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26. 嵐の幕開け

カイルたちは森を抜けた開けた荒地を進んでいた。道の先には険しい山脈がそびえ、薄曇りの空には不穏な気配が漂っている。


「ここを抜ければ次の拠点に近づくな。」

ケンが地図を見ながら呟いた。


「でも、妙に静かじゃないか?」

アリが周囲を警戒しながら砂を操る準備を始める。


その時、遠くから地響きが聞こえた。


「来るぞ!」

ケンが叫び、全員が構えを取る。


現れたのは巨大な四足歩行型のグラディス。その背には重火器が搭載され、全方位に攻撃が可能な恐るべき兵器だった。


「こいつは今までのグラディスと規模が違うぞ!」

ミゲルが「シルバーズ・ロッド」を握りしめながら後方に下がる。


カイルは盾を構え、「ヴァイオレット・スカイ」を発動させる。

「まずは連携して動きを封じるんだ!」


巨大なグラディスは鋭い脚で地面をえぐりながら突進してくる。ケンは「ライトニング・フューリー」を纏わせた刀でその脚を切り裂こうとするが、硬い装甲に阻まれる。


「簡単にはいかねぇな!」


アリは「ストーム・ブレイカー」で砂の壁を生成し、突進を防ごうとするが、その衝撃で砂が飛び散る。


「こいつ、本当に化け物だな!」


ミゲルが後方から支援する形で、倒木を地形ごと操りグラディスの動きを制限する。


「ミゲル、もっと右を頼む!」

カイルが指示を飛ばしながら、盾で迫り来る砲撃を弾き返す。


グラディスの攻撃が一時的に止んだ時、遠くから拍手の音が聞こえた。


「素晴らしい連携だな。さすが、リュウ様が注目するだけのことはある。」


現れたのは、黒いマントを纏い、炎を操る「レッド・ハウンド」を従えた男、ダズ・レイブンだった。


「お前が……リュウの側近か。」

ケンが険しい表情で刀を握りしめる。


ダズは薄く笑いながら、手のひらに炎を灯した。

「リュウ様の右腕と言われるのは光栄だが、俺はただ、異能の可能性を広げるために動いているだけさ。」


「可能性だと?こんな破壊を繰り返しておいて!」

カイルが怒りを露わにすると、ダズは肩をすくめた。


「破壊なくして進化はない。そのためには、君たちのような実験材料も必要だ。」


ダズが「レッド・ハウンド」を召喚すると、真紅の炎が獣の形を取り、地面を焼き尽くしながら突進してきた。


「カイル、下がれ!」

ケンが刀を振るい、雷で炎を分断する。だが、レッド・ハウンドは形を変え、再び彼らを襲う。


「なんてタフなんだ!」

アリが砂で炎を囲い込もうとするが、燃え尽きてしまう。


「こいつを止めるにはどうすればいい……!」

カイルが盾を構えながら叫ぶ。


「弱点を探る時間はない!」

ミゲルが「シルバーズ・ロッド」で仲間たちを守りつつ、冷静に状況を見極める。


「俺たちがレッド・ハウンドを引きつける。カイル、グラディスを頼む!」

ケンが突撃し、ダズの注意を引きつけた。


「何か方法を考えないと……。」

カイルは仲間たちの姿を見ながら、決死の覚悟でグラディスに向かう。


次回予告

炎の猛威が迫り来る中、カイルたちは分断された状況で戦いを続ける。ダズの力の前に、彼らはどう立ち向かうのか――。

第26話「嵐の幕開け」をお読みいただき、ありがとうございます!

今回は、リュウの右腕・ダズ・レイブンが登場し、戦いはさらに激化しました。グラディスとレッド・ハウンドの猛攻にカイルたちはどう立ち向かうのか、次回もぜひご期待ください!


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