フレンド15
ボクは帰りはみっちゃんの自転車。
みっちゃんは歩きだった。
アジトにみっちゃんより一足先に帰ったけど、舞花はまだ帰っていない。
早く血で汚れた衣類を着替えて、シャワーを浴びなきゃ。
そう思い、急いでバスルームに入った。
舞花がガールズバーから帰ると、バスルームからシャーッという音が聞こえた。
まことの靴があったから、まことがシャワーを浴びているのは分かった。
バスルームに近づくと、廊下にポツ、ポツと赤いものが垂れていた。
血だ!
やっぱり、まことは……殺し屋?
どうしよう。
舞花の心の中にあった疑惑は、確信に変わっていた。
シャワーの音が止まる。
まことが出てくる。
とりあえず、気が付かなかったふりをしよう。
* * *
ボクがシャワーを浴び終わると、舞花がリビングでくつろいでいた。
「舞花、おかえり」
「うん」
笑顔なんだけど、なんか様子が変だ。
「お店でなんかあった?」
心配になったボクが尋ねると、舞花は少し間を置いて答えた。
「……今日、初めて外国人のお客さんがついて……ちょっと疲れちゃった」
「大丈夫?」
「うん。大丈夫」
「そろそろみっちゃんが帰ってくるから、そしたらご飯にしよう」
「……今日は疲れたから、先に寝るね」
舞花はシャワーも浴びずに、ベッドに向かった。
まことに気づかれないように、舞花は大場にメッセージを送った。
「急いで相談したいことがある」
「明日16時に新宿三丁目のカフェで会おう」
そう返信が来た。
みっちゃんが帰ってきた後、廊下の血をそのままにしていたことを、しこたま怒られた。
「ちょっとは気を付けろ!」
って。
* * *
次の日、舞花は何もなかったかのようにしていた。
「まこと、そこの塩取って」
「元気になったみたいだね。よかった」
ボクが塩を舞花に渡すと、
「うん。ありがとう」
と答えてくれた。
「今日の予定は?」
「お店が夕方5時からだから、4時には家を出るかな。まことは?」
「ボクはこれから浮気の調査」
「頑張ってね」
「うん」
今日のボクは大場の尾行。
これから、みっちゃんと合流だ。
13時、ボクはみっちゃんと合流した。
今日は新大久保にいた大場が、スカウトに精を出している。
「どう?」
みっちゃんに聞くと、
「さっきからずっとスカウトのみ。おかしなところはない」
「絶対怪しいんだけどなー」
「そういえば、掃除屋チームはスパイとは無関係みたいだ」
みっちゃんは昨日の仕事の情報を、意図的に掃除屋チームの乾に流していた。
幹部ではないが、かなり稼いでいる吉田を見殺しにすることはないだろう。
朝、吉田は引っ越ししたことになった。
吉田の死体は荷物と共に運ばれていったとのことだった。
「じゃあ、やっぱり大場が怪しいね」
「まだ、情報屋のてっちのやつもいるがな」
15時30分。
それまでスカウトを続けていた大場が、移動を開始した。
新宿三丁目のカフェに入っていく。
大場は何かを注文すると、テラス席に座った。
ホットドッグとコーヒーがテーブルに届けられる。
遅い昼ご飯だろうか。
16時。
そこに舞花がやってきた。
「えっ! どうして?」
とっさに飛び出そうとしたボクを、みっちゃんががっしりと捕まえた。
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