魔力測定と担任の「看好」——あるいはマッシュルは規格外でした
校歌地獄の大広間を後にし、一年C組の学生たちは担任レアンペ・ソサの背中に続いた。
来た時よりも空気は微妙だ。多くの者が、校長があまりにも「生々しく」作り上げたイメージと、脳髄まで響いた歌声の余韻にまだ浸されている。
レアンペの歩調は相変わらず安定し、冷徹で、深青色の袍の裾はほとんど揺れない。
彼はわずかに頭を側け、視線の端で、隊列の中ほどを歩く格賀——魂火にまだ興奮の余韻が残っているらしい——を捉え、言った。
「……お前が、最初に校長のサインをもらいに行った新入生だ」
その口調は平淡で、陳述なのか評価なのか判別できない。
格賀の魂火が穏やかに一跳ねし、顎骨が軽く動く。
「そうですか」
それ以上の説明はしない。まるでごく自然なことのように。
レアンペは視線を戻し、何も言わなかった。ただ、ほとんど聞き取れないほど軽く鼻を鳴らした。格賀の度胸(あるいは奇特な趣向)に、わずかな認可を示したのか。それとも、校長とこの骸骨の新入生が、どちらもなかなか特別だと感じただけなのか。
隊列の中で、ダイクがこっそり格賀に近づき、声を潜めた。顔には後悔と、たっぷりの好奇心が浮かんでいる。
「格賀……なあ、魔王って……本当に、みんなああいう変な連中なのか?」
彼は石室で全身に縫い目を張り巡らせたウラミシュタインを思い出し、さらに先ほど、泣いたり笑ったり、歌が致命的だった校長を思い浮かべた。
「魔王」という言葉から想像する、威厳に満ち、恐ろしく、地団駄を踏めば魔界が揺れるような姿——それとの落差が……大きすぎる。
格賀は少し考え、骨質の声で平静に答えた。
「一概には言えないな。公開されている記録や研究文献によれば、十人の魔王のうち、何人かは好戦的な者だ。少なくとも外見や振る舞いは、伝統的な『威厳』『圧迫感』のイメージに近い」
一拍置く。
「だが、釈雷王閣下のように研究に没頭する方、翼王閣下のように……うん、性格が外向的な方も確かに存在する。魔王の選定基準は複雑で、戦闘力や威厳だけで決まるわけではない」
隣でウォフの耳がぴくっと動き、会話を聞きつけた。即座に割り込む。金色の瞳に、純粋な野心が燃え上がっていた。
「関係ねえ!変でも何でも、強けりゃいいんだ!いつか俺、ウォフ・ルフが魔王になってやる!いや、魔王よりすごい存在になってやる!」
拳を振り回す。
「騒ぐな」
レアンペの冷えた声が、鞭のように飛んできた。振り返りもしない。
ウォフは瞬間に黙り込む。狼の耳がぺたりと垂れ、尻尾も硬直し、尻尾を踏まれた子犬のように、しょんぼり縮こまった。
彼らは教室には戻らず、レアンペに連れられて、広々とした公共テスト場へ向かった。
地面には頑丈な魔紋の石板が敷き詰められ、壁は魔力を吸収する素材、天井は高い。
周囲には基礎的な体力測定器具が並び、そして何より目立つのは、場の中央に浮かぶ、複雑な符文が刻まれた水晶球と柱だった。
「各自、並べ」
レアンペは簡潔に言う。
「最初のテストは、魔力の基礎保有量と活性だ。特別な評価ではない。お前たちの地力がどの程度か、私が把握するためだけのものだ」
「緊張しなくていい。……もちろん、緊張したところで無駄だが」
新入生たちは不安そうに列を作る。
方法は簡単だ。指定されたテスト用の水晶に手を置き、できるだけ穏やかに魔力を流し込む。水晶は吸収した魔力の総量と質——活性や属性傾向など——に応じて、光と目盛りを示す。
テストが始まる。
大多数の学生の結果を、傍らで観察していたレアンペの眉は、目盛りが上がるたびに深く寄っていく。
水晶球の放つ光はほとんどが薄暗く、目盛りも這うようにしか上がらない。魔族の新入生の平均線(決して高いとは言えない基準)にようやく届くかどうか、という有様だ。
【……ふん】
レアンペの氷藍色の瞳に、はっきりと失望が映る。
【世代ごとに劣化しているな。この程度の魔力保有量とは】
ほどなく、骨折り損小隊の番が回ってくる。
ダイクが緊張しながら爪を水晶に押し当て、精神を集中させる。
水晶球は穏やかな淡黄色の光を放ち、目盛りはゆっくり上昇し、平均線をわずかに上回ったあたりで止まった。
悪くはない。だが、決して優秀でもない。
レアンペは一瞥し、評価すら与えず、次の者を促すだけだった。
爪原の結果はダイクと似ていた。淡緑色の光、目盛りは少し低い。
ウォフは灼熱の赤い光。血脈に宿る爆発力は見て取れたが、魔力の総量そのものはやはり突出していない。
レアンペの表情は、まったく動かない。
そして、格賀。
彼は指骨を水晶に乗せた。
瞬間——水晶球の内部に、まるで暗い深潭が注ぎ込まれたかのように、深遠な幽藍色の光が広がった。目盛りはほとんど一直線に跳ね上がり、あっさりと全員の記録を塗り替える。
レアンペの氷藍色の瞳に、ようやく一筋の極めて細かな波紋が走った。
——想定内、だが、ようやく形になる者が一人はいたか。
最後はマッシュル。
彼はのろのろと前に進み、菌斑と小さなキノコに覆われた手を、そっと水晶に置いた。
最初、何の反応もない。誰かが「機械が壊れたのか?」「マッシュルには魔力がほとんどないんじゃないか?」と思い始めた、その時——
水晶球の内部で、突如、異様で形容しがたい光が炸裂した!絶えず色彩を変える、ぼんやりとした光!
目盛りの針は《ビュンッ》と跳ね上がり、驚くべき速度で格賀の数値を追い越し——それでも止まらず、安定して上昇を続け、水晶球の理論上の新入生テスト上限域に達して、ようやくゆっくりと止まった!
「うわああ!マッシュル!」
ウォフが一番に叫ぶ。目をまん丸に見開き、あの驚異的な目盛りを指差した。
「お前の魔力保有量……格賀を超えてるぞ?!すげえ!とんでもない実力の持ち主だったのか!」
他の学生からも、ざわめきが湧き上がる。
ダイクも爪原も、驚きの目でマッシュルを見つめる。まるで初めて、この無口で動作の遅い同級生を知ったかのように。
レアンペの視線が、ようやくマッシュルに数秒間留まった。氷藍色の瞳の奥に、本物の驚きと思索が掠める。
【最も動作の遅い学生が……この程度の魔力保有量を持っているとは。
しかもこの魔力の性質……異常に複雑だ。強い生命力と、衰変の気配が絡み合っている。少し面白い……いや、かなり面白い】
残りのテストはすぐに終わった。レアンペは記録結果を一瞥し、顔の霜が一層厚くなったようだった。
「おい、馬鹿ども」
遠慮のない口調で切り出す。その声に、すべての新入生の心臓が縮み上がる。
「測り終わったなら、整列して教室に戻るぞ」
教室に戻ると、レアンペは教壇に立ち、腕を組んで、氷の針のような視線で下を見渡した。
あのテスト結果が、彼の機嫌を確実に悪くしていた。
「お前たちの大半は」
言葉のひとつひとつが、氷の粒が地面に落ちるように響く。
「魔力の水準が……スライムの切れ端で適当に固めた石鹸にも劣るな。希薄で、弛んでいて、可能性のかけらも感じられない」
教室は死んだように静まり返る。多くの学生が顔を赤く染め(あるいはそれに相当する生理的反応を示し)、羞恥と怒りで震えたが、反論はできない。
「気になるのだが」
レアンペはわずかに身を乗り出し、氷藍色の瞳に隠しもしない疑念を浮かべる。
「お前たち、いったいどうやって……この魔界のエリート揃いの巣窟を自称する真央学院に『滑り込んだ』?」
視線が動き、まずダイクに固定される。
「ダイク!答えろ」
ダイクはびくりと立ち上がり、気合で声に理屈らしさを込めようと努力した。
「は、はい!僕は……正規の統一入学試験を受けて合格しました!」
——あの試験はまさに悪夢だったが、彼はれっきとした実力で(おそらく?)突破したのだ。
レアンペはその言葉を聞き、眉が、気づかれない程度にぴくりと動いた。
【あの……校長が(遊び心で)自ら設計に参加し、受験生を殺しても構わないという仕様で、合格率が常に二割を切る試験か?】
彼の記憶によれば、あの試験には、なぜ出題者がこんな問題を出したのかと受験生に考え込ませる、奇妙奇天烈な出題が数多く含まれていた。
「……まあいい。座れ」
次に、格賀を見る。
格賀は平静に立ち上がる。
「同じく」
レアンペ:「……」
「ウォフ」
ウォフが《シャッ》と立ち上がり、胸を張って大声で答えた。
「俺の故郷で年一の武術大会があって、俺は挑戦してきた同郷の奴ら二十人全員をぶちのめして優勝した!そしたら学院が俺を推薦してくれたんだ!」
満面の誇らしげな顔。
レアンペの口角が、ほんのわずかに引きつる。
【……まあ、まだ許容範囲内だ】
さらに他の学生が名指しされていくが、答えは百花繚乱で、レアンペの顔色はみるみる曇っていく。
「わ、私は……街角の商店で魔力キャンディを買ったら、抽選で『真央学院特別体験入学チケット』が当たりまして……」
(おずおずとした花妖)
「散歩してたら、空から手紙が落ちてきて、頭に当たって、開けたら合格通知書でした……」
(きょとんとした石像鬼)
「族長が俺には才能があるって、推薦状を書いてくれました……」
(数人の獣人族の学生)
「深海議会から研修枠を割り当てられました……」
(触手に海藻を絡めたままの深海族)
そして最後に、レアンペの視線はマッシュルに落ちた。
マッシュルはゆっくり立ち上がり、平板で緩慢な口調で言う。
「あの……私……は……学院の隅っこの……腐った材木の山から……生えて……きて……それで……送られて……きました……」
レアンペ:「……」
彼は目を閉じ、深く息を吸い込み、何かを必死に抑えているようだった。
そして再び目を開けた時、その瞳には冷たく、諦めにも似た平静だけが残っていた。
【……なるほど。こうして近年、学生の平均的な素質が、まるでランダム抽出の標本のようになっていたわけだ。
あの無責任な校長が、また「多様性」だの「サプライズ入試」だの「運命の選択」だの、そんな馬鹿げた真似をやらかしているに違いない】
レアンペの心中では、ほぼ確信に達していた。
「……やめだ」
彼はようやく口を開き、声はあの冷徹な平静さを取り戻していた。先ほどの嫌悪も怒りも、最初から無かったかのように。
「既にここに座っている以上、どうやって入ってきたかは、ひとまず措く」
振り返り、黒板に大きな文字を書きつける。
《魔界近現代史概論》
《総合実践入門》
「私はお前たちの担任で、主に一般教養課程を担当する。中核は魔界の歴史の流れの整理と、お前たちに必要な、種族を横断した総合的な実践活動だ」
一拍置き、氷藍色の瞳が全員を撫でる。
「たとえ他の課程を受けに行っても、私は……『しょっちゅう』お前たちの様子を見に行く」
「しょっちゅう」の三文字を、わざと強く強調した。授業中にサボろうとか、好き勝手しようとか考えていた者たちの心臓が、一斉に縮み上がる。
「だから」
レアンペが最後に、反論を許さない警告の口調で言う。
「お前たちは、私に面倒を起こさないことだ。授業中だろうが、授業外だろうが、な」
そして、その視線は——再び、正確にダイクへと落ちた。
「ダイク」
「……はい!」
ダイクは条件反射で立ち上がる。
「説明してみろ」
レアンペが黒板を指す。
「『終末戦争終結から現在までの、魔族社会構造の主要な変遷』という基礎歴史の枠組みについて」
「え?」
ダイクは目が点になる。
「なんで……僕なんですか?」
レアンペの口角が、極めて小さく、極めて冷たい弧を描く。以前と同じ言葉を繰り返す。
「なぜなら——私は、君に期待しているからだ」
ダイク:「……」
彼は自分の心臓(あるいは類似器官)が砕け散る音を聞いた気がした。
周囲の同情(および少数の、いい気味だという目)を受けながら、彼はやむを得ず教壇へ上がり、チョークを掴んだ(爪には不向きで、滑った)。
下の四十の視線と、担任の氷藍色の、「期待」に満ちた注視を浴びながら——
彼の、吃り、穴だらけで、ところどころ格賀の精神伝音による助け舟を必要とする、哀れな解説が始まった。




