表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/95

第8話 少女の微笑み

「アドルフ宰相!大変です!」


「どうしたザラス法務卿、先ほどの映像魔道具のおかげで、わしは頭が痛いのだよ…⋯」


「先ほど、記録結晶の魔道具を届けたサリウス伯爵の使いの者が再び訪れ、記録結晶とサリウス伯爵からの書状を再び届けに来まして、内容を確認したのですが、国家の一大事です!」


「⋯⋯な、なに?それほどのことか?」


「はい、これをご覧ください。」


 ザラス法務卿から受け取った書状をアドルフ宰相が封を開け、書状に目を通した。


「なんだ、これは、どういうことだ⋯⋯。」


『ほんの半刻ほど前に書状を提出して、この国の現状を憂えたところでしたが、再度、サリウス伯爵として、この国の窮状に強い不信感と我が孫への学術院での扱いも含めて遺憾の念が拭えません。

 記録結晶をご覧いただければ、状況は把握できると思いますが、これがこの国のやり方かと非常に残念です。

 また、騎士団の統率も図れず、人事も掌握できず、腐った貴族共の在り方を良しとするのであれば、サリウス伯爵領を収める立場として、領民を守るため、腐った国の在り方を考えなければなりません。

 ことと次第によっては、このまま、蜂起する覚悟です。

 戦場でお会いできることを楽しみにしております。

    ───ミモラ・サリウス


追伸、この国を混乱に貶めようとしている方達がいらっしゃいます。何も手を打たないならば、貴方達無能は共に滅びなさい。これが、最後の慈悲です。」


「····蜂起?···何もしないと共に滅びる?ザラス法務卿、映像を頼む⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


「はっ?アレクレス第2騎士団長はいったい何を⋯」


「「⋯⋯⋯⋯」」


 映像を見終わったアドルフ宰相は頭を抱え、ザラス法務卿は胃を抑え項垂れた。


 映像には、ミレニアム共和国の決定事項として、強制連行することや、従わない場合は国家反逆罪であることなどを騎士団長が巻くし立て、騎士団が、エリスディーテ嬢とジュリアス嬢に向け抜剣し、攻撃の意を示した事実。


 また、最悪なことに、エリスディーテ嬢とジュリアス嬢を騎士団が取り囲み、幼い少女に向かって剣を振り下ろしているのをしっかり首都の民達が一部始終を観ていること。


 取り分け、幼い子どもに大の大人が、しかも騎士団が寄って集って、威圧し抜剣するなど狂気の沙汰ではない。


 言い逃れができない最悪の事態に、宰相は、第1騎士団長を呼び出した。


 エリック・ベナード第1騎士団長が宰相の執務室に通され、記録結晶の魔道具2つを見せられた。


 次に、サリウス伯爵の書状2通を見せられ、頭を抱えた。


 第2騎士団の素行の悪さは知っていたものの、それを派遣した者への憤りを隠せなかっ

た。


「第2騎士団を学術院への派遣を推薦した者は?」


「··········アルデバラン軍務卿とモビット伯爵です」


「責任の所在は、この2人でよろしいか。宰相···。」


「うむ。·····既にセイド・モビットとズルイド・モビット伯爵、ついでにザイル・エルビス子爵は近衛騎士団が捕縛に向かっている。アルデバラン軍務卿は黒でもなければ白でもない状況だ。まずは、第2騎士団を捕縛してから吐かすほかないな。」


「宰相、サリウス伯爵がこのまま転覆を狙った場合の戦力はいかに?」


「王家の影の調査内容だが、ミモラ伯爵、伯爵の専属侍女長兼侍女頭のシルビア、娘のテティア次期伯爵、その娘のエリスディーテ嬢とジュリアス嬢、家令のミツルギ、サリウス騎士団参謀のメアリー、エリスディーテ専属侍女カレンの6人については、計り知れない能力を有しておる。一騎当万とも言える武力を持っている可能性があると報告を受けている。

 これ以外に、エリスディーテ嬢とジュリアス嬢に付き従うビャクとその従者5人は未知数だが、同等かそれ以上の戦力があることが予想される。

 サリウス騎士団もメアリー騎士団参謀の指南によって、共和国騎士団の練度より遥かに高いと評価されているようだ。それに…いや、何でもない。」


(神隠しの首謀者かもしれないと言っても、正気を疑われるだけか…)


「·········。どんなふざけた家族ですか?一騎当千、いや、一騎当万以上が12人ですか?信じられませんな⋯」


「信じられないかもしれないが、それが事実だ。では、急ぎで、エリック・ベナード第1騎士団長、第2騎士団長を捕縛しに行ってくれるか?」


「はっ!命令を賜りました。」


 エリック第1騎士団長は、騎士団百名を連れて、急ぎ現場に向かった。


 人垣を抜け、現場に到着すると、そこには信じられない光景があった。


 屍累々の騎士が倒れ、大勢の首都の民がそれを取り囲み、拍手喝采しながら一部始終を見ている状況、異質にも、小柄な少女が馬車の御者に向けって満面の笑みでダブルピースサインをして、もう一人の少女が民衆に手を振って応えている姿が見られた。


「な、なんだ、これは⋯⋯⋯。第2から第5班、第2騎士団の捕縛と救助に向かえ、第1班は、俺について来い。」


「「「「はっ!」」」」


 エリック第1騎士団長は、この惨状を作り出したのが、8歳の少女たちと信じられず、引き連れている部下数名に命じ、市井の民への聞取り調査に向かわせた。


 残りの部下たちと共に、エリック第1騎士団長は、馬車の前で満面の笑顔でピースサインをしていた少女の元に…


 エリック第1騎士団長は、訝しみながら少女に近づきおもむろに話しかけた…


 突然、少女二人から溢れるプレッシャーに、咄嗟に剣の柄に手をかけようとしたが、強靭な精神力で抑え込む


 その場にいた騎士の殆どが、二人の威圧プレッシャーに負け、咄嗟に剣を抜いた……抜いてしまったのだ。


 二人の少女は、穏やかに微笑んだ…


((第1幕の開幕ですわ…♪))



エリスですわ!

ジュリアスですぅ!

エ:とうとう第1幕が開幕ですわ!

ジ:やっとですぅ、第1騎士団が出て来たら、後は……。

エ:ジュリアスだめよ。ネタバレになっちゃうわ

ジ:そうね!お姉様!また、明日も見てね!華麗に舞い踊るわ!

エ:ええ、そうね(*^^*)/応援もお願いね!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ