メアリーに鍛え上げられた実力者揃いの部隊だった。


 ビャク率いる部隊は、転移術式で謁見の間の中央に転移し、部隊は左右の近衛兵を即座に無力化した。


 皇帝とそれを守護する七魔帝が即座に皇帝を守る布陣に移動し、武器を抜き構えた。


 ビャクは、青白銀のドレスアーマーに漆黒のマントに漆黒の羽根が装飾されたヘルムを被り、手には漆黒の8翼が翼を広げた錫杖を掲げ、謁見の間中央をゆっくり、皇帝のいる玉座に向かって歩を進め、10m手前で立ち止まり、カーテシーを真似て、マントを優雅に摘み一礼した。


「初めまして、皇帝陛下。」


「ほう、美しいな。其方は、何者だ、余を皇帝と知っての狼藉か···?まあよい、其方を拘束してから聞き出せば良いか。七魔帝よ、速やかに鎮圧せよ。」


「御意!」


 ビャクは、錫杖を持つ逆の手を上げ、部隊の者達に動くなと、合図を送った。


 剣を抜き、瞬歩で七魔帝のうち3人がビャクに近接し、魔力を纏った剣で切りかかった。皇帝の側に立つ2人が同時に杖に魔力を滾らせ魔法を発動したのだった。


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