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第14話 聖母降臨

 迫りくる七魔帝の繰り出す剣戟を、紙一重でビャクは涼し気な顔で躱し続け、足下から拘束魔法が発動するが、それも錫杖をトンと床を叩き拘束魔法を霧散させる、背後から迫りくる、アイスランスも同様に霧散させた。


 七魔帝が、剣戟は全て舞を舞うかのようにスルリ、スルリと躱され、魔法は即座に無力化され、帝国一の使い手は、全く歯が立たないことに苦渋の顔を晒し、ドレスアーマーの美女から一旦距離を取り、一層警戒した。


「た、楽しませてくれますね。それでは、こちらも、本気で行かせてもらいます。」


「はぁ?塵芥の分際で、力量の差も理解できず、初戦から本気を出せないのなら、生きている価値はありませんね。」


「「「貴様!?七魔帝の三天剣の本気を思い知るがいい!」」」」


 七魔帝の三天剣は、魔剣に魔力を込め、魔剣の封印を解除した。


 魔剣は封印を解かれ、あるべき禍々しい姿へと変貌し、魔剣から異質な魔力が三天剣に流れ込み、瞳の色が血の色に染まり、膨大な魔力が吹き上がった。


「「「さぁ、これからが本番だ!!いくぞ!」」」


 三天剣の移動スピードが格別に上がり、謁見の間の左右に控える部隊の者達の目からは残像を捉えるのが精いっぱいで、驚愕に瞳を瞬かせた。


 三天剣は、高速移動しながら、魔剣の能力により、幾数幾十の氷の斬撃を飛ばし、また、炎を纏わせた新撃を繰り出した。


 全身に雷を纏い光速で動き回り、雷を纏った剣で切り付けてくるのを、ビャクは同等以上のスピードで躱し、反らし、錫杖で払い、ビャクを中心に球状の衝撃破が密集する空間を作り上げた。


「はぁ⋯。三天剣とは大層な名前を付けたものだわ。三馬鹿トリオに改名したらどうかしら?」


「「「 く っ!? 」」」


「⋯そろそろ、次の部隊も到着時間ですね⋯…。遊びはこれまでだわ。」


 攻撃の合間、三天剣は、一瞬目の前にいるビャクの姿を見失い、焦りで立ち止まり付近を見渡したところ…


「三天剣!!上だ!!」と、七魔帝の一人が叫ぶ声が聞こえ、同時に体が重く、床に押し付けられ、床に蜘蛛の巣状の罅が入った。


「ぐっ!な、なんだ、こ、これ、は!」


「皇帝陛下、申し訳ありませんが、お時間のようなので、お遊びはこれまでとさせていた

だきますわ。『重力拘束術式』発動。」


 ビャクは、錫杖を振りかざし、術式を高速展開した。皇帝陛下を始め、七魔帝の4人も重力に囚われ、謁見の間の床に這いつくばった。


 しかし、七魔帝の一人が、瞬時に魔法を発動し、反重力結界を展開した。


「くっ!この部屋全体に反重力結界を展開したつもりが、自分の範囲がだけしか発動できないとは!貴様の未知の魔法は!古代魔法か!」


「はぁ?よくわかりませんが、これならどうですか『超重力拘束術式』発動。」


 ビャクは、『重力拘束術式』の5倍の重力場を発生させ、アンチ重力フィールドを無効化した。


「わ、私の魔法が、通用しないだと!?くっ、」


 謁見の間の扉が、バンッと開けられ、ファルの部隊が宰相を筆頭に続々と簀巻き状態の首謀者を連れて来たのだった。


 その様子をみた皇帝は、冷や汗を流した。それは、隣国ミレニアム共和国のエンケラド辺境伯領の募奪とミレニアム共和国のアルデバラン公爵との密約に関わった者達だった。


 そして、23名の者達が玉座の前に転がされた。


 そして、扉の奥から、紅白銀のドレスアーマーに漆黒マントに漆黒の羽根が装飾されたへルムを被り、手には漆黒の8翼が翼を広げた錫杖を掲げたメアリーが、ゆっくりと調見の間中央を進み、ビャクの横に並び立った。その斜め後ろにファルが立ち並ぶ。

 そして、ビャクはジュリアスに念話を送った。


 ビャクとメアリー、ファルが互いに3歩左右に退き、片膝を立て、中央の空間に頭を垂れた瞬間に、その空間を埋めるかのような清浄な魔力が溢れ、重厚な白銀のバトルドレスに、魔力で浮遊する羽衣を背に、手には後輪の輪の中に漆黒の8翼が翼を広げた女神と、それを包み込むような聖母が装飾された、エリスとジュリアスが創造した聖母の錫杖を携え、頬を染めたテティアが現れた。

───

──

 その数十分前、テティアは困惑していた。

「お母様!お母様の衣装はこれよ!今日のために準備したのよ!さぁ、皆さま!キリキリ急ぎ準備をお願いしますわ!」


 エリスとジュリアスが創生した魂心のドレス。そのゴージャスさに眩像を覚えた。


「えっえっ!なに?なに?私はバトルアーマーではなくて!?バトルドレスなの!?」


 着替え終わったテティアは、自分の役割が間近に迫るなか、着替えることもできないことを悟り、遠い目をした。


「えぇ〜。これで、皇帝に会うの⋯⋯かしらぁ⋯////流石に恥ずかしいわね…」


「綺麗ですわ!お母様!!」


「ありがとう。ジュリアス///」


「さぁ、お母様!そろそろ出番ですわよ!羽衣に魔力を注いで!早く!早く!もっと神聖な魔力を意識して!?さぁ、いよいよ、ビャクから念話が入ったわ!お母様、飛ばすわよ!」


「ちょっ、ちょっと待って!心の準備が!エ、エリスちゃん?」


「行って来るのじゃ!!お母様〜〜〜♡」


「エ、エリスちゃん!こ、言葉が、も、も戻ってるわよぉ!?」


「『転移術式!』発動じゃ!!」


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