図々しいお客様——そして伝統テストの幕開け
木曜日の午後。自習室。
陽光が窓ガラスを通り抜け、空気の中に、本の古びた匂いと、お菓子の香りが漂っている。
「骨折り損小隊」は、また慣れ親しんだ場所を陣取っていた。だが今日は、招かれざる客が一人、加わっている。
ウォフ・ルフは干し肉を噛みながら、困惑の目でその少女を眺めていた——遠慮もなくダイクの持ってきたお菓子袋から発光する飴玉を一掴みし、さらに爪原の弁当箱から焼き肉を一切れ摘まみ上げていく、鳥翼族の少女を。
ピンク色の、蓬々とした髪。髪が目を覆い、その間に同色の羽毛が数本混ざっている。頭頂の三本のアホ毛がやけに目立ち、彼女の軽快な動作に合わせて、ぴょこぴょこと揺れていた。
「なあ」
ウォフが干し肉を飲み込み、その少女を指差す。相変わらずの大声だ。
「こいつ、誰だ?なんでずっと俺たちの食い物を食ってるんだ?」
格賀の魂火は穏やかに燃えている。彼は午前の歴史のノートを整理しながら、顔も上げずに、平板な骨質の声で答える。
「クラスの者だ。カフイ。鳥翼族」
爪原が必死に自分の弁当箱の肉を守りながら、耳をぴくぴくと動かして小声で言う。
「ウォフ……まさか、まだクラスの奴を全員覚えてないの?」——始業からもう二ヶ月だ。
ウォフは胸を張って、堂々と言い放つ。
「だってあいつ、強そうに見えないんだもんな!俺は強い奴にしか興味がないんだ!」
彼の視線がカフイの細い身体を流し、明らかに彼女を「強者リスト」から外している。
——そして、議論の中心であるカフイは、ウォフの疑問も爪原の防衛も完全に無視して、掠め取ったお菓子を美味そうに頬張っている。
時々、指先を伸ばして、静かに隅に座る、まるで俗世と無縁なマッシュルの肩に新しく生えた、色鮮やかな小さなキノコを、そっとつつく。
そして、鈴を転がすような笑い声を上げる?——いや、どちらかと言えば、銅鑼を転がすような笑い声だ。
マッシュルはただ、ゆっくりと首を回して彼女を「見」、意味のよく分からない一声を漏らすだけだった。
「……ぐ〜」
止めもしない。
格賀がようやくノートから顔を上げ、ダイクを見る。その語気には、一筋の了然とした、そして仕方なさが滲んでいる。
「ダイク……彼女を連れてきたのは、ここで飯を食い漁らせて、マッシュルを弄らせるためか?」
ダイクは、見る見るうちにしぼんでいくお菓子袋を前に苦い顔をしていたが、慌てて手を振る。
「冤罪だよ格賀!厳密に言えば……彼女が勝手についてきたんだ!教室を出た時、影みたいに後ろに張り付いてて、振りほどけなかったんだよ!」
その時、カフイがようやく皆の視線(あるいは、存在感の強い格賀の「注視」)に気づいたらしい。
首を傾げ、ピンク色のアホ毛をふりふり。顔に、微塵の悪びれもない、燦然とした笑みを浮かべる。声は澄んで、耳に心地よい。
「あ!ごめんごめん、食べるのに夢中で〜。私、カフイ!よろしくね!」
——口では謝りながら、手は、ウォフがしまい忘れた干し肉の袋へ、また伸びていく。
ウォフは、子を守る母狼のように袋を抱え込んだ。
「おいこら!?俺の秘蔵の干し肉に手を出すな!」
「ケチくさいな〜、ウォフくん」
カフイはぱちぱちと瞬き、笑顔は崩さない。
「分け合うこそ美徳だよ!」
爪原は黙って、残り少なくなった弁当箱の蓋を閉め、背後に隠した。
格賀の魂火が、わずかに一跳ねする。下顎骨が開閉する。
「では、カフイ。ここに来たのは——俺たちの食料を『分け合う』以外に、何か目的があるのか?」
カフイは指先の砂糖を舐め取り、一度、その場の全員を見渡す。そして最後に、格賀の魂火に視線を留めた。その目の興味は、一層濃くなる。
「だって——面白いんだもん!」
彼女はぱんぱんと手を叩く。
「君たち、いつも一緒にいるし、クラスでも目立つじゃん。担任に『期待』されてたり、テストで変な技を見せてたり……君たちに付いてれば、きっといろんな、思いもよらない面白いことが起きそうだなって!」
その語気は、純粋な好奇心と、面白がり根性に満ちている。
格賀は二秒黙り、魂火を穏やかに燃やしたまま、ゆっくりと言った。
「まあ……ようこそ、骨折り損小隊へ」
「ぷはははは!(ᵔᗜᵔ*)」
カフイは一瞬呆け、それから、澄んだ大笑いを炸裂させる。笑いすぎて翼がわずかに開き、細かいピンク色の綿羽を数枚、ぱらぱらと零した。
「『骨折り損小隊』?なにそれ、超——絶バカみたいな名前!あははは!」
ウォフの顔が一瞬で真っ赤になり、むきになって反論する。
「小馬鹿にするな!俺たちはすごいんだぞ!さっきの魔力テストや披露、見てただろ?ソサ先生の評価だって、結構高いんだからな!」
——彼は、先生の毒舌な部分を、見事にスルーしていた。
爪原が小声で補足し、ウォフに現実を見せようと試みる。
「ウォフ……あの……カフイちゃんの魔力テストの結果はクラス五位以内だよ。それに、飛行技術と風刃の扱いは、ソサ先生に『機敏で実用的』って評価されてて……どっちも、ウォフより上だと思う……」
ウォフ:「???」
彼は記憶を手繰り寄せる——思い出せない。あの時、彼は格賀とマッシュルの驚異的なデータに夢中だった。
「……よし!」
彼は首を振った。狼人は、切り替えが早い。すぐにカフイへ手を差し出す。
「骨折り損小隊へようこそ!強い奴は尊敬に値する!俺、ウォフ・ルフ、もちろん強い奴は大歓迎だ!」
カフイは、彼の真剣な様子に、さらに嬉しそうに笑い、手を伸ばして、ぽんと彼の手に触れる。
「えへへ、それじゃあよろしくね、未来の大魔王くん〜」
ダイクはもう抵抗を放棄していた。空になったお菓子袋を眺め、力なく手を振る。
「もういいや……一人増えようが減ろうが……同じことか……」
——と、何かを思い出した。
「そういえば、今日の午後、なんか『伝統テスト』ってのがあった気が……ソサ先生、授業の前に言ってたよ」
「伝統テスト?」
ウォフの耳がピンと立つ。
「なんだそれ?」
格賀が解説する。
「集めた情報によると、ソサ先生が毎年の新入生クラスを担当するたびに行う、恒例のテスト項目らしい」
「またテストか……?」
爪原の耳が垂れ下がり、尻尾も緊張で挟まる。
「いいだろう!受けて立つ!」
ウォフは逆に闘志を燃やし、拳を固く握る。
「何のテストだろうが、俺の実力を見せてやる!」
ずっと静かだったマッシュルも、何か迫りくる、いつもと違う空気を感じ取ったのか、のろのろと、疑問のニュアンスを帯びた一声を漏らす。
「ぐ……?」
午後。いつもの訓練空地の縁。
だが、前回の披露とは違い、今、一年C組の全学生は、暮色禁林の、永遠に黄昏が凍りついたような景色の前に立っていた。
森の縁の木々が、長く歪んだ影を落とす。空気には、湿った土と、微かな魔植の匂いが混じっている。
レアンペ・ソサは隊列の前に立つ。深青色の袍が、林間の微風にふわりと揺れる。
氷藍色の瞳が、表情の異なる新入生たちを冷たく撫でる。顔に、余計な感情は一切ない。
「馬鹿ども」
彼が口を開く。声は大きくないが、一人ひとりの耳に明確に届く。慣れ親しんだ冷たさを帯びて。
「午後の活動は、俺の『おはこ』だ」
学生たちは、たちまち息を呑む。
「ルールは単純だ」
レアンペは背後——幽暗で深い森の縁——を指し示す。
「俺はこの区域の、特定の範囲内に——注意しろ、あくまで縁だ。危険地帯には深入りさせない——たくさんの『小物』を隠してある」
一拍置き、付け加える。
「特定の魔力が付与された印石かもしれない。隠匿術を掛けられた小型の魔法道具かもしれない。あるいは、それ以外の何かかもしれない。形も位置も、さまざまだ」
「お前たちは三人一組だ。ランダムに割り振る」
彼は、あらかじめ用意していた名簿を取り出す。
「日没までに、どの組でもいい——一つでも『小物』を見つけられれば、その組は合格だ」
「逆に、暗くなるまでに、その組が何も見つけられなければ……」
氷藍色の瞳に、危険な光が走る。
「相応の『罰』がある。無論、たくさん見つければ、特別な『褒美』も用意している」
それ以上は余計なことを言わず、すぐに組分けの名簿を読み上げ始める。名を呼ばれた学生たちは、それぞれ自動的に列を離れ、集まっていく。
「ウォフ・ルフ、マッシュル、アナンシ(発光する小さな花を咲かせた花妖の女生徒)」
ウォフは頭を掻き、のろのろ歩いてくるマッシュルと、おずおずとした花妖を見て、ぼそりと呟く。
「まあいいか。まったく知らない奴よりマシだ」
「セヒルル(泣き声の幽霊)、シートウゲン(ガーゴイル)、キューミカ(触手からまだ海水が滴っている深海族)」
種族が違いすぎる三人が並び、微妙な空気が流れる。
「爪原、バオダ(黒煙を噴くマグマドワーフ)、グルグル(名前がそのまま擬音の沼沢蛙人)」
爪原は、自分の新しいチームメイト——気性の荒そうなドワーフと、目の据わった蛙人——を見て、前途多難を予感した。
名簿は読み進められていく。学生たちは、不安、興奮、あるいは諦め、それぞれの表情で臨時のチームを組んでいく。
「最後に——格賀、カフイ・ナビ、ダイク」
ダイクは一瞬呆け、格賀と、嬉しそうにピンク色の翼をばたつかせているカフイを見た。
格賀の魂火は平静無波。カフイは、すでにダイクのそばへ寄ってきて、にこにこと言う。
「やった!面白い人たちと組める!」
組分けが終わり、レアンペは、面前の寄せ集めのチームたちを見て、相変わらずの無表情だ。
「全員、構え」
彼は手を上げ、暮色禁林の縁を指す。
「目標——『小物』を見つけること。制限時間——日没まで。では——」
「探しに行け!」
「おおおおお!!!!!!!!」
ウォフの先頭の一声に続き、ほとんどの学生が、矢のように森へと駆け込んでいく。
慎重なチームもいる。例えば爪原のチームは、まず計画を立てようと集まっていた——ドワーフも蛙人も、どう見ても策士には見えないが。
格賀は、ダイクとカフイを見る。
「行くぞ」
その声は、まるで散歩にでも出るかのように平静だ。
ダイクは深く息を吸い込み、この森に対する(前回の宝探しの悪い記憶による)わずかな影を押し殺し、頷いた。
カフイは、待ちきれないといった様子でぱたぱたと低空に舞い上がり、きょろきょろと見回す。
「どこから始めようか〜」
三人は、やがて森の縁の木々の影の中へ、姿を消していった。
空地には、瞬く間にレアンペ・ソサだけが残された。
彼は静かに立つ。深青色の姿が、暮色の林地を背景に、やけに孤高に見える。
しばらくして、彼は右手を上げ、指先で空に簡潔な符文をいくつか描いた。
「使い魔召喚——真央の眼」
言い終わると同時に、彼の前の空気が歪む。サッカーボールほどの、どちらかと言えば四角い体に短い手足と翼を持つ、かろうじて「可愛い」の範疇に収まる造物が、十数体召喚された。
微弱な魔力波動を放ち、動作は軽快で敏捷だ。
「行け」
レアンペが命じる。声は冷たい。
「あの小僧どもの様子を見張れ。行動を記録し、危険があれば事前に警告しろ。ただし——必要なき限り、手出しはするな」
十数体の「真央の眼」が、同時にぱちぱちとまばたきし、かすかに聞こえるか聞こえないかの唸りを立てる。まるで応えるかのように。
そして、群れを散らした蜂のように、驚くべき速さで、音もなく暮色禁林へ飛び込んでいき、それぞれの目標を追跡する。
レアンペは、学生たちの消えた方向を見つめ、口角を、気づかれない程度に、ほんのわずか持ち上げた。だが、その目は、やはり冷冽のままだ。
——伝統行事、正式に開始だ。
暗い森の中で。四十余名の新入生、十数組の臨時チームが、未知に満ちたこの暮色の縁に、探索の競技を繰り広げようとしている。




