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第9話 母テティアのサプライズ

 双子の神聖界は、一変し今では、神の使用人となった人々と共に楽しく暮らしている。


「ここに来てから2年になるわね。神聖界の創造も意外と楽しかったわね。それに、やっと落ち付いたわ。テティアの方はどう?」


「そうね、私の方もようやく落ち着いたわ。お母様が地上世界に行くのを忘れていたおかげで、エンケラド王国でサリウス領の運営について、引き継いで来たわ。サリウスも教皇の代理の方がうまく運営しているわ。それに、住民だった人達の殆どが、敬虔な信徒として、各国の新神教会の牧師や布教師になって頑張っているわ」


「世界もいい方向に向かってるって、エリスとジュリアスも喜んでたわ」


 それは良かったわ。そろそろ、全員落ち着いたことだし、この世界の神としての神聖界へ移住をお祝いする。パーティーでも開こうかしら」


「それは、いいわね!地上世界のような煩わしさもないから、エリスちゃんとジュリアスちゃんも喜ぶわ!」


 こうして、突如決まった双子の神聖界の誕生を祝うパーティーが行われることとなった。


 また、会場のスタッフに天使達をスタッフにとミカエルから提案があり、推薦があった者達を招待し、サリウス一家の使用人達と共に、賑やかな楽しい会場設営が行われた。


 料理は、エンケラド王国に協力を要請し、王宮で作られた宮廷料理を惜しげもなく国王メイルは振舞い、王宮で料理した料理や飲み物を、神獣達が転移で会場へセッティングした。


 引越しを祝って、サリウスー家全員でお祝いすることとなり、屋敷で働く神の使用人全ての者が参加を許された。 


 また、エリスとジュリアスの提案で、新たな神としての披露を兼ねて、冥界からは冥王ハーデスが、魔界から魔王バエルが、天界から熾天使ルシフェルと大天使ミカエルが、精霊界から精霊王ルビオンと火のサラマンダー、水のウンディーネ、土のノーム、風のシルフィール、各属性の大精霊を招待した。


──パーティー当日


「皆様、ご機嫌よう。私が地上界にいた時は、エリスディーテ・サリウスと名乗っていましたが、ここでは、エリスディーテです。そして、こちらが、双子の妹のジュリアスです。私達二人がこの世界の調律者で創造神ですわ」


 家族全員を紹介し終えたエリスは、各界の調整者達を家族へ紹介した。


 冥界の王ハーデス、魔界の魔王バエル、天界の熾天使ルシフェル、大天使ミカエル、精霊界の精霊王ルビオンと各属性の精霊王達を紹介した。


 それ以降は、自由に歓談しパーティーを楽しむ面々。そこに使用人達も全員が参加しているが、参加している面々が地上界の王以上の世界の調整者達に恐れおののき、食事が喉も通らない状況で冷や汗を流していた。


「エリスちゃん、ジュリアスちゃん。少しいいかしら」と、母テティアが二人を呼び止めた。


「「どしたの?お母様」」


「二人にお願いがあって、少し付き合ってくれない」


「「いいわよ」」


 こうして、二人は母テティアの後をついて行き、何故か妹の神聖界から姉の神聖界の池の畔に訪れた。


 そこには、見たことも無い、荘厳な純白の巨大な扉があった。


「お母様、この扉はいったい⋯⋯⋯この扉から凄い神力を感じるわ⋯⋯⋯⋯⋯」


「お姉様、この神力って⋯⋯」


「二人とも何となく気づいちゃった?お母さんからのサプライズよ」


 テティアが扉に向かって生命の息吹を吹きかけると、扉がエメラルドグリーンに輝き始め、ゆっくりと開かれていく。


 眩い輝きの中から、女性のシルエットが現れ、扉が完全に開け放たれた。


「さあ、貴女達が、ずっーと会いたかった、母なる世界の女神様よ」


「「えっ!?本当に!!」」


「で、でも、この肉体のお母様はテティアお母様一人じゃ⋯…」


「母上に、会えるの!?⋯⋯でも、お母様は、それでいいの⋯⋯⋯。」


「いいのよ、それに、貴女達の母親は、お腹を痛めて産んだ『私』と、貴女達二人の魂を創造した『女神《《アウロラ》》様』の二人がいたから、今があるのよ…」

「「母上(お母様)の名前って女神《《アウロラ》》様⋯って言うの!?何でお母様が知ってるの!?」」


「そんなことは、後でいいわよ。ほら、早く行ってらっしゃい!」


 エリスは一目散に駆けだした。ジュリアスはその後を追うようにして、駆けだした。


「母上────!!!」

「お母様────!!」


 エリスは、暗闇で一人きりだった頃から、悠久の刻を常に母上に見守れていたことに気づいていた。


 溢れる感謝と願いが叶ったことで、『慈愛』と『希望』の権能が溢れ出し、世界へ神の寵愛が溢れ出した。


 世界と異界は慈愛と希望の光に満ち溢れた。その影響で様々な理の不条理が鎌首をあげた……。


「アフロディーテ!!マーキュリアス!!」


 二人は、アウロラの胸に飛び込んだ、そして、三人は熱い抱擁を交わした。


「母上、母上、母上⋯」


 エリスは、アウロラの胸に顔を埋め、泣き続けた。


「アフロディーテ⋯いいえ、今は、エリスディーテね。それにジュリアスだったわね。本当に会えて嬉しいわ」


 アウロラは、二人にしがみつき、泣き崩れた。

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