フレンド7
「この5人は組織では末端から中堅。でも共通しているのは、比較的組織に所属して日が浅いということ」
「ここからどう絞るかが難しいところだね」
「全員がスパイの可能性もあるだろう」
「ええ。でも、アナタたちにヒントをあげる。パストラミサンドのお礼にね」
「ホントに?」
「この中で、3つの情報をすべて知っていたのは3人だけ。この3人の中にスパイがいる」
「ここまで分かれば、何とかなりそうだ。アリサ、ありがとう」
「解決したら、今度はエビとアボカドのサンドね」
そう言いながら、3人の写真とプロフィールを渡してくれた。
「了解」
アリサさんと約束して、ボクらはSuiteKissⅡを出る。
情報屋のところに向かった。
この情報屋は、組織に属している情報屋の一人。
普段は金物屋をやっている。
刃物や合鍵も作っているので、重宝している。
ボクは利用したことはないけど、みっちゃんは何度か利用したみたい。
「てっちさん、情報を聞きたいんだが、いいか?」
みっちゃんが声をかけると、丸々と太った男がやって来た。
この男は後藤哲史。
通称、てっちさん。
「何の情報だ?」
「シルバーセージの幹部、分かりやすい奴の居場所」
「えっ、とうとうシルバーセージの幹部と直接やりあうのかい?」
てっちさんは驚いた顔をした。
それもそのはず。
今までは、お互い下部組織の潰し合いに終始していた。
これは、とっておきのネタだ。本当ならだけど……。
「いや、すぐじゃあないさ。ただ、居場所を知っていたら、すぐに狙いに行けるだろ」
「そういうことか。じゃあ教えてもいいが……」
てっちさんは、もったいぶった。
「教えてもいいが……?」
みっちゃんが繰り返すと、
「300、300万円なら調べてもいい」
「分かった。成功報酬でいいな」
「まあ、難しいだろうからな。成功報酬でいいや」
みっちゃんには珍しく、気前が良かった。
* * *
そのころ、舞花は新宿の街にいた。
日用品を買うためだ。
舞花が歩いていると、
「ねえ、キミ、キミだよ」
と、呼び止める声。
振り向くと、チャラそうな男が声をかけてくる。
「ナンパならごめんだよ」
舞花は、はっきりと言った。
「いや、違うよ。ガールズバーのキャストのスカウトだよ」
金髪のチャラ男は、そう言って名刺を渡した。
「ガールズバー?」
舞花は、怪訝そうに見る。
「ウチは大手だから、だますことはないよ。カウンター越しにお客さんと話すだけ。時給2,500円、指名料バック1,000円、ドリンクバックはその半額でどうだい?」
ちょうど、お金は欲しかったけど、どうしたものかな。
舞花は考えた上で、
「それって、日払いでもらえるの?」
と聞いた。
「もちろんさ」
なんせ、一日でも早くお金が欲しい。
「ちょっと考えてみるね」
でも、ちょっと怖いから、まことと相談することにした。
「決まったら、その電話に連絡してな」
そう言って、舞花はスカウトと別れた。
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