フレンド9
次の日、ボクらは3人目の容疑者、大場俊夫のところに向かった。
って、こいつ、舞花をスカウトした奴じゃん。
気づかなかったボクはちょっと後悔したけど、みっちゃんは、かえってチャンスだと思ったらしい。
「大場さんかい?」
みっちゃんが聞く。
「誰だ、あんたら?」
「先に名乗るべきだったな。俺たちはアキナチームのみつとまことだ」
「なんだ、組織の人間か。警察かと思って、ちょっと焦ったよ。まあ、でも、よくよく考えたら、そんな小さな警察官、見たことないもんな」
大場はボクを見下ろす。
やな感じだ。
ボクは、ちょっとムッとして見せた。
「おー、怖い怖い。殺しの実行グループに睨まれたら、生きた心地がしないぜ。で、用件は?」
大場は、少しおどけたように言う。
「ああ、この辺りでシルバーセージの幹部がやっている店はないか?」
みっちゃんは、いつものように冷静に聞く。
「はあー。まあ、この辺にもなくはないだろうが、名義を借りてる奴もいるから、どの店が誰の店かなんて分からないぜ」
「そうか、ありがとう。分かったら連絡をくれ」
「まあ、いいけど、期待しないでくれ」
そう言うと、ボクらはSuiteKissⅡに向かった。
アリサさんに会うためだ。
「あら、ママじゃなく、私に会いに来たの? ママがやきもち焼くわよ」
「はい、これ」
ボクは、約束の海老とアボカドのサンドを差し入れした。
「これをもらったら、協力しないとね。で、3人はどうだったの?」
「どいつも怪しいし、怪しくない。結局、よく分からないのが本音」
ボクは肩をすくめて言った。
「じゃあ、こうしたらいいわ」
アリサさんの次の手を聞いたボクたちは、頷いた。
この間と同様に、てっちさんのところに行った。
「てっちさん、見つかった?」
ボクが聞くと、
「見つからねえな」
てっちさんが答える。
「そうか。でも、俺たちは幹部ではないが、大きな下部組織のトップを見つけた。リランドホテルで明日23時に夜襲をかけるつもりだ。続けて探ってくれ」
そうみっちゃんが伝えると、
「ああ、分かった」
と返事をした。
ボクらは次に、掃除屋の乾のところに来た。
「なんだ、また来たのか」
こないだほどのトゲはない。
「実は、明日の24時、ラウナントホテルでターゲットを討つことになった。明日はよろしくな」
と、みっちゃんが言うと、
「分かった。指令を待つよ」
との答えだった。
今度は大場。
「今日は何なんだ?」
機嫌が悪い。
「ああ、幹部ではないが、大物を見つけたんで言っておこうと思って」
「俺に? なんで?」
確かに、大場には伝える義務はないが……。
「いや、頼んでいたのに悪いと思ってな。明日の25時にグドンランホテルでターゲットを仕留めるんで、連絡が取れなくなるが、引き続きよろしく」
「じゃあね」
と言って、ボクらは大場のもとを後にした。
そう、3人全員に、少しずつ違う話を伝えた。
これで、何かしら妨害をしようとした奴が犯人確定ってわけ。
さすが、アリサさんの考えた作戦だ。
ボクらは、次の夜を待った。
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