特技披露会
午後。一年C組の学生たちは、担任レアンペ・ソサに連れられて、学院の広々とした訓練空地へ来ていた。
地面は固く踏み固められた土。縁には低木がぐるりと植えられ、遠くでは他のクラスも思い思いの活動をしている。
午後の陽射しは暖かい。
——本来なら、くつろげる時間だ。
だが、C組の学生たちは、一人ひとりがピンと張り詰めていた。
レアンペは隊列の前に立つ。深青色の袍は、微風にもびくともしない。
氷藍色の瞳が、彼から見れば「魔力が哀れなほど貧しい」新入生たちを、ゆっくりと撫でる。顔には、相変わらずの冷峻な表情。
「さて」
彼が口を開く。声は明瞭で、平淡だ。
「お前たちの大半の魔力測定結果は、テスト用の水晶が集団で故障しているのではと疑いたくなるほど低かった」
多くの学生が俯く。顔が熱い。
「だが」
レアンペは話を転じる。語気には期待めいたものはあまりなく、どちらかと言えば事務的な申し渡しのようだ。
「担任として、私には責任がある——いや、必要がある。自分を慰める、という義務がな」
「もしかすると、お前たちのような小僧どもにも、別の方面で……うん、仮に『特技』と呼ぶべき何かが、多少はあるかもしれない」
わずかに顎を上げる。円弧状の黒角が、陽光の下で冷たい光弧を描く。
「だから、内容は単純だ」
レアンペが面前の空地を指す。
「一人ずつ前に出て、お前たちが身につけた魔法、武技、種族の天賦——あるいは、何か見せられると思う『特技』を披露しろ。複雑である必要はない。私がお前たちをより『全面的』に(この言葉をわざと強く言った)知るためのものだ」
一拍置き、付け加える。
「無論、故意に同級生を傷つけること、制御範囲を超えた危険物や召喚物の使用は禁止する。そして——笑いを取ろうとか、バカを装って誤魔化そうとするのは、私とこの授業への二重の侮辱と見なす」
「では、最前列の左から始める」
名指しされた最初の学生は、おずおずとした様子の暗精霊だった。
彼は空地の中央に歩み出て、深く息を吸い込む。すると、身体が突然ぼやけ、自分の影の中に溶けていくようだった。そして十数メートル先の別の陰影から、ゆっくりと「浮かび上がる」。
「影渡り……か」
レアンペが頷く。語気はまったくの無風。
「合格。次」
披露はこうして始まった。リズムは、呆気にとられるほど速い。
マグマドワーフの新入生が頬を膨らませ、硫黄の匂いを帯びた灼熱の黒煙を少しだけ噴き出す——そして、自分の煙に噎せた。
レアンペ:「……制御力不足。次」
花妖の女生徒が、手の中の種を瞬時に発芽させ、首を振って揺れる発光する小さな花を咲かせた。
レアンペ:「娯楽性が実用性を上回っている。次」
ガーゴイルの新入生が低く唸り、皮膚の表面に岩のような光沢を浮かべ、防御の構えを取る。
レアンペは一瞥し、「硬度はまずまず。次」
ふわりと浮かぶ幽霊の新入生が、凄艶な泣き声を発する。声には、微弱な精神干渉が乗っている。
レアンペは眉ひとつ動かさない。
「音量不足、感染力不足。次」
評価は一つずつ短く、一つずつ毒舌になっていく。学生たちは上がる時は緊張し、下りる時は落ち込む。空気は、どんどん重くなっていく。
——ほどなく、骨折り損小隊の番が回ってくる。
ウォフ・ルフは、とっくに待ちくたびれていた。名を呼ばれるや、いの一番に空地の中央へ飛び出し、その目に興奮の戦意を燃え上がらせる。
「オラァ——!」
低く唸り、身体が瞬時に膨張する。灰黒色の毛が猛るように伸び、たちまち完全な狼人形態へと変貌する。
彼は小賢しい技巧など一切使わない。ただ純粋な肉体の力と速度を、まっすぐに披露する。
その場で猛然と踏み込み——地面に浅い爪痕を残し、その影は矢のように、空地の端に立つテスト用の杭へと突き刺さる。
「狼牙突撃!」
《ドゴォッ!》
《ミシッ!》
重い衝突音と、杭が耐えきれず砕ける音が響く。ウォフの鋭い爪は杭に深々と食い込み、その大部分を引き裂いた。
着地した後、示威するように天に向かって長く吠える。声は朗々と響き、野性の力に満ちている。
レアンペは、破壊された杭を見て、二秒黙った。
「力は基準を満たしている。速度はまずまず」
ようやくの評価。語気は、依然として平淡だ。
「変身の流暢さは普通。公物破損——放課後に、用務部へ賠償の届け出に行け。次、爪原」
ウォフの得意げな顔が、一瞬で固まる。尻尾を振り振り、「なんで賠償金がかかるんだ……」とぶつぶつ呟きながら、しょんぼり戻ってくる。
爪原は深く息を吸い込み、必死に平静を装う。
彼は場の中央へ歩み出るが、ウォフのように変身はしない。体を低く伏せ、四つん這いになり、耳を立て、鼻を素早くひくつかせる。
「僕の特技は……追跡と、速さです」
言い終わるや、彼の影が、突如としてぶれる!
瞬間移動ではない。驚異的な、地面すれすれの爆発的な速度で、場内に「之」の字の軌跡を描く!
残像すら残す速さ!同時に、鼻をひっきりなしに動かし、場内に漂う特定の、極めて微弱な匂い——おそらくレアンペが事前に撒かせた特殊なフェロモン——を嗅ぎ取っているようだ。
幾度かの急停止と方向転換の後、彼は何の変哲もない地面の一点に正確に止まり、爪で指し示す。
「ここです。一番匂いが濃い」
披露を終え、少し息を切らしながら直立に戻り、期待の目で担任を見る。
レアンペの氷藍色の瞳に、極めて細かな波紋が走ったようだった。
「爆発的な直線速度は優秀。方向転換の機動性も良好。嗅覚による追跡も正確だ」
一拍置き、
「犬人族の基礎天賦としては、開発は及第点と言える。だが、持久力は……どうやら並みのようだな。高速移動の後、息が上がっている。次、マッシュル」
爪原はほっと一息つき、嬉しそうに尻尾を振り、小走りで隊列へ戻る。
マッシュルが、のろのろと「歩いて」空地の中央へ向かう。動作は相変わらずの緩慢さで、何をすればいいのか理解していないのではとすら思わせる。
——皆が「ただ突っ立ってるだけなのか」と思い始めた、その時。
マッシュルはゆっくりと、菌斑に覆われた手を掲げた。
呪文も、詠唱も、光もない。
彼の足元の地面が——彼を中心に、半径およそ二メートルの範囲で——突如、変化する!
固く踏み固められた土の色が、急速に深い褐色へ変わり、柔らかく湿り気を帯びていく。
続いて、無数の細かな、色とりどりの菌糸が、目に見える速さで土の中から這い出し、蔓延し、絡み合い——わずか数秒のうちに、彼の足元に、ミニチュアのような繁茂した「菌類の絨毯」を形作る。
傘型、球型、珊瑚型。中には微弱な蛍光を放つものや、淡い胞子の霞を漂わせるものもある。
それだけを済ませ、マッシュルは手を下ろし、ゆっくりとまばたきを一つ。レアンペを見る。
レアンペは、その突然現れた菌類の領域と、その中心で静かに立つ真菌ゾンビを、じっくりと「観察」する。
「……領域的な生態干渉と、急速な増殖」
レアンペがゆっくりと口を開く。その声に、初めて、本物の探求的な興味が滲む。
「範囲は狭いが、速度は驚異的。制御も精緻だ。魔力の利用率は極めて高く、ほぼ無駄がない。これは単なる法術ではないな……どちらかと言えば、天賦と魔力の深い結合、か」
数秒黙り、
「非常に……独特だ。戻れ」
マッシュルはのろのろと「歩いて」戻っていく。足元の菌類の絨毯は、彼の離脱とともに急速に枯れ、消え——まるで初めから存在しなかったかのように。残されたのは、色だけが少し濃い、湿った土。
——次は、格賀だ。
骸骨の新入生は、安定した足取りで場の中央へ歩み出る。他の者たちのように動的な披露は選ばず、ただ静かに立つ。虚ろな眼窩で、魂火が穏やかに燃えている。
彼は右手の指骨を差し出す。詠唱はない。
彼の指先の前方の空気に、突然、光の痕が現れ始め、次第に符文を描いていく。
数秒維持した後、格賀は指を軽く弾き、元の状態に戻す。
披露を終え、骨の手を下ろし、レアンペを見る。
レアンペは格賀を凝視する。氷藍色の瞳に、相手の魂火が安定して燃える様が映る。
「……精緻な符文構築。安定性は、新入生の水準を大きく超えている」
レアンペの声は依然として平稳だが、その中の重みは明らかに違う。
「理論の基礎はしっかりしている。実践への転換効率も非常に高い。戻れ」
格賀はわずかに頷き、平静に隊列へ戻る。彼の披露に派手さはない。だが、多くの学生が内心で舌を巻いた。
——そして最後、ダイクの番だ。
ダイクの心臓は、太鼓のように打ち鳴っている。前の仲間たちは、一人ひとりが見事にやった(マッシュルでさえ、あれほどの驚異だ)。自分はどうすればいい?
魔力測定は中ほど。豹人の速度と爪を見せるしかないのか?だが爪原はすでに速度を披露したし、ウォフは力を披露した。今さら木の杭を引っ掻きに行くのは、あまりに普通すぎる。
彼は意を決して、空地の中央へ歩み出る。陽射しが少し眩しい。レアンペの、全てを見透かすような氷藍色の視線が自分に注がれているのを感じる。そして、あの「期待しているぞ」という言葉が、耳の奥で反響する。
「僕は……」
ダイクが口を開きかける。頭は高速回転。
——そして、閃いた。
そうだ!
ドラゴ会長に空へ放り投げられた時(あまり思い出したくないが)——あの極限の恐怖の中で、無理やり引き出された、身体とバランスの強制的な制御!
深く息を吸い込み、目を閉じる。あの感覚を必死に思い出す。
再び目を開けた時、その瞳に一筋の決意が走る。
——恥ずかしい披露になるかもしれない……でも、もうこれしかない!
彼は変身せず、目立った魔法も使わない。ただ——突然、動いた!
直線の突進でも、之の字の回避でもない。
その動きは、極めて予測困難になっていく。時に前へ飛び込み、時に後ろへ跳び、時に横転し、時に腰腹の力を使って空中で短く方向を変える!
一つひとつの動作は、流れるように、しかし唐突に繋がる。まるで見えない攻撃を避けているかのように、あるいは複雑な地形の中を素早く駆け抜けているかのように!
鋭い爪が時折弾け出し、地面や空気に、短く正確な弧を描く。防御や反撃のシミュレーションだ。
その間ずっと、耳と尻尾も、激しく、しかし調和よく動き、平衡と知覚を補助している。
これは体系だった武技ではない。豹人種生来の敏捷さ、柔軟さ、反応速度と、彼が最近の「実戦」(強制的な)で得た、危険な環境への本能的対処が、組み合わさったものだ。
形成されたのは、やや粗削りだが、機知と生存の匂いに満ちた「総合回避・機動技術」。
数分後、ダイクは動きを止める。少し息を切らし、金色の毛は乱れている。だが目はきらきらと輝き、レアンペを見る。
レアンペは、ずっと見ていた。顔には、やはり何の表情もない。ダイクが止まるまで待ち、ゆっくりと口を開く。
「無手勝流だな。純粋に本能と、その場の反応に依存している」
——予想通りの評価。
「だが」
レアンペの氷藍色の瞳が、ダイクを捉える。
「限られた先天的条件の中で、種族の天賦と、最近の(どうやら愉快ではないらしい)経験を結びつけ、生存と適応を重視した行動様式を発展させようとしている……粗削りだが、方向性は間違ってはいない」
「少なくとも、お前は魔力が足りないと嘆くだけでなく、自分の特徴をどう活かすかを考えている」
ダイクは呆然とする。
——この評価……そんなに悪くない?それどころか……ちょっと……指導っぽい?
「戻れ」
レアンペが促す。
ダイクはふわふわした足取りで戻る。ウォフに背中を力強く叩かれる。
「やるな、ダイク!何の踊りを踊ってたかは分からんが、先生は怒らなかったぞ!」
爪原も小声で言う。
「僕はすごいと思ったよ。森の中で逃げるウサギみたいな……あ、違う、すごく機敏な豹みたいだった!」
格賀の魂火は穏やかに燃えている。
「ストレス反応を、反復利用可能な動作記憶へ変換する試みは悪くない。ただし、やはり体系化が必要だな」
マッシュル:「……ぐ〜」
披露は続く。ただし、一部を除けば、大半は付け焼き刃か、基準に届かないものばかりだった。
すべてが終わり、レアンペは隊列の前に歩み出る。再び、全員に視線を巡らせる。
「今日の披露で、私はお前たちをより『全面的』に知ることができた」
声は、依然として冷たい。
「結論を言えば——天賦は人それぞれだが、系統だった訓練と深い掘り下げが、総じて不足している。特技は表面に留まり、魔力と技巧の結合は不慣れで、実戦の意識は薄弱だ」
「だが」
表情の異なる学生たちを見る。
「少なくとも、私は見た——可能性を。微かだが、確かに存在する可能性を」
「来週から、通常課程に加え、毎週二コマの『総合実戦演習・特技開発』を増やす。私が直接指導する」
宣言の口調は、反論を許さない。
「内容は、今日の披露と今後の成績に応じて調整する。目標は——学期が終わるまでに、お前たちの『特技』を、こんな中途半端な代物ではなくすることだ」
最後に、ダイクを見る。
「特に——お前だ、ダイク。お前の『様式』は面白いが、混乱の極みだ。重点的に見ていくぞ」
ダイク:「……」
——喜べばいいのか、泣けばいいのか。
「——以上、解散」
レアンペは振り返り、立ち去る。一年C組の学生たちを、その場に残して、今日の情報を消化させる。
披露は終わった。だが、全員が理解している——本当の「鍛錬」は、おそらく、今から始まるのだと。
そしてダイクにとって、担任に「重点的に見られる」ことが、果たして幸運なのか厄災なのか——その答えを知るのは、おそらく、時間だけだ。




