戦略的撤退
最強と噂されていたパーティから追放された4人。
追放された仕返しにパーティのテントを爆破しお尋ね者に。
そんな中捨てられたダンジョンを見つけ、そこで気ままに暮らします。
職業、魔法、魔物、勇者、ダンジョン有り!
体操選手結、治癒師まど、発明家遙、運動選手奏音の4人がドタバタ暮らします!
私たちが縁側に座って暖かい蕎麦茶を飲んでいると、
急に雲行きが怪しくなって来た。
燦々と降り注いでいた陽は影を潜め、代わりに雷鳴が轟き始めた。
そして丁度よくデイが辺りに濃厚な葡萄の匂いを漂わせながら現れた。
「お呼びだ、天空王ゼウスが」デイが暗く呟き、
私たちの体は舞い降りた雷に包まれた。
オリンポス十二神の宮殿
オリンポス十二神の宮殿は、全面が大理石で構成されていた。
玉座が設置してあり、それぞれの象徴が背後に描かれている。
ただ、飄々と咲くヒマワリが描かれた農業神の玉座、
歯車が描かれた鍛治神の玉座と葡萄の蔓でできたデイの玉座が足りない。
だから今はオリンポス九神だ。
人がいなくなった天界の映像をジッと見つめている
ゼウスはギリギリと歯軋りをし、武器の雷撃を握りしめている。
ポセイドンは呆れたようにゼウスの様子を見、アフロディテは妖艶に微笑んだ。
「あの…本日はどのような御用件で?」と奏音が実に間抜けな質問をした。
そんなことは分かりきっている。
どうせ「アクティを引き渡せ」か「責任を取って切腹しろ」だ。
「グッ…貴様らアクティの主どもは不法に民から税を搾取している!
よってこれからアクティの管理は私が受け持つ」
そら来た。ちなみにアクティで税は取っていない。
完全な言いがかりである。
ポンっと音を立てていつも逃げ足が速い2人が霧に姿を変え、
慌ててドアに向かった。
その瞬間ドアが雷の膜で覆われ、2人は後ろに後ずさった。
「逃げられるなら。逃げて仰せようこの宮殿から」
鳴かぬなら、鳴かせてみせようホトトギスみたいに言うな!
その瞬間宮殿が爆発した。
そして吹き飛ばされた九神の四肢が恐ろしい勢いで腐っていく。
これはまどの力『治癒』を反転させて『腐食」にしたものだ。
「【戦略の女神】アテナ、追えっ!」とゼウスが喚くのが地上から
微かに聞こえた。
背中から4対の羽根を生やしたアテナは、鬼女の形相で槍を振り回し
追ってくる。
私たちは逃走に慣れているので(情けない話だが)逃げ足だけには自信がある。
しかし、スタミナの差というものがある。
疲れた私たちはやむなく地上に降りた。
そこは運良く廃墟で、崩れ落ちそうな城以外何もなかった。
「神妙にしなさい!」とアテナが喚いている。
そしてアテナの背後から1人の神が現れた。
「私は【勝利の女神】ニケ。私は獲物を逃がしません」
穏やかに微笑んでいるが眼は火の如く輝いている。
そしてアテナが堂々と前に出て来た。
「コソコソと逃げようとする輩は今ここで消し炭にします」
「私が爆破結界を張りました。何か高尚な作戦か何か以外では破れません」
今まさに逃げようとしていた私たちは固まった。
そして真っ先に逃げた2人が交互に話し始めた。
「ニケ、これは逃げてるんじゃないんですよ」
「物事を見た目で判断しないほうがいい」
「こういう言葉を知ってます?」
「「戦略的撤退」」
デイ:俺はアクティに逃亡したんだぜ
秘書:デメテル様とヘパイストス様も御一緒に




