フレンド25
御徒町駅を降りたみっちゃんは、アメ横の中にあるアメカジの店に入っていく。
みっちゃん御用達の店だ。
もっとも、お金があった時の話だけどね。
今は、〇まむらや〇Uばかりだ。
だけど、ここが目的ではない。
この店の中からは、細い路地に抜けられるようになっている。
尾行を警戒しているみっちゃんは、もし誰かにつけられていたら、ここで尾行を巻こうとしていた。
店に入る前から、みっちゃんは周囲の様子を注意深く観察していた。店内でも、さりげなく入り口の方を確認する。
しばらく様子を見るが、尾行はないようだ。
さらに奥の路地を通ると、ある貴金属の買取屋の裏口につながる。
みっちゃんは、そこに入っていった。
ここは表向きは貴金属の買取をしているが、裏の顔は非合法の武器などを売っている店だ。
朝鮮系のヤクザが経営していて、うちの組織とはつながりがない。
どうして知っているかって?
難しいことは分からないから、みっちゃんに聞いて。
店の奥に入ると、カウンターの向こうにいた男が顔を上げた。
「やあ、パクさん。お願いがあって来た」
「おお、久しぶりじゃないか。どうしたんだい?」
「足のつかないスマホを3台用意してくれないか?」
「高くなるけど、いいか?」
「ああ」
パクは、みっちゃんの顔を見ながら値段を告げた。
「海外のプリカ式のスマホで、1台30万円。無料通話10時間と20ギガ付きだ。なくなればチャージできる。このプリカを使ってくれ。1枚1万円だ」
「分かった。じゃあ、スマホ3台で90万円。プリカを10万円分で、100万円ちょうどだな」
みっちゃんは、1万円札の束をパクに渡した。
「消費税は負けとくよ」
パクは笑いながら、みっちゃんに言った。
「ありがとな」
みっちゃんはスマホを受け取ると、来た経路とは違う道順で帰った。
こういう場所では、帰り道にも気を配らなければならない。念のため、途中で何度か周囲を確認したが、誰かにつけられている様子はなかった。
翌日。
ボクとみっちゃんは、ユ〇クロで買った服を着て、舞花のいる茅ヶ崎へ向かう準備をした。
ボクは黒いジーンズに黒いパーカー。
みっちゃんはグリーンのカーゴパンツに、グレーのニットセーター。
どちらも、普通にどこにでもいる人の格好だ。
目立つ服装は避け、できるだけ周囲に溶け込むようにした。誰かの記憶に残るような格好をしていては、尾行を警戒する意味がない。
荷物は最低限。
ボクが持つのは、みっちゃんにもらったスマホと、アルマーのシーア。
みっちゃんは銃とナイフを持った。
「じゃあ、茅ヶ崎で」
「ああ。尾行に気をつけろ」
ボクは新宿駅から湘南新宿ラインに乗る。
みっちゃんは東海道線を利用する。
同じ場所へ向かうのに、わざわざ別々の電車を使うのは、尾行された場合に備えるためだ。
ボクとみっちゃんは、それぞれ周囲に気を配りながら、途中で乗り換えるなどして経路を分け、茅ヶ崎へ向かった。
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