タルタロス様!お目覚めください
最強と噂されていたパーティから追放された4人。
追放された仕返しにパーティのテントを爆破しお尋ね者に。
そんな中捨てられたダンジョンを見つけ、そこで気ままに暮らします。
職業、魔法、魔物、勇者、ダンジョン有り!
体操選手結、治癒師まど、発明家遙、運動選手奏音の4人がドタバタ暮らします!
最近暇すぎて「お悩み解決」的な事を私たちはやっている。
先日もある王の頼みを解決したばかり。
なぜそんな事をするのかって?暇だからさ。
というか私たちの行動のほとんどが「暇だから」という理由で構成されている。
おかしな奴だ、と思われる方がいるかもしれない。
でもよく考えても見て欲しい。だって「不死」だよ?
時間は使っても使ってもあるから、そりゃ暇にもなるよ…
昔から生きている神々の一部は、あまりにも暇すぎて冬眠のような状況で眠っているらしい。
まあ、確かに眠ってしまえば何も考えなくていいからね。
それで…調子に乗って「何か困ったことはありませんか?」と神々にも聞きまくっていたら、
運悪く最悪な願いを頼まれてしまった。
依頼人は【冥界の神】オシリス。ゼウスにも引けを取らない最高神レベルの神だ。
「それが、困ったことになってしまったんじゃよ。
2000年ほど前から眠っている【深淵の神】タルタロス様を起こしてほしいんじゃ」
そこでアモンが例の如くゴファッと茶を吹きかけたが、今回はまどが強引に頭からハンカチを被せた。
オシリスの庵から足取りも重くトボトボと帰る時、アモンがタルタロスの説明をしてくれた。
「タルタロス様は地獄よりもっと深い、『深淵』という所を司ってらっしゃる。
『深淵』には獰猛な巨人族やらドラゴンやらがいて、怨霊や亡者が徘徊してる」
ここで、ヒーッ!と遙が声をあげた。
「タルタロス様は宇宙が生まれた時から数えて3番目ほどに生まれた原初の神だ。
だから苦労も年齢に比例してて…
私は疲れた。しばらく眠るから後よろしく と数人の神に言い残して眠ってしまった」
「しばらく眠る ってのが2000年か」と奏音が遠い目をして空を見上げた。
「行くしかないのか…タルタロス様は寝起きの機嫌が悪いことで有名だ」
ここでさらに奏音が諦めたような眼をした。
ああ、俺は原初の神に八つ裂きにされるのか という眼だ。
ポンっと音を立てて私たちは『深淵』へと転移した。
『深淵』
『深淵』の中心では、影が渦巻いていた。
全身を影で覆われた若い女、タルタロスは微動だにしなかった。
「あの…タルタロス様?起きてください!」とまどが声をかけると、
タルタロスの耳に影が集まって耳栓がわりになった。
「起きてください!」「起きてーーー!」「起 き て!」
数十分後。「ええい、面倒くさい!これでも喰らえこのクソババア!」と
怒鳴った奏音が遙から受け取って投げつけたのは、閃光弾。
カッと光が煌めき闇が一瞬消える。
そして静寂が戻った闇の中には、鬼女の如くゆらりと立ち上がったタルタロスの姿があった。
「誰がクソババアだこの低級神どもがあああああああああ!」
「大変申し訳ございません。責任はこの【身体の神】が取りますので
私どもはご容赦を」
ピシリと遙が頭を下げその後すぐに遁走し、全員が慌てて後を追った。
おいこら、私が責任を取るってどういうこと!?
ガシッと肩を掴まれた。
「ちょっと来てもらおうか」消し炭にされる寸前だった私を救ってくれたのは、
【冥界の神ハデス】だった。(冥界の神は数人いる)
「タルタロス様!お目覚めですか。ご機嫌麗しゅう…ゴニョゴニョ」
とハデスが言いたくもない社交辞令を並べ立てている間に私は逃げた。
後で思い返して思ったけど、あれは悪役の逃げ方だった。
そして先に逃げた全員に雷を落とし、(本物の雷)罰を与えた。
めでたし、めでたし。
「それは俺を見ても言えることか?」
……後ろに黒焦げのアモンが立っているが、見なかったことにしよう。
きっと幻だ。うん、そうに違いない。
デイ:「口は災いの元」を見事に体現してるんだぜ
秘書:なんか教訓話みたいですね




