フレンド8
ちょうど、舞花とボクたちは同時刻に戻ってきた。
「まこと、ちょっと話があるんだけど」
「いいよ」
ボクはすぐに話を聞いた。
「……というわけでね。そのガールズバーでキャストをしようかどうか迷っているの」
舞花は迷っているみたいだ。
「その店って安全なの?」
「大手だから大丈夫って言っていた」
「調べてみようか?」
調べたところ、ダウエルコーポレーション株式会社というところが経営している。
ボクはその手のことに詳しいみっちゃんに調べてもらった。
「そりゃ、うちの組織の表の企業の一つだ」
「えっ?」
驚いて、詳しく聞いてみる。
「ああ、組織も表の顔と裏の顔があるだろ。うちの組織の合法部門。結構稼いでるみたいだ」
「へぇ、そんなのがあるって知らなかった」
「SuiteKissⅡも同じようなもんだぞ。いちおう会社は違うけどな」
「じゃあ、安全だね」
「それは分からんぞ。ただ、合法なのは確かだけどな」
「舞花が働くんだろう。後はゆっくり考えたらいいんじゃないのか」
ボクは舞花に、いちおう合法的な会社だとは伝えた。
「分かった。挑戦してみるよ」
舞花の答えだった。
「舞花が決めたんなら、ボクは応援するよ」
「ありがとう」
舞花は一言、ボクにお礼を言った。
次の日、ボクらは2人目の容疑者、掃除屋の乾武夫のところに行った。
掃除屋は、殺し屋が殺した後の現場を掃除する専門の部門だ。
5人一組で行動している。
だけど、ボクらは一度仕事を失敗して、掃除屋を2人死なせてしまったので、すこぶる評判が悪い。
乾は掃除屋のチーフだ。
「なんだ、疫病神じゃねぇか。何しに来た! とっとと帰れ」
「まあ、そう言うなよ。これ、みんなで飲んでくれ」
みっちゃんが酒の差し入れをする。
「けっ、こっちはこれから仕事だ。酒なんざ飲んでられるか」
取り付く島もないとは、このことだろうか。
「いや、俺たち、近いうちシルバーセージの幹部をやることになっている。そんなことで、アンタたちと関係を修復したいんだ」
「うちのチームって決まったわけじゃないだろう」
「いや、この案件ができるのはアンタたちしかいない」
みっちゃんは、嘘と真実を少しずつ混ぜて、そして少し持ち上げ、気分を良くさせる。
さすが、年の功。
「はっ、仕事が決まってから来るんだな」
それは、また来てもいいということだった。
一方の舞花は、スカウトの男、大場俊夫に会っていた。
歌舞伎町にある大手チェーンのカフェ。
「おお、舞花ちゃんっていうのか。で、仕事してくれる気になったんだな」
「条件は変わらないね」
「もちろんさ。じゃあ、いつから始める?」
「明日から始めるよ」
「じゃあ、17時にこの店に来てくれ」
大場敏夫は舞花に店の名前の入ったカードを渡した。
Girls Bar VELIA
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