フレンド3
それから三日間、舞花からの連絡がなかった。
あまり人付き合いをしたことのないボクは、舞花に連絡を取るのはウザがられるのではないかと思い、自分からの連絡は控えていた。
ボクはまだ仕事はせずに、ゲーム三昧の日々を送っていた。
そして四日目、唐突に連絡が来た。
「今から会えない?」
「いいよ」
「じゃあ、また新宿で」
LAMINで連絡を取り、三十分後に西武新宿駅で落ち合うことにした。
西武新宿駅で会った舞花は、三日前と比べて疲れ切った様子だった。
手にはボストンバッグを持っている。
「舞花……どうしたの?」
「うん……家出て来た」
「どうして?」
「いろいろあって……家に泊めてくれないかな?」
舞花は悲痛な面持ちでボクにお願いした。
「分かった」
ボクは理由も聞かずにOKした。
ボクは舞花をアジトに連れていくことにした。
「家族とか大丈夫なの?」
舞花は自分から泊めてほしいと言った割には、ボクの家族のことを心配していた。
「大丈夫。おっさんが一人いるけど、いい人だから」
「おっさんて……おとうさん?」
「まさか。ボクの恩人で……今は仕事のパートナーかな」
ボクは「おとうさん」のところで、思わず吹き出しそうになった。
「話の通じる人だから、大丈夫だよ」
ボクは困っている舞花を助けたい。
ただ、それだけの気持ちだった。
それが短慮というものだということを、その時は思いもしなかった。
アジトに帰ると、みっちゃんはいなかった。
またバイトに行っているんだろう。
ボクは舞花を家に上げると、
「今、飲み物を出すから、ソファーにでも座ってて」
冷蔵庫から、みっちゃんのダイエットコーラを取り出す。
シュガーレスでカフェインレス。不健康なみっちゃん御用達。
ほんとは砂糖・カフェインたっぷりのコーラがよかったんだけど、昨日飲んじゃったんだよね。
「ダイエットコーラしかないけど、いい?」
「うん。いいよ」
舞花とそんなやり取りをしていると、
ガチャ
とドアを開ける音がした。
玄関を開けた途端、みっちゃんはいつもと違う違和感を覚えたようで、ポケットからペン型の暗器を取り出す。
右に回すとボールペン。
左に回すと千枚通し。
元教師のみっちゃんらしい暗器だ。
暗器を構えて、リビングのドアを開けようとするみっちゃん。
なかなかドアを開けないみっちゃん。
「あっ」
と思ったボクは、ドアの向こうで身構えているみっちゃんに、
「みっちゃん、大丈夫。入って」
と笑いながら言った。
みっちゃんはドア越しに、
「フゥー」
と一呼吸してから、ドアを開ける。
「みっちゃん、お帰り~」
満面の笑顔で迎える。
「みっちゃん。この子は舞花。今日から泊まるからよろしくね」
「ああ、よろしく。って、まこと、ちょっと」
みっちゃんはボクを廊下に連れ出した。
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