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まことはニッコリ笑って人を斬る。  作者: ほりーⅯ


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フレンド23

大場は抵抗することなく、SuiteKissⅡまでやってきた。

ボクはナイフの刃を、ずっと大場の体に当てていた。抵抗しようと思えばできたはずだ。それなのに、彼はおとなしくついてきた。

「ママ、大場を連れてきたよ」

「早かったわね」

「あきなさん、この怖い二人に道具を仕舞うように言ってよ」

「まこと、みっちゃん。武器を仕舞いなさい」

「えっ、どうして?」

「その男は仲間よ」

「おいおい、待ってくれ。どういうことだ?」

珍しく、みっちゃんが混乱している。

ボクはそれ以上だった。

大場が仲間? いったい、どういうことなんだ?

「どうやら、混乱しているようね。大場は内偵チームの一員よ」

「なんだって?」

「アナタたちにシルバーセージのエージェントが接触しようとしていたので、見張っていたの」

「そういうこと。俺はエージェントに騙されそうになっているアンタたちを助けるために奔走していたんだ」

ボクらは、ママと大場の言葉に衝撃を受けた。

「…………」

しばらく、時間が止まったようだった。

「まっ、待って。そのエージェントって、まさか……」

ボクの脳裏に、一人の顔が浮かんだ。

「そう。アナタが匿っている舞花という女よ」

ママは冷たい表情で言った。

ボクの頭の中は、もう何が何だか分からなかった。

でも……もしかして、もしかしたら……。

「アンタたちに近づいたあの舞花って女は、たいしたタマだぜ」

「どういうことだ?」

何も言えなくなっているボクの代わりに、みっちゃんが聞いてくれた。

「そもそも、あいつはアンタたちと同じ殺し屋だ。学校での事件の話は聞いてるだろう?」

「ああ」

「その相手は、与党の大物代議士の孫だ。シルバーセージに不利益な法案を提出したので、見せしめに殺された。事故死なんてのは嘘だ。舞花が告白をすると見せかけて、屋上から突き落としたんだ」

「そんなこと……」

ボクは否定する言葉を口にしようとした。だけど、言葉がつまって、それ以上何も出てこなかった。

舞花がそんなことをするはずがない。

そう信じたいのに、今のボクには何も言い返せなかった。

「次のターゲットは、最近シルバーセージにダメージを与えているアナタたちを始末することよ」

「証拠は掴んでる。さっさと舞花を捕まえてこいよ。お前たちの手の内にいるんだろ」

大場が急かすように言った。

「生ぬるいわ。殺ってしまいなさい」

ママの命令が下った。

「ママ、待ってくれ。俺も、まことも今は混乱している。ちょっとだけ待ってくれ」

みっちゃんが必死に頼んだ。

「フゥー、仕方ないわね。一週間だけあげる。一週間で全て片づけるのよ」

「分かった」

みっちゃんのおかげで、時間稼ぎができた。

でも、本当なんだろうか?

舞花がボクたちを騙していたなんて……。

いや、そんなことはないはずだ。

舞花は、ボクの初めての親友なんだ。

どうしたらいいんだ。

分からない。

ボクは答えの出ない疑問を抱えたまま、アジトに向かった。

たくさんの人に読んでいただいて幸いです。ブックマークしていただけたら励みになります。

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